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parallel strange  作者: 田中モアイ
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成り行き

この世界の歴史を知ったハル君たちと今後の話。

どうやらこの世界は俺達のいた世界と歴史がかなり変わっていたらしい。(※詳細は後書き)そして俺達はこの世界を[改変世界]と呼ぶ事にした。

「要約すると、改変世界の日本は民主主義の立憲君主制国家でアメリカと同盟を結んでるらしい。」

「え!じゃあ私達安心して生活できるんじゃ…」

「まて、この資料集にはこうも書いてある。第1次世界大戦は同盟国が勝利し、今現在世界はドイツを盟主にしたベルリン同盟国とアメリカを盟主としたワシントン条約機構が対立していつまた大きな戦争が起きてもおかしくない情勢らしい。」

「え?つまり冷戦状態ってこと?」

「まぁ、簡単に言えばそうだな。」

「お、おいおい、てことは戸籍を登録するのはまずくないかい?」

「なんでですか?」

「今冷戦状態って言ったよな?」

「はい。」

「つまりだ、もしそのベルリンなんとかとワシントンなんとかが戦争にでもなったら日本はどうなる?」

「アメリカの同盟国だから参戦しますね…」

「そう。つまりもし戦争になったら日本も参戦することになる。そしたら若者は戦地に赴くことになる。君もその1人になるかもしれないんだ。」

「え、それは…」

「たしかにそうですね。だけど、戸籍とかがないと家とかが手に入らないんじゃ?」

「それもそうだ、けど君がもし仮に戦争にでも行くことになったらお嬢ちゃんはどうなる?1人にする気か?」

「それは…」

「そういう事だ、だから戸籍を登録するのはしばらくよそう。今はとにかく金が必要だろ?住処はその後にどうにかしよう。事の成り行きにまかせよう。」

(成り行きって…)

「そうですね。でも戸籍も家もない俺達を雇ってくれるとかなんて有るんですかね。」

「とりあえず質屋にでも行ってみないか?俺たちの持っているものでも改変世界なら案外めちゃくちゃ高価値だったりするかもしれないしな。」

「そ、そうですね。優奈、去年の優奈の誕生日に俺があげたネックレス、今持ってるか?あれを売ったら良い値段になると思うんだけど。」

「持ってるけどあれは、あれは大切なやつだから…」

「無理に売らなくても良いさ、それは大切なやつなんだろ?おっちゃんに任せときなさい。」

「え?良いんですか?」

「ああ。任せときな。」

「ありがとうございます…」

「近くにって質屋でもあればな…って!あんなとこに都合良く質屋が!」

(本当だ。しかも[質屋]としか書いてない。どこからどうみても質屋だ。)

「さ!行こう!」


ガラ…

「いらっしゃいませ〜…ってお客さん!」

以下より改変世界の歴史を書いてきます。

1847年 米英の圧力により日本開国

1856年 大政奉還

1857年 明治政府成立

1887年 日清戦争 台湾と周辺の島々、遼東半島、多額の賠償金を獲得。

清の敗戦をきっかけに辛亥革命が勃発。中華民国成立。

1888年 三国干渉により遼東半島を放棄、ドイツがそれを租借。


1890年第一次民本主義運動 ドイツ憲法を参考に大日本帝国憲法の作成。 国会の建設。


1895年 千島列島、樺太での権益問題でロシアと対立。 中国大陸内での権益争いでロシアと対立していたイギリスと日英同盟成立。


1902年 日露戦争 イギリスの参戦によりロシアと講和。 朝鮮半島での権益、千島列島、樺太、多額の賠償金を獲得。

戦後利益の少なかったイギリス側の不満により、日英同盟解消。

1904年朝鮮併合


1905年 国民の負担が大きすぎた事が発端となり第二次民本主義運動が始まる。


1906年 イギリス及びアメリカの憲法を参考に憲法を改正。 三権分立、天皇の政治的権力の範囲、主権者は天皇により保証され、全国民がそれに当たり天皇はそれの保護者。と明記。「君臨すれでも統治せず」を原則とした立憲君主制国家となる。


同年 露仏同盟をきっかけにビスマルク体制が崩壊。


1908年英仏同盟の締結により英仏露による対独三国協商の成立。


1909年 ドイツ オーストリア イタリアによる三国同盟発足 三国協商と対立


1912年 フランス人青年によるドイツ皇太子暗殺事件発生。ドイツ、フランスに最後通告提示。フランスは2つの項目を除き同意、ドイツはそれを不服としフランスに宣戦布告。三国協商国と三国同盟による大陸大戦勃発。

その後ベネルクス三国、ルーマニア、ギリシャ、セルビア、遼東半島の奪還を目的とした中華民国が協商国入り。


1913年 オスマン帝国がドイツと、欧州内の旧領土の返還を約束した密約を結び、それを元に三国同盟に合流。


1914年 日露戦争以降生活が困窮していたロシア国民がドイツの援助によって[ロシア革命評議会]結成。それにより共産主義革命勃発。それに便乗する形で中華民国でも国民党とドイツの援助を受け結成された共産党による国共内戦が勃発。それにより対外戦闘能力を失ったロシアと中華民国が協商国から離脱。


1916年 ロシアの協商国離脱により勢い付いた同盟国によりパリ陥落。フランスはパリ奪還作戦に全軍を投入するが作戦は失敗し継戦能力を喪失、フランス降伏。

フランスの降伏により、スイスのジュネーブで協商国と同盟国による講和会議が開始。ジュネーブ条約が締結された。


フランスの地には、ドイツの傀儡国家[フランス国]が建国された。

ベネルクス三国はドイツにより併合。

フランス植民地はドイツとイタリアにより分割。

ギリシャはオスマン帝国に併合。

セルビア、ルーマニアは領土の一部をオーストリア、オスマン帝国に割譲。

イギリスは、ドイツにより独立運動の支援を受けていたイラン、東ビルマの独立を認めた。

内戦により無政府状態となっているロシア領ポーランドはドイツにより併合。

1918年 ロシア革命評議会により、「ロシア=ソヴィエト共和国]が建国が宣言され、史上初の共産主義国が誕生する。

同い年の末には中国大陸で、満州から河南省にかけてを占領した中国共産党が一方的に[中華社会主義共和国]の建国を宣言した。

翌年には、大戦中中立を保っていた日本とアメリカがドイツを警戒して、急接近しワシントン条約を締結、それを基に日米同盟結成。それを皮切りにワシントン条約憲章を発表し、その下にワシントン条約機構(WTO)が設立された。

日本の他にも、イギリス、スペイン、ポルトガル、メキシコ、ブラジル、チリ、ルーマニア、セルビア、中華民国、フランス亡命政府、ロシア帝国亡命政府が合流。

1919年には、戦後イタリアとの間で領土問題が発生したオーストリアと、密約の半分も旧領土を得ることが出来ず、その不満から反ドイツ感情の増したオスマン帝国が三国同盟を破棄しワシントン条約機構に合流。

1920年 それに対抗する形でドイツとイタリア、フランス国がベルリン同盟を締結、ロシア=ソヴィエト共和国、中華社会主義共和国、イラン、東ビルマ、アルゼンチン、が合流した。

戦後、アメリカを中心とした[ワシントン条約機構]と、ドイツを中心とした[ベルリン同盟国]が対立し、また大きな戦争が起きる事を予想した世界中の人々は大陸大戦を[第一次世界大戦]と呼んだ。


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