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~母から娘へ~

夜が明けて、次の日。この日から村人総出でコンテストの支度に取り組む。男手は会場の整備、設営。女手は買い出しや出店でみせに出す物の準備におわれる。そんな中、リリスにもよく会うのだがこれといって様子に変化は無く、端から見ても仲の良い普通の友達といった感じだ。アークはというと、こちらも特に変化は無く、毎日会場の設営におわれている。その普段とかわらない様子を見ても、これから始まるであろう戦争の事などに悩んでいる様子は感じられない。一方、エルはというと…。以外な一面が露見する。

『マオ、コンテスト出るんでしょ?』

「そうだよ。」

『じゃあ、ママと一緒にオシャレの練習しよっか?』

(…儂には儂の作戦があるんだが…。まぁ女性目線で貴重な意見が聞けるかな?)

「うん。」

そう言うとエルがどこからか服を出してくる。

『これはママのおふるなんだけど…とりあえずはこの中からコーディネートを選びましょ。』

「ママのお古か…。」

『…ママのお古はいや?』

「…ううん。」

(…体格的に着れるかが問題だな…)

「私の身体に合うかなって思って…。」

『大丈夫よ。私達エルフは大体、皆同じような体格ですもの。』

「…私、ハーフなんだけど…。」

『…まぁ、合わなかったら、合うようにママが直してあげるから。』

「うん。」

『それで、色んな服を合わしてみて、足りないアイテムがあったら買いに行きましょう。』

「うん。」

エルがウキウキしながら次々とマオに服をあてがう。

『…う~ん、これがいいかな…あッ‼こっちもいい‼』

「…ママ、楽しそうだね。」

『…そうね。コンテストなんて久しぶりだもの。』

「‼ママ、前にもやった事あるの?」

『…パパには秘密よ。前にママの故郷でも開催された事があったの。』

「そうなんだ‼それで結果は?」

(…てかエルフってもっとクールなイメージで、なんか木漏れ日のなかで難しい魔術書とか読んでるイメージなんだが…。)

『…準優勝…。』

「すごい‼準優勝なんてすごいじゃん‼」

(…エルでも2位なのか…エルフは美女が多いからな。)

『…2番じゃダメなのよ…』

「2番じゃダメなんですか⁉」

『やっぱり、女の子だもの。美しさとかに関しては1番になりたいじゃない。』

「…そうだね。」

『だから…どんな事をしてもこの勝負、勝ちにいくわよ‼』

(…なんかエルからサキュバス的なものを感じる…エルははらだけダークエルフなのか?)

「でもなんでパパには秘密なの?」

『…パパの心の中ではエルフってなんか神秘的な者と思われているらしくて…』

(…おぉ…儂と同じか…)

『だから、イメージを壊しちゃ可哀想でしょ?』

「まぁ、普段のママを見てればそんなに神秘的でもないかな?」

(…エルは普段からおっとりというかホワホワしてるからな…たまにブッ飛んだ事も言うし…。)

『それに2番だったしね…。』

「でもパパにとっては1番なんでしょ?私にとっても1番だし。」

『フフ…ありがと。でも少し違うかな?』

「なにが?」

『少し前まではパパにとって1番だったかもしれないけど…今は2番ね。』

「え~‼なんで?まさかパパ浮気してるの?」

『…パパは浮気できるほど器用じゃないよ。1番はマオよ。』

「えっ‼そうなの?」

『そうよ。マオが産まれてからはマオが1番。ママは2番。でもそれで良いのよ。』

「どうして?」

『フフ…、マオもママになったら分かるかもね。私の中でも昔はパパが1番だったけど…今は2番だしね。』

(…母親か…。儂には絶対になれんな…)

「…お母さんか…私になれるかな~?」

『マオだったら素敵なママになれるわよ。もしかしたらコンテストで良い人が見つかるかもね。』

(…そんな事になったらアークが暴れそうだ…。)

「…パパが怒りそうだね。」

『フフ…パパはマオの事が大好きだからね。でも大丈夫よ。』

「なんで?」

『パパはママに逆らえないから。』

「えっ‼そうなの?」

『…本人は気付いてないけどね。せっかくだからマオにも良いこと教えてあげる。』

「え?なになに?」

『…皆には秘密よ。パパにもね。』

「わかった。」

『それはね…男の人に気づかれないように操る方法よ。』

(…そんな方法があるのか‼…エルは以外にしたたかなんだな…さすが腹だけダークエルフ。)

エルからレクチャーを受ける。

(…要約すると、最後まで否定せず、相手の話をよく聞き、その上で自分に都合の良い方に誘導すると…誘導する時もあくまで提案という形で話をする。そして相手の意見の方が良い、だけどもこんな形もあるよ、といった感じで相手の話を持ち上げつつあくまで下手に出ると…本当にこんなので操れるのか?)

「本当にこんなので操れるの?」

『人によるけどね…。』

(人によるんかい‼)

『まぁ、大抵の男の人は下手に出ればなんでも聞いてくれるわよ。』

エルがニコリと微笑む。

(女って怖い…。)

『だからあなたも、もしも良い人ができたならば、つねに一歩、二歩さがって冷静に物事を判断するようにね。』

『それともうひとつ…』

(…まだあるのか…)

『今、言った事は相手の優しさ、そしてお互いの信頼関係があって、初めて成功するからね。忘れないでね。』

(…1番重要だな。)

「パパは優しいからね。」

『そうね。』

こんなかんじで雑談を交わしながらコンテストの勝負服が決まった。

(…とりあえずこれで大丈夫かな?いよいよコンテストか…ここでリリスに勝たなければ。)

まだコンテストは開催していませんが来週~今週土、日曜日くらいにコンテスト編、投稿する予定です。今回、少し短いですが楽しんでいただけたなら幸いです。

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