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~コンテスト開催‼~中編~

まだコンテストです。コンテストは次で終わる予定です。

休憩、準備をはさんでコンテストもいよいよ水着審査、アピールタイムとなる。

(…なんでこういうコンテストって水着審査があるんだろうか…それにしても、女の子用の水着なんて転生してから初めて着るよ…まぁ、転生前に着てたらそれはそれで変態だが…)

イソイソと水着に着替え、スタッフから声がかかるのを待つ。

(…それにしてもなかなかのキャラの出場者達だったな…特に、あの覆面…美少女コンテストなのに覆面って…プロポーションも抜群のわけでもなかったし…)

(…まぁ、あの面子めんつならそんなに心配いらないだろ…皆、綺麗には違いないが美少女ではないしな…リリスもあの感じなら儂の敵ではないしな…)

『そろそろ開始します。名前を呼ばれたら先程と同じように舞台にあがってください。』

スタッフが声をかけにきた。

(…よし‼ここは儂が美少女とはなんなのかということを教えてやるぞ‼)

『ご来場の皆様‼大変お待たせしました。出場者の準備も整ったようなので、只今よりお待ちかねの水着審査、アピールタイムを行います‼』

会場がより一層盛り上がる。

『では、先程の自己紹介と同じ順番でリカちゃんからどうぞ‼』

リカが舞台にあがる。

(…おぉ、自己紹介の時も肌の露出が多かったが…下着同然の水着になるとまた違うな…ボディーラインがよりわかる。)

リカの水着はヒョウ柄のビキニだ。やや褐色の肌の色によく似合う。

『素晴らしい水着ですね‼』

『ありがとう。』

司会のアカーイも顔がにやける。

『リカさんの水着はどうですか?審査員のみなさん‼』

デレデレの顔をした村長が答える。

『健康的でとてもいいと思います。』

(…村長、今日1番の笑顔だな…あとで嫁に怒られるぞ…)

『ありがとうございます。ではリカさん、アピールお願いします。』

『まぁ、アピールする事もないんだが…そうだな…私は身体が柔らかいぞ‼』

『どのように柔らかいんですか?ちょっとやって見せてください。』

『こんな感じだな。』

リカがポーズをとる。

『こ、このポーズは…伝説の女豹めひょうのポーズだぁ~‼』

会場の男性陣から割れんばかりの歓声がおこる。

(…伝説ってなんだよ‼…まぁ、水着が猫耳と似合っているとは思う…正直、嫌いじゃない。)

『これは最初から凄い事になってきたぞ~‼』

司会もテンションがあがる。

『リカさんはどうですか?審査員のアークさん?』

今度はアークに振る。

『…そ、そうですね…男性としてグッと来るものがありますね‼』

アークがしどろもどろになりながら、にやけた顔で答える。

(…グッと来るって…なにがくるんだよ‼てかあんなににやけたアーク見るのは初めてだな…あとでエルに怒られろ‼…そういえばエルはどこにいるんだろ?会場のどこかから見てるのかな?)

『アークさんありがとうございました。ではリカさんまたのちほどよろしくお願いします。』

『みんな~投票よろしくね~‼』

リカが会場に投げキッスをしながら下がる。

『リカさんの水着、大変素晴らしかったですね。では続いてはバイパー嬢‼張り切ってどうぞ‼』

バイパーが舞台へとむかう。会場からは既に感嘆の声があがっている。

『…おぉ、これは…また素晴らしい…。』

司会のアカーイからも感嘆の声があがる。バイパーの水着は赤色のビキニで腰にパレオを着けている。大変似合ってはいるが

これといって特別な感じでもない。悪く言えば普通だ。だが、会場にいる男性陣からは感嘆の声があがる。理由は1つだ。

(…着痩せするとかっていうレベルじゃない‼胸がデカすぎる‼私服と水着でなんでこんなに違うんだ‼まさか…こいつもサキュバスか?)

おそらく男性陣はみんな胸に釘付けになっているであろう。その視線を感じてかバイパーがまた赤くなっていく。しばら茫然ぼうぜんとしていた司会が我にかえる。

『……失礼しました。あまりにも素晴らしかったので我を忘れていました。バイパー嬢‼素晴らしいプロポーションですね‼』

『…ありがとうございます。でも、その…不釣り合いじゃありませんか?…その…胸だけこんなに大きくて…』

やはり本人は気にしているらしい。

『そんなことはないですよ‼素晴らしいです‼ねぇ、村長‼』

いきなり話を振られ村長があわてふためく。

『…そ、そうですね。えーと、あの~…すごく大きいです…。』

『…やっぱり…こんな大きな胸、可笑おかしいですよね?だからいつもはサラシを巻いているんですが…』

バイパーが今度は泣き出しそうになる。その様子を見て、村長が更に慌てる。

『い、いや‼全然可笑しくないよ‼ねぇ、アーク君?』

村長がコメントに困ったのかアークに振る。

『えぇっ‼…そ、そうですね。可笑しくないですよ。』

『…でも、こんな大きくて醜い胸…世の殿方とのがたは嫌いでしょ?』

バイパーが今度はこの世の終わりみたいな顔をしている。

(…バイパー…以外にめんどくさい性格だな…)

『そ、そんな事ないよ‼男なんていくつになっても胸が好きだよ‼ねぇ、コミナ王子?』

アークは混乱している。

(…‼そこに話を振っちゃダメだろ‼下手すれば不敬で処罰されるぞ‼)

それまで、黙って微笑みながらコンテストの行方を見守っていたコミナ王子が、急に真顔になる。

『私も胸が大好きだ‼特に大きい胸はいい‼そこには男の夢が沢山詰まっている‼だからこそ‼大きく育ったのだ‼自信を持ちなさい‼そなたの胸は美しい‼だからサラシなんかする必要はない‼』

コミナ王子の熱意がこもった演説に、会場が静まりかえる。

(なんか良い事言ってる風だけど…言ってることは最低だ‼…まぁ、あのキラーパスにも動じないところは、さすが王族、と言わざるおえないな…)

『殿下にそう言っていただけるとは…わたくしいままで自分の胸が嫌いでしたが…これからは好きになれそうです‼』

バイパーが今日1番の、男なら惚れてしまいそうな笑顔を見せる。

『殿下…とても感動的な演説、ありがとうございました。』

(…感動はしないだろ‼)

『それではバイパー嬢アピールをどうぞ‼』

『私、もう胸がいっぱいでアピールは大丈夫です。』

『えぇと、ではアピールタイムはいらないと…?』

『はい。』

『わかりました。まぁバイパー嬢の場合、無くても充分アピールになったかと思います。では、会場の皆様‼バイパー嬢に大きな拍手を‼』

バイパーに会場から大きな拍手が贈られる。その拍手のなか、胸を張り、堂々とした態度でバイパーが下がる。

(…なんか良い話し風にまとまったな…)

『さぁ‼次もはりきって行きましょう‼次はリリムちゃんです‼』

(…いよいよリリスか…)

リリムが登場する。リリムの水着は黒色のビキニだ。

(…やっぱりか…まぁ1番サキュバス的には似合うけどな…だが美少女として着るにはそれではダメなんだな~儂の想像する美少女っていうのは、ズバリ‼純真無垢だからな…)

『リリムちゃん、水着似合ってますね。大人っぽくていいと思います。』

『ありがとうございます。』

『では、ここでお父さんでもある審査員長の村長にコメントを貰いましょう‼どうですか?村長‼』

『…私は今、少女が大人の女性へと変貌する瞬間を見た‼これなら他の誰にも負けないと思います‼』

『…ありがとうございます。では、リリムちゃん‼アピールどうぞ‼』

『はい。私は村長の娘でもあるので、会場にいるみんなにこの村の事をもっと知ってもらいたいと思います。』

『なにをするのかな?』

『この村の特産品の紹介をしたいと思います。』

(…特産品って…畑しかないから野菜くらいしかないだろ…それにしてもリリス…勝負をてたか…)

どこからともなく、野菜が運ばれて来る。

『今日は色々な地域から人が来ているから、みんなにマッカイ村の事をもっとよく知って貰いたいと思いまーす‼』

会場が盛り上がる。

『まずは大根‼見てください‼この太くて長いのを‼とーっても美味しそうでしょ?』

(…サキュバスだからかな…なんか卑猥ひわいに聞こえる…)

『次はこの長ナス‼長くて太くて、黒くて艶々(つやつや)してて、それに新鮮だからとっても硬くて…とっても美味しそう‼』

(…もうアウトだろ‼)

『最後にこのキュウリ‼イボイボがいっぱいで、ほら‼このイボイボがしっかりしているほど新鮮な証拠なの‼』

なぜかキュウリを縦に持ち、片方の手を上下に動かす。会場内の男性陣からどういった意味でかはわからないが生唾なまつばを飲み込む音が聞こえた気がした。

(…スリーアウトでチェンジ‼)

『…あ、ありがとうございました。えぇと、リリムちゃんはこの村が大好きということで…じゃあ、リリムちゃん…もういいかな?』

司会が少し前屈みになりながらたずねる。

『はい‼みんな~サービスするからよろしくね‼』

(…最後まで卑猥に聞こえる…)

リリムが満足気な一仕事ひとしごと終えたような表情で下がる。

(…次はいよいよ例の覆面か…)

『続きましては、エックスちゃんといきたいところなんですが…エックスちゃんは覆面を取るということなので…楽しみは最後にとっておいて、ここは先にマオちゃん行けるかな?』

『えっ‼あ、はい‼』

(…びっくりした…)

『じゃあ、マオちゃん‼はりきってどうぞ‼』

マオが舞台にあがる。会場から名前を呼ぶ声援があがる。

(…どうじゃ‼儂のこの純白のワンピースの水着は‼それとあわせた麦わら帽子は‼これこそが遠い夏の日の美少女だ‼)

『素晴らしい‼まさに理想の美少女です‼これはポイントが高いでしょう‼では、お父さんのアークさんにコメントをいただきましょう‼どうですか?アークさん‼』

アークを舞台から見ると、感極まって泣きそうになっている。

『…もう優勝‼とうといを通り越してむしろ神々しいです‼

私は今、この瞬間を目に焼きつけたいと思います‼』

『…あ、ありがとうございます。ではアピールタイムに行きましょう‼マオちゃんはなにをするのかな?』

『歌を歌います‼』

『おぉ‼それでは歌って貰いましょう‼』

マオが曲にあわせ、歌いはじめる。それまで盛り上がっていた会場も落ち着き、皆、聞き入っているようだ。

(…エルフの歌には気持ちを落ち着かせる効果があると聞いた事がある…これで、他の出場者で盛り上がった気分を落ち着かせ、冷静に判断してもらうのだ‼あんな美少女まがいのやつらに負けられん‼)

『…ふぅ。』

歌い終わると会場から拍手がおこる。なかには癒され過ぎたあまり、静かに涙を流しながら拍手を贈る者もいる。

『…グスッ…え~、大変、感動的で素晴らしい歌声でした。グスッ…皆様‼マオちゃんにもう一度大きな拍手を‼…グスッ』

(…司会も感動のあまり泣いている。これはもう優勝をもらったも同然だろう。)

会場から先程よりも大きな拍手が贈られる。その中を悠然ゆうぜんと控え室に下がる。

(…やれるだけの事はやったはず…そもそも、儂の作戦というか考えとしては男にウケるだけの格好ではダメということ。会場には女性が半分位はいるはず。それを如何にしてとりこむかということ。…儂の考えはあっているはず。このコンテストの勝敗を握るのは男性ではなく、女性だ。リリスには悪いがあれでは男性にウケても、女性にはウケないだろ。まぁ他の出場者も同様だがな…)

『え~続きましては、皆様‼お待たせしました‼エックス・エルちゃんの登場です‼』

先程、クールダウンしたはずの会場がまた、ヒートアップする。その中を颯爽さっそうとエックスが登場する。覆面はまだしたままだ。水着はというと、白地のワンピースタイプの水着で少し柄が入っている。顔はわからないがスタイルは良く言えば、普通。悪く言えば、いかにも少女、という感じだ。

(…水着が被ったか…身体付きは美少女の雰囲気があるが…まぁ、儂の敵ではない‼儂は顔、身体、雰囲気、全てにおいて美少女なのだ‼)

『え~エックスちゃん‼とてもかわいらしい水着ですね‼』

『フフ…ありがとう。』

『…それでは、最後なので村長とアークさんにコメントをいただきましょう‼どうですか村長、アークさん‼』

まずは村長がコメントする。

『え~、非常に少女らしい水着だと思います‼』

『ありがとうございます。では続いてはアークさん‼』

『そうですね…非常に良いと思います。僕は好きです。』

『おぉ~、これは高評価なのか~?ではいよいよ皆様お待ちかね‼アピールタイムです‼エックスちゃん準備はいい?』

『はい。』

エックスが覆面に手をかける。

『それでは‼アピールタイムです‼』

エックスが覆面を一気に剥ぎ取る。それと同時に会場がどよめく。

(…マジかッ‼)

『おぉっと‼これは‼エックスちゃんの正体はアークさんの嫁のエルさんだぁ~‼』

司会の実況にあわせて会場から歓声があがる。

(…マジか…姿を見ないと思ったら…これは非常に不味い事になった…儂には美少女と純真無垢という2つの属性しかないが…エルには美少女と人妻、それにエルフの神秘という属性が3つもある…これは不味い…美少女なのに人妻…人間の男たちは相反する存在に弱いからな…)

そんな事を考えながらアークを見ると放心状態だ。

(…無理もない…自分の嫁が突然、美少女コンテストに水着で現れたんだからな…)

『…えぇっと、エルさんはなんでコンテストに?』

『若い時に1番になれなかったので…』

『…今も十分若いと思うんですが…失礼ですがおいくつなんですか?』

(…なかなか突っ込んだ事を聞くな…)

『フフフ…女性にそんな事を聞くのはダメですよ。そうですね…しいて言うならばこの会場にいる誰よりも歳上とだけ…』

『‼本当ですか‼』

(…なん…だと…‼更に属性があねさん女房とロリババァの2つも増えやがった‼)

『…では、ここでアークさんからコメントをいただきましょう。どうですか?アークさん?』

アークが放心状態から我にかえる。

『…まるで別人のプロポーション、まさに水際のエンジェル‼…え~水着姿を見るのは初めてなんですが…結婚する前の気持ちを思い出して変に意識してしまいます。』

アークは照れくさそうだ。エルも照れくさそうだ。

(…なんだ、この夫婦…)

『ますます独身男性のヘイトを集めそうなコメントありがとうございます。』

司会が少し不機嫌になる。

(…司会も独身か…)

『では、エルさん。他には何かしますか?』

『いえ、特には…では、1つだけ。』

『どうぞ‼』

『この場をかりて、マッカイ村婦人部の方々にお礼申し上げます。出場に際して色々と協力や後押ししてくださったので…ありがとうございました。』

エルがぺこりと頭を下げる。

(…婦人部っていうと…村長の嫁とかか?…まずいなぁ…エルは組織票もあるのか…これでは優勝できんかも知れんな…まぁ、リリスとの約束では他の者が優勝でも問題はないはずだが…やはり儂が優勝した方がいいだろ…)

『では、以上をもちまして、全ての出場者の水着審査、アピールタイムを終了します。このあと休憩をはさみまして、いよいよ結果発表です。果たして第一回マッカイ村美少女コンテストの栄冠は誰の頭上に輝くのか‼皆様‼投票をお忘れなく‼』


会場の興奮は覚めやらぬまま、ひとまず休憩と投票をはさむ。

(…最後に強敵が出てきたな…どうなる事やら…とりあえずこのメンツのなかだと、やはり1番の強敵はエルだな…他は敵ではない。)

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