表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1日1回ガチャ無料!  作者: 相舞藻子
さいつよ編
63/153

脱いだら凄いって言われたい






 それは、圧倒的な強さだった。



 金属バットや、メリケンサック、チェーンなど。様々武装をした不良達を相手に、一歩も引かず。

 目にも留まらぬ速さで攻撃を回避し、拳と蹴りのみで反撃。



 あっという間に、10人ほど居た不良達を返り討ちにする。



 不良達は、全員がいかつい男達だったが。

 それを撃退したのは、たった1人の少女。


 黒髪ぱっつんが特徴的な、セーラー服の少女であった。




「やるじゃない。お利口さんの割には。」



 薄暗い路地裏。

 そこに居たのは、セーラー服の少女と、ダウンした不良達の他に、もう一人。



七瀬ななせ奈々(なな)、とか言ったかしら?」



 そう言って、不敵な笑みを浮かべるのは。

 特注の学生服らしき格好をした、金髪の少女。


 ドレスのように改造された制服の派手さも然ることながら。

 何よりも目を引くのは、”ものすごい毛量の金髪縦ロール”である。




「アンタもこうなんだよ、九条くじょう(ひとみ)。黙って”卒業式”に参加しな。」



 黒髪ぱっつん、七瀬奈々が。

 金髪縦ロール、九条瞳を睨みつける。



「ふふっ。もちろん、お断りよ!」



 九条が、”何らかの能力”を発動し。

 彼女の金髪の髪の毛が、巨大な拳のような形へと変化。



 そしてそれを、思いっきり地面に叩きつけた。



 凄まじい威力で、衝撃と、土煙が舞う。

 だが、対する七瀬も、その程度に怯む事はなく。



「――死ねッ!!」


 土煙をかき分けて、九条めがけて殴りかかる。



 人間離れした速度で。渾身の拳を叩き込むも。

 九条の髪の毛が、ものすごい速さで反応し。


 盾のような形状へと変化することで、七瀬の拳を受け止めた。



「チッ、反応が速い。」



 このままでは届かないと判断し。

 金髪の盾を足蹴にして、七瀬は距離を取る。




 両者ともに、睨み合う。




「……最速で行くしかない。」



 九条に対抗するために。七瀬も能力を上昇させ。

 瞳に宿る淡い光が、渦のように加速し始める。


 それに呼応するように。

 九条の髪の毛が再び変形し、金属のように鋭く、それでいて回転し始める。

 文字通りの、金髪ドリルである。



 各々の”異能”を駆使し。

 より苛烈な戦いへと、突入しようとする両者であったが。




 突如として。




 九条の背後に、”輝ける光の輪っか”。

 異なる世界では、異界の門とも呼ばれるものが出現する。




「「なっ。」」



 前触れなく出現した、得体の知れない光の輪。

 それに対し、両者ともに驚きを露わにする。



「別の異能? アンタの仲間?」



 七瀬が尋ねるも。

 九条は否定する。



「知らないわ。こんなもの。」



 七瀬のことを警戒しつつも。

 九条は、突如出現した謎の現象に瞳を奪われる。



 ”このタイミング”。

 今日という日に現れた、謎の門。


 それは紛れもなく、運命と呼ぶに相応しい。




(……わけがわからない。敵? 味方?)



 理解不能な現象に、七瀬が困惑していると。

 九条は振り返り、満面の笑みを向けてくる。



「面白いじゃない。これってつまり、わたしを呼んでるってことよね?」


「はぁ?」



 意味が分からない。そう反応する七瀬だが。

 九条はもう、止まらない。



「よく分からないけど、利用させてもらうわ!」



 近くに置いてあった、1台のバイク(不良の所有物)に乗り。

 フルスロットルで加速。



 何の躊躇もなく、異界の門へと飛び込んでいった。




「なっ。あいつ、冗談でしょ!?」



 その暴挙に、七瀬は唖然とする。


 だが、素直に逃げられるのは、どうしても我慢できず。



「ああっ、もう!」



 そばにあった、もう1台のバイクに乗り。

 そのまま全速力で、異界の門へ。


 九条の後を追う。




「――待てやゴラァああッ!!」





 そうして、2人の人間を通した後。


 まるで、役目を終えたかのように。

 ゆっくりと、異界の門は閉じていった。








◆◇ 帝都最強(さいつよ)決定戦








「ふぅ。」




 それは、とても優雅な旅であった。



 超高級仕様の馬車に乗って。

 窓の外の風景を、とにかく優雅な気分で眺める。


 真っ白な髪の毛が風でなびき、少々邪魔くさいものの。

 優雅さで耐えきる。



 膝には、尻尾の燃えたネコのような生物、ヒニャータを乗せて。


 それはもう、ひたすら優雅に。

 馬車の旅を楽しむミレイであったが。



「ぎゃー!?」



 窓から中に入ってきた、黒い何かに。

 驚きのあまり悲鳴を上げる。


 先程までの優雅さはどこへ行ったのか。

 膝に乗ったヒニャータが、思いっきり振り落とされた。



 黒い何かは、縦横無尽に馬車の中を飛び回り。




「――落ち着いてください。単なる虫です。」



 ソルティアによって、素手で捕まえられる。




「な、なんだぁ。」


 よく見てみると、それはクワガタの”ような”虫であった。

 違う点と言えば、人間のような”つぶらな瞳”を持っていることか。



「きもちわる。」


 かつて採取した人面栗といい。

 この世界の自然には、得体の知れないカオスが混ざっていた。



「よくそんなの触れるね。」


「まぁ、害のない下等生物なので。」



 そう言うと。

 ソルティアは黒い虫を、窓から外に逃してあげた。



 ようやく、それで一段落。


 ミレイはため息を吐きつつ、散ってしまった優雅さをかき集めた。




 だが、そんな彼女を嘲笑う存在が、2人ほど。




「ちょっとアンタ、虫程度で騒ぎ過ぎじゃない?」


「そうよ。冒険者たるもの、この程度で慌ててたら素人丸出しよ?」



 フェイトとイーニアが、ミレイに文句をぶつける。



「は、は。」


 それに対し、ミレイは何も反論が浮かばず。



「ふふっ。」


 キララは単純に微笑むだけ。



「笑うなよぉー」


 馬車の中からは、彼女達の笑い声が耐えず聞こえてきた。







「元気のいい子たちだねぇ。」


「ああ。あのテンションがいつまで続くかだ。」



 青空の下。


 馬車を操る御者のおじさんと、その隣に座るエドワードが。

 のどかに呟く。

 






 建物の修復など。

 ピエタの街でやり残したことを全て終わらせ。


 ミレイ達は馬車に乗って、帝都への道を進む。


 とびっきりの高級馬車、(6人乗り)を用意してもらい。

 馬車の中には、ミレイ、キララ、ソルティア、イーニア、フェイトの5人が座っている。


 一応スペース的には、エドワードも中に乗ることは可能だが。

 この集団の中に混ざるのは、流石に抵抗があった。





「フェイト、笑っていられるのも今のうちだぞ。言っておくが、わたし今日、まだ召喚をやっていない。」


「だから何だって言うのよ。」


「ふふっ。今ここで、お前よりも強力なカードを召喚し、わたしの凄さを思い知らせてやろう!」


「……へー」



 ミレイの宣言に。

 フェイトと、他のメンバーも何とも言えず。


 そんな空気など知ったことかと。

 ミレイは黒のカードを起動。



 すると、小さな光の輪が発生し、中からゆっくりとカードが出現する。



「ぐ。」



 このロードの速さから、新規のSSRではなさそう。

 そんな事を、内心思いつつ。


 新たなるアビリティカードを手に取る。




 1つ星『ペロペロキャンディ』


 子どもに人気なお菓子。舐めごたえ抜群!




「うむ。」



 分かりきっていたことだが。

 それ以上、ミレイは何も言えなかった。



 フェイトの顔が、愉快そうに歪む。



「あらあら、強そうなカードねぇ。わたし、恐くて泣いちゃいそう。」


「ぐぬぬ。」



 フェイトの煽りに、ミレイは反論する能を持たず。

 やけっぱちに、召喚したばかりのカードを起動した。



 ミレイの手の中に、棒に刺さったぐるぐる渦巻きのキャンティが出現する。

 元の世界、地球ではおなじみのお菓子である。



「ど、どうだ! 食べたくてたまらないだろ。」



 ペロペロキャンディを構えて、フェイトに突きつけるものの。



「いや、そうでもないわ。」



 フェイト・スノーホワイト(15歳)。

 こういうお菓子には、すでに興味のない年頃であった。



 ミレイはそのまま、構えた腕を横にスライドし。

 ソルティアに向けるも。



「いいえ、結構です。」


 当然のように、拒絶され。



 次に。

 10歳の少女である、イーニアにキャンディを向けた。



 生まれて始めて見た、異世界のお菓子に。

 ほんの一瞬だけ、瞳を輝かせるものの。



「……も、もちろん。わたしも興味ないわ。」


 ペロペロキャンディを突っぱねる。



「うそ、だろ。」


 それには、ミレイも驚きであった。



「お前、まだ10歳だろ? 絶対食べたいじゃん。」



 少なくとも、当時のミレイなら確実に食べたいと思うだろう。

 なぜなら今でも食べたいのだから。



「食べたくないわ」


 それでも、イーニアはそっぽを向く。



「……本当に?」


「食べたくないって言ってるじゃない!」



 こうなったら、もう曲げられない。


 強めに否定したイーニアに。



「……しょぼん。」


 ミレイはあからさまにテンションが下がった。




 うつむき、その表情は分からないが。


 その様子に、イーニアの意地が折れる。




「……ま、まぁ。どうしてもって言うなら、食べてあげなくもないけど。」



 うつむいたまま。

 ミレイは、イーニアの言葉を聞き。



「むむ。」


 嬉しいのか、怒っているのか。

 よく分からない表情のまま。


 キャンディを、パキンと半分に折り。

 ビニールに包んだ側を、イーニアに手渡した。



「……ありがと。」



 こうして、ペロペロキャンディはイーニアの手に渡り。


 戦いは、ミレイの勝利に終わった。




「なに、この茶番。」


 フェイトは、なぜか頭が痛くなったという。







 ぺろぺろと、ミレイは棒の刺さった片割れを舐め。

 イーニアは、袋に包まれた片割れを舐める。



「……うん。」



 何となく、予想は出来たことだが。

 このぐるぐるキャンディは、食べる前こそテンションの上がるものの。

 実際に食べ始めると、あぁ、そうだな。という感想しか湧いてこない。


 けれども、イーニアの口には合ったのか。

 ずっと口に加えたまま。

 まるでハムスターのようで。


 ミレイは、優しいお姉さんのような気持ちになった。



 そのまま、ぺろぺろとキャンディを舐め続けていると。



 じーっと、音のしそうなほど。


 キララが目を見開いて、ミレイの持つキャンディを凝視していた。




「――あっ、ごめん。そりゃキララも食べたかったよね。」



 イーニアほどではないが、キララも十分に子どもである。

 それ故、キャンディに興味津々なのだろうと考えるも。



「……どうしよ。もう結構舐めちゃったけど。」


 すでに、30ペロくらいは舐めてしまっていた。



「わたしのを割って分けるわ。」


 見かねたイーニアが、まだ手つかずの部分を分けようと提案するものの。



「ううん、大丈夫。ミレイちゃんの食べかけでいいよ。」


 キララは、澄んだ瞳でお断りする。




「……いや、それはちょっと。流石にアメは。」



 他の食べ物ならまだしも、ペロペロキャンディである。

 これをシェアして食べるなど、恋人同士でもそうないだろう。


 間接キスなどという次元ではない。

 それを超越したナニカである。



「気にしないよ!」



 正確には、気にしているが。

 決して悪い感情ではないと断言が出来る。



「いや、でも。」


「大丈夫!」



 じりじりと距離を詰め、キャンディを持つミレイの手に、キララが上から手を添える。



「あわわ。」



 理解を超えた出来事に、ミレイの脳は機能不全を起こし。

 その隙に、キララがペロペロキャンディを奪取しようとするも。




「――やめなさい!」



 フェイトが氷の塊を射出し。

 それに弾かれたキャンディが、馬車の外へと放り出されてしまう。



「ああっ、もったいない!」



 まるで、家族と離れ離れになったかのように。

 キララは必死に手を伸ばすも、決して届くことはなく。



「えっと。また今度、回復したらあげるから。」


「……うん。」



 かつて、これほどまでに落ち込むことがあっただろうか。

 キララは抜け殻のように、外の景色を見つめていた。













 その日の夜。

 美しい星空の見える野原で。


 イーニアの能力とキララの魔法を駆使して、巨大な露天風呂を製作。

 みんな仲良く、温泉気分を味わうことに。


 エドワードと御者のおじさんは、また別の小さなお風呂である。




「おぉー! すっごい。」



 小さな山のような形をした露天風呂に、ミレイ達は気分が上がり。

 それぞれ、お湯に入っていくものの。



 なぜかフェイトだけが、1人だけ服を着たまま。


 ちょん、と。

 足先で湯加減を確かめていた。



「どうしたの? さっさと入ればいいじゃない。服も脱いで。」



 イーニアが、フェイトに促すものの。

 すでに腰まで浸かっていたミレイが、あることを思い出す。




――痛く、ないの?




 フェイトと出会った日の夜。

 彼女はミレイにその裸体をさらし。


 人体実験によって刻まれた”胸の傷”に。

 ミレイは思わず涙を流してしまった。



(そうだった。フェイトの胸には傷跡が。)



 それ故に、お湯に入りたがらないのだと。

 ミレイは悟り。



「いや、でも。無理に一緒に入らなくても。」


 止めようとするものの。



「――いいえ。このくらいの熱さならイケるわ。」



 フェイトは気にせず。


 能力によって構築されているのか。

 着ていたドレスのような服が光の粒のように消えていき。


 堂々と、その裸体をさらす。



 そして、ミレイの懸念とは裏腹に。

 フェイトの胸には、”傷一つ存在せず”。



 美しい身体を見せつけるように、堂々と胸を張っていた。



「……お、おぉ。」


 将来性の有りそうな、少女の裸体に。

 ミレイは釘付けになりつつも。



「あの、手術跡みたいのは?」


 傷のことをフェイトに尋ねる。



「あぁ、そうね。”あの戦い”の後、気づいたら消えてたのよ。ほんと不思議だわ。」



 なんてことのないように、フェイトは振る舞うも。


 こういう時に限って、ミレイは反応を鵜呑みにせず。



「……本当に、良かった。」




 純粋に、ただそれだけの心で。


 綺麗になったフェイトの肌を、そっと優しく撫でた。




「ちょ、ちょっと。触んないでよっ。」


「あっ、ごめん。」



 場所が、場所なため。



「……まったく。」


 まだ風呂にも入っていないのに。

 フェイトは顔が真っ赤になっていた。






「」



 その一部始終を、キララは目撃しており。



 ”ミレイがフェイトの胸を揉んでいた”。

 その事実が、脳に凄まじい衝撃を与え。



 ほんの数分、記憶喪失になったという。











 温かなお湯に浸かって。

 5人のうら若き乙女たちは、至福のひとときを過ごす。


 満天の星空に、野外ゆえに空気も美味しく。



「ふぃ〜」



 ミレイの頭の上には。

 水の苦手なサフラが、まるでターバンのように避難していた。



 その生態故に。頭

 の上に避難するのは仕方がないのかも知れないが。


 やはり、結局は”触手”なため。



「キモいわ。」


 フェイトの美的感覚からしてみれば、どうしてもナンセンスに感じれれた。



「可愛いよ。」


 しかし、それにキララが反論する。




 2人の間に、火花が散ったような。

 散らなかったような。




「キララ、アンタは事実から目を背けてるわ。百歩譲って、ミレイ本体は良かったとして。頭の上の触手は絶対に可愛くないわ。」


「そんなことないよ! ミレイちゃんにくっついてるってことは、それはもうミレイちゃんなんだよ?」



 キララから発せられる、謎理論に。

 たまらず、フェイトは気圧される。



(くっ、こいつ。昼間のペロペロキャンディもそうだけど、ちょっと”レベル”が高い。)



 まともな思考回路では、もはやキララに対応できなかった。



 のぼせた頭のまま。

 謎に、にらめっこを続ける2人であったが。




「これこれ、お嬢さんたち。わたしを置いて、なにを勝手に言っておるのじゃ。」


 それ以上に、ふやけたミレイが割って入る。



「みんな違ってみんな良い。人類みんな仲良し。それすなわち、天上天下ニュイが、……なんじゃら?」



 あまりにもリラックスしすぎて。

 ミレイは一瞬、宇宙と交信していた。



「……頭の寄生体に、栄養持ってかれてるんじゃない?」


「たぶん大丈夫だよ。ミレイちゃん、気分が良いとこうなるから。」



 そう、これだけの大人数でお風呂に入る事は久しぶりであり。


 大勢の友達に囲まれている、この状況こそ。

 ミレイにとっては、何よりも至福の時間であった。



 ソルティアにいたっては、我関せずといった様子で。

 静かに瞳を閉じ、瞑想していたが。







 ブクブクと。

 ミレイが顔半分ほどまで沈んでいると。



「そういえば。エンジェル族と違って、フェイトの翼って消せるのね。」


 イーニアが思い出したようにつぶやく。



「あっ、確かに。あれから一度も見てないかも。」


 キララも、それに関しては同意見であった。




 強大な植物の暴走体、緑の巨獣との戦いの際に。

 フェイトの背中から出現した、8枚の翼。


 天使であるカミーラとも、似通った身体的特徴だが。

 当然のように、今のフェイトには存在しない。



「あれじゃない? 劇場版限定の、謎の強化形態みたいな。」



「なにそれ。」


 ミレイの例えに、他のメンバーは理解が出来ない。



「……べつに、出そうと思えばいつでも出せるわ。ただあの状態だと、肉体と魂の境界が曖昧になって。……何だか落ち着かないのよね。」


 独特な表現で説明するフェイトに。



「……それな。」


 ミレイはもう、それしか言えなかった。









 ブクブクブクと、顔半分ほどまで潜りながら。

 ミレイは、他の仲間たちに目を向ける。



(……イーニアは、多分わたしと大差ない。キララとフェイトも、多分普通くらい。)



 じーっと、見つめる。



(ソルティアも、そんなに大きくない。)



 ユリカもシュラマルも、イリスだってここには居ない。


 今この場の平均値は、それほど高くはない。




(……もしも、わたしがもっと、普通に大人っぽく成長してたら。この中で一番、胸が大きかったのかな。)



 そんなくだらない事を、とても真面目に考えていた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 章タイトルのIQが一気に下がった笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ