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1日1回ガチャ無料!  作者: 相舞藻子
さいつよ編
99/153

賢者は拳で語る






 帝都にある、とあるカフェ。

 お洒落な雰囲気のお店に、ミレイと九条、そしてパーシヴァルの3人は居た。


 ミレイと九条はメニューとにらめっこをし、パーシヴァルはそれを眺めている。




「……悩むな。」




 優柔不断なミレイは、真剣な表情でメニューを見る。

 自分に食べられるもの、今の自分が食べたいもの、胃のコンディションなど、様々なことを考えていた。




「わたしは、この一番高いパフェにしようかしら。」



 九条は、大して悩まずにメニューを決める。

 何をするにも、彼女は”一番”が好きだった。




「それ、全部食べれるの?」


「ふふっ、わたしを誰だと思っているの?」




 九条は胸を張って答えた。

 まったくもって、”説得力”のある胸である。




「師匠はどうします?」


「そう、ですね。」




 すでに決まった九条からメニューを受け取り、パーシヴァルはそれを見る。




「わたしも、この一番高い、……いいえ、止めておきましょう。」



 少々、悩みつつ見ていたが、そっとメニューを閉じた。




「食べないんですか?」


「ええ。”今のこの姿”だと、胃に負担がかかるので。」


「?」



 今のこの姿。その言葉の意味を、ミレイはまだ知らない。















 九条の前に豪華なパフェが、ミレイの前には小さなパフェが置かれる。

 2人は夢中でパフェを食べ、パーシヴァルはそれを見ながら微笑んでいた。




「ところでミレイさん、魔法はどの程度上達しましたか?」




 その言葉に、ミレイの手が止まる。

 痛い所を突かれたと、その表情が物語っていた。




「あ、あはは。」



 乾いた笑い。それが、”答え”である。




「なるほど、よく分かりました。」




 パーシヴァルは変わらず笑顔のまま。

 ミレイには、それがとても恐ろしく見えた。


 パフェを食べるスピードが、目に見えて低下する。





「そちらの瞳さんは、魔法を習得したいとか。」


「ええ、ぜひともお願いしたいわ!」




 返事をしつつ、九条は物凄い勢いでパフェを平らげていく。

 その様子を、ミレイは神妙な表情で見つめる。




(……あれ全部、胸に行ってそう。)



 そうとしか思えなかった。




「何のために、魔法を?」


「もちろん、来週の大会で勝つためよ。」


「大会で勝ちたい理由は?」




「”わたしが最強”だって、世界に知らしめたいの!」




 九条の口から出るのは、迷いのない言葉。そこに、嘘など微塵もない。

 彼女は”てっぺん”しか見ていなかった。

 今は、まだ手が届かないが。必ずそこに辿り着くと信じている。




「なるほど。」




 九条の言葉を受け、パーシヴァルは笑みを浮かべる。

 ある意味で、それは彼女の”理想”とする答えであった。





――こういう馬鹿が、この世界に欲しい。





「……しかし、あまりにも時間が足りません。”余程の才能”がない限り、付け焼き刃にすらなりませんよ?」




 ただ、強くなりたいのではない。その先を目指すのであれば、絶対的な天賦の才能が必要になる。

 それこそ、キララにも近いものが。




「貴女に、その”可能性”はありますか?」


「……そうね。」




 パーシヴァルに問いかけられ、九条は少し悩むと。

 右の手のひらを、前に差し出した。



 そこに、光が集っていく。



 なんてことはない、ただアビリティカードを具現化するだけ。


 だが、しかし。

 その輝きの強さに、ミレイは唖然とし。


 正面から見つめるパーシヴァルも、思わず冷や汗をかく。




「――これが、証明になるかしら。」




 そう言って、九条の手に出現したのは。

 ”虹色”の輝きを放つアビリティカード。



 フェイトにも匹敵する、最強の”5つ星”であった。

















 自らの可能性を証明し。

 晴れて、九条瞳はパーシヴァルに弟子入りすることに。


 早速、魔法の習得を行うため、彼女たちは場所を移動する。

 姉弟子であるミレイも、それに一緒についていく。



 自分たちの時と同じように、どこか適当な空き地で教えてもらう。

 そんな軽い考えで、ミレイはついて行くものの。


 ”たどり着いた場所”に、唖然とする。

 ミレイだけでなく、九条も同様に。




 そこは、”宮殿”であった。


 大きな柱に、大きな建物。

 壁は真っ白で美しく、全体的にきらびやかな装飾に彩られている。


 ミレイもまだ、この街の全てを知ってはいないが。

 この建物、この場所が、帝都で最も重要な場所なのは理解できる。




 この場所の名は、”ハートレイ宮殿”。


 天使によって設計された、地上で最も美しい建築物にして。

 皇帝、セラフィムの居城である。





「さぁ、行きますよ。」


「……まじでか。」




 ミレイは開いた口が塞がらず。


 パーシヴァルは、正面から堂々と中に入っていく。

 続いて、九条も中へと入る。


 ミレイは、若干縮こまりながら入っていった。








 不思議なことに、”誰とも会うことなく”、3人は宮殿内を進んでいき。

 中にある、とても大きな庭園へとやって来る。


 手入れの行き届いた、立派な庭園で。

 中央には大きな噴水が存在する。


 果たして、こんな場所に自分のような人間が来ても良いのか。

 若干、ミレイは不安に思う。



 3人が噴水の近くまで歩いていくと。そこには、1人の人物が立っていた。


 真っ白な服装に身を包む、騎士のような女性。最強の冒険者と名高い、マキナである。


 マキナは、若干呆れたような表情をしていた。




「騎士たちが”妙にサボっている”と思えば、これはどういう道楽ですか?」


「ふふ、特に意味はありませんよ。ただ、邪魔をされたくなかったので。」


「……なるほど、今日はそのモードですか。」




 主の気まぐれに、マキナはため息を漏らす。




「あまり、羽目を外しすぎないでください。」


「分かっていますよ。」




 それで、会話は終わり。マキナはその場を後にしようとするも。

 パーシヴァルの後ろから手を振る、”見覚えのある小さな影”に気づく。


 マキナは軽く微笑みながら、小さな影こと、ミレイに手を振り返した。




「おや、知り合いでしたか?」


「はい。以前、共に死線をくぐり抜けました。」


「あはは。」




 ピエタでの戦い。

 まぁ、表現は間違っていない。




「マキナさん、”お腹”は大丈夫ですか?」


「ええ。すでに完治していますので、ご心配は無用です。」


「それは良かったです!」




 以前、ミレイがこの街で暴走した時、フェイトとマキナの二人がかりで対処をした。


 その際に、マキナの腹には聖女殺しが突き刺さったのだが。

 幸いにも、すでに傷は塞がっていた。

 以前と変わらず、機械のようにキビキビしている。




「では、また。」



 そう言って、マキナは庭園を後にした。















 庭園のど真ん中に、ミレイと九条、パーシヴァルの3人が残る。


 なぜ、このような場所に連れてこられたのか、ミレイはやはり理解ができない。




「あの、師匠。こんな場所で、なにするんですか?」


「もちろん、”修行”ですよ。」




 パーシヴァルは微笑むと。

 その体から、強烈な魔力を解き放った。


 解放された魔力は物理的な衝撃波となり、ミレイと九条を吹き飛ばす。




「うげっ。」




 ミレイは為す術なく宙を舞い。

 けれども、空中で九条の髪の毛に抱きかかえられ、衝撃から守られる。



 吹き飛ばされながらも、九条は華麗に着地し。

 その髪の毛の中から、ミレイも地面に降りた。





「ありがと、瞳ちゃん。」


「何のこれしき!」





 そんな言葉を交わしながら、2人はパーシヴァルと対峙する。





「ししょー! もしかして、”そういうアレ”ですか?」


「ええ、そういうアレです。」




 パーシヴァルは全身に魔力をみなぎらせる。

 明らかな、”戦闘態勢”である。




「なるほど、面白いじゃない!」




 九条も姿勢を正し、拳を構え。

 髪の毛に神経を集中させる。



 双方ともに、戦う準備はできていた。

 若干一名、納得はできていないが。




「わたし達の時みたいに、ブワーって感じの奴じゃダメなんですかー?」




 なぜこうなったのか。

 出来れば、ミレイは戦いたくはない。




「瞳さんの”カードの能力”と、”髪の毛を操る力”からして。おそらく、あの方法では”道”が開きません。」




 パーシヴァルは両手を前に出し、そこに凝縮された魔力を発生させる。




「――わたしを倒す気でかかってきなさい。それが、貴女たちの”最低ライン”です。」




 攻撃の意思を剥き出しに。

 ”強力な魔力弾”を、ミレイたちに向けて発射した。






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― 新着の感想 ―
[一言] ついに作中2枚目の星5カード…!! さすがに天使モードじゃない時のフェイトと互角くらいだと思いますがこれから天使モードのフェイトに並ぶようになったりしたらヤバすぎる。 それはそうとキララと一…
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