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~魔王城にて~

ほぼ日常回になります。

アムドとマオ、2人でアルの所に戻る。

そろそろ、アルが気が付いてもいい頃だろう。


「…アムドよ…一応、念のために言っておくが…儂が転生…もとい、マオの中にいることは誰にも話してはならんぞ‼️」

『…かしこまりました。ちなみに、あの従者のエルフは知っているので?』

「もちろん知らん。それに儂の…マオの両親も知らん。」

『左様ですか…では、この事を知っているのは…』

「今のところはお主、アムドとリリスだけじゃ。」

『リリス‼️リリスもいるのですか⁉️』

「…あぁ。儂が転生してから会った唯一の魔族なかまじゃな。たまたま、マオが生まれた村で厄介になっておった。」

『…そうですか…なにか彼女から聞きました?』


アムドがさぐりを入れてくる。


「…まぁ、色々とな…。」


言いかたに少しふくみを持たせ、ニヤリとするマオ。


(…まぁ、こう言っておけば後はコイツが勝手に色々と想像してくれるだろう。)


アムドは色々と考えているらしく黙りこむ。

時折、険しい表情を見せたりもする。それをニヤケながら横目で見るマオ。アルが倒れている場所に近づく。


「…もうすぐアルの所に着く。先ほども言ったようにくれぐれも気を付けてくれ。」

『…畏まりました。』


アムドが静かに頷く。


「…アル。アル、起きて。」


マオがアルの身体を優しく揺すりながら声をかける。


『…う……ん…。』


アルが声をあげる。


『なんか…エロいですね。』

「…アムド君…少し黙ろうか。」

(…昔はこんなヤツじゃなかったのに…)


「アル、アル。」

『…う…ん…。』


アルの瞼がゆっくりと開く。途端に、目をこれでもかと見開く。


『マ、マオ様‼️』

「アル起きた?痛い所ない?身体は大丈夫?」

『あ、はい。そんな事より魔王は⁉️魔王ソードナーは?』


アルが自分の体調の事などそこそこに、焦った様子で尋ねる。


「倒したよ。コイツと2人でね。」


マオがアムドを指差す。途端にアルの目が見開みひらかれる。


『魔、魔族‼️貴様‼️マオ様から離れろ‼️』


アルがアムドに気づくと直ぐ様、臨戦態勢をとる。それと同時にマオを自分の後ろへと隠し、アムドを睨み付ける。一触即発の空気が流れる。それを見てかアムドも微動だにしない。


(…やっぱ、こうなるよな…アルは儂の護衛だしな…めんどくさいが説明と説得をするか…)


「アル。大丈夫だから…コイツは魔族だけど仲間だよ。」

『マオ様は騙されているのです‼️』

「そんな事ないよ。一緒にソードナーを倒したし。」

『それはきっとコイツが魔王になりたいがためにマオ様を利用しただけです‼️隙を見せたらいつ襲いかかってくるか…』


アムドを睨み付け、手にした大振りのナイフの柄をギュッと握るアル。


「大丈夫。コイツは私には逆らえないから。」

『そんなの信用出来ません‼️魔族などいつ裏切るか…』

「じゃあ、アルは私の事も信用してないの?」


マオのその一言で黙りこむアル。


『…いえ、決してそのような事は…』

「でも、そういう事だよね?私はコイツの事を信用している。けれどもアルはコイツを信用していない。と、言うことはアルは私の言葉を信用していないと言うこと…。」

『………。』

「…なんだか悲しいな…」


寂しそうな、泣きそうな、なんとも言えない表情、雰囲気をだすマオ。さらにアルに畳み掛ける。


「…信用している、大好きな人に信じて貰えないなんて…」

『………。』

「…悲しくなってきたな…」

『………。』

「…もう、私もアルの事は信用出来ないかも…それどころか嫌いかも…」


『嫌い』と言う言葉を聞きアルの表情が一瞬、強張る。それと同時に臨戦態勢を解く。


『…分かりました。』

(…お?)

『マオ様の言うことですから…コイツの事は信用します。』

(…おお‼️)

『ですから、そのような事はおっしゃらないでください。』

(…チョロいもんだぜ‼️)

『ただし、コイツが万が一、裏切った場合は直ぐにでも処分いたしますのでお忘れなきよう…』

「ありがとう‼️アル大好き‼️」


アルの言葉に被せるようにマオが謝辞を述べ、抱きつく。アルの表情が緩む。


『…茶番は終わりましたかな?』


沈黙していたアムドがタイミングを見計らったように喋りだす。


(…茶番て…コイツ一言多いんだよな…)


『はじめましてなのでご挨拶を…私は先代魔王様の側近にして、現在はマオ様の所有物。アムドと申します。以後よろしくお願いします。』

『先代魔王⁉️』

『えぇ。』

『マオ様‼️やはりコイツは危険です‼️』


アルがまた話を蒸し返す。


『コイツはきっと先代魔王を討たれた事に根を持ち、マオ様に近づいたのです‼️』

「その話はさっき終わったでしょ?」


マオがアルをたしなめる。


『いいえ‼️終わってません‼️コイツはきっとどこからかマオ様のご両親の事を聞きつけ…マオ様を人質にとり…あんな事やこんな事を…きっと復讐をしようと企んでいるに違いありません‼️』

『マオちゃんの両親?』


アムドが首をかしげ、マオの方を見る。どうやらわからないらしい。


(…そういえば言ってなかったか…)


「言ってなかったっけ?私の両親は勇者と、そのパーティーの僧侶。つまり、先代魔王を倒した人だよ。」

『………。』


サラっと事実を告げるマオ。アムドはあっけらかんとしている。臨戦態勢をとるアル。


(…フフフ…アムドのヤツめ驚いておるな…だが、いきなり襲いかかって来ないよな?)


「驚いた?」

『えぇ、まぁ。』

「どうする?私を殺す?それとも人質にしてパパとママを殺す?」

『そんな事はしませんよ。まぁ、確かに驚きはしましたけど…』

「じゃあ、どうする?」


アムドの顔を上目遣いで覗きこむように見るマオ。アムドと一瞬目線が交差するが、直ぐに視線がれる。遠くを見つめながら語りだすアムド。


『…確かに私は先代様の側近で…先代様が討たれた直後は倒した相手、勇者に復讐してやろうと思っていました。ですが日が経つにつれ、どうでも…それは間違いなんじゃないかと思うようになりました。』

(…今コイツどうでもいいって言いかけたな…)

『先代は魔族には珍しく、何よりも平和を望んでいました。自分たち魔族だけでなく、人間やその他の種族。その全ての生きとし生ける者たち全ての平和を望んでいました。』

『復讐はそんな先代の気持ちをないがしろにする行為なんじゃないかと…復讐よりも長年、いがみ合い、争っていた種族たちと手を取り合った方がよいのではないかと…そう思い、私は1人この城に残り、日々、他の魔族なかま達を説得していました。魔族には『強者には従う』という習性、というよりも生態があるので、時にはこぶしで語り合いながら説得を続けていました。』

(…まぁ、実際は呑んだくれていただけだがな…)

『ですが多勢に無勢。私のような考えは少数。と、いうよりもほぼ私1人。それに加え、魔王ソードナーは私では勝てないほどあまりにも強力。私は途方に暮れました…。そんな時です私の目の前に1人の少女が現れたのです。』

(…おっ⁉️儂の事だな…。)

『この少女となら先代の…私の理想を実現できる。そう思い、手を取り合ったのです。そして、2人で力を合わせ魔王を倒し、今に至ります。これから先も色んな困難があるでしょう。ですが2人なら…いや、2人じゃなきゃ乗り越えられないでしょう。だから、私は決してマオちゃんを裏切らない。』


ドヤ顔を決めるアムド。イラっとした顔をするアル。


『…話が長いですね。もっと簡潔に話しなさい‼️』


アルは実際、イライラしていたようだ。


『…私は裏切らない。それは私の理想のため。これでよろしいかな?』

『そんなのは信用出来ません‼️』

(…まぁ、そうだろな…口ではなんとでも言えるし…実際、そんな話はこの世に沢山あるからな…仕方ない。助け船をだすか…アムドの気持ちも聞けた事だし…本心かは、わからんが…)

「アル、1つ良い?」

『なんですかマオ様?』

「前にアルに見せた事あると思うけど…。実は私のちからは自分じゃ制御出来なかったんだ。」

『…と、言いますと?』

「制御が出来るのはある程度で、それ以上、力を込めると暴走、暴発…多分、酷ければ身体が持たなくて死んじゃうかもしれない。」

『えぇっ‼️ではどうやって魔王を倒したんですか?』

「それはね…。」

『そこで私の出番なのですよ‼️』


マオが説明をしようとした所に、ドヤ顔をしたアムドが割り込む。


(…コイツのドヤ顔ムカつくな…)


「コイツ…アムドをね…装備するの。」

『えぇっ‼️本当ですか‼️……そんな装備で大丈夫か?』

「大丈夫だ‼️問題無い‼️」


アムドに合図を送るマオ。アムドがコクりと頷く。辺りに眩い光が溢れる。


「っと…こんな感じで装備してやっつけたの。」


アムドを装備し終わったマオが仁王立ちしてポーズをとる。


『それは…なんとも…』


アルは呆気にとられ、続く言葉が出ないようだ。


「どう?」

『どうとは?』

「デザインとか…」

『そうですね…およそ女性が着る鎧では無いですね。いかついオッサンが着そうな感じです。色も黒というよりも、漆黒ですし…。』

「えっ‼️」


アルに言われ、改めて鎧を見る。ソードナーと戦った時にはピンクだったのが黒色になっている。


(…転生前は黒以外見たことないし、黒がデフォルトだったから気がつかんかった…なんでまた色が変わったんだ?)


「ねぇ、さっきはピンクだったよね?」

『…そうですね。』

『キィャァァ‼️シャベッタァ‼️』


鎧の姿となったアムドが喋るのを見てアルが驚く。


「なんで色が変わったの?」

『…言っても怒りませんか?』

「場合による。」

『………。』


言い淀むアムド。


「怒られるような事なの?」

『…多分…』

「じゃあ、怒らないから言ってごらん。」

『…本当に?』

「本当に。」


(…ちっちゃい子に言い聞かせるみたいだな…。)


『実は鎧の姿となった私の色はその時のテンションによって代わります。黒なら平常心のように…』

「…じゃあピンクは?」

『………。』

「ピンクはどうなの?」

『…エッチな気分な時になります…。』


アムドの返答を聞いた途端、膝から崩れ落ちるマオ。それと同時に臨戦態勢をとり武器を構えるアル。表情は見たこともないような形相をしている。


『よし‼️マオ様、その鎧を直ぐに脱いでください‼️粉々にしてやります‼️』

「…私もそうして貰いたいんだけどね…。コイツはコイツでなかなか有能だからね…私の力の制御の他にもオートヒールなんていう便利な機能もあるからね…」


力無くアムドを弁護するマオ。


『…私は出来る男ですからなぁ。』

「誉めてねーよ‼️」

『マオ様‼️魔王亡き今、ソイツはもう要らないかと思いますが…』

「あと1つやることが残ってるでしょ?」

『はて………あっ‼️エルグランドの事を忘れてました。』


(…そんな大事な事忘れんなよ…)


「アムド…1つ聞きたいんだけど…」

『なんですかな?』

「アムドが人形ひとがたの時も装備できる?…というよりもアムドが人形の時に私が中に入ってやりたい事があるの…」


マオの今の姿は少女が自分の身体に合った鎧を着ているだけに見える。鎧と言ってもフルプレートアーマーだ。それの兜部分が無く頭だけが露出している。だから誰が見ても装備しているのがマオだとわかる。


『まぁ、出来ますが…どうしてです?』

「あなたは知ってるかわからないけど…今エルグランドに魔族の軍勢が押し寄せているの。」

『そうなんですね。』

「それであなたの姿でその軍勢を蹴散らしたいの。」

『なんでそんな事を?』

「あなたに魔王になって貰うため。あなたの力じゃおそらく魔族の軍勢を止める事は出来ないでしょう。だから私の力であなたを魔王にします。そして、魔族全体を掌握して貰います。」

『今の姿のままでいいのでは?』

「この姿じゃ色々と問題があるでしょ‼️」

『まぁ、あるかも知れませんね…。』

「…まぁ、いいや…話を続けるね。そしてあなたに魔王となって貰ったら人間達の王、そして私のおじいちゃんであるエルグランド王を様々な種族の代表として色々な取り決めをして貰います。」

『例えば?』

「不可侵条約とか友好関係を築いて貰ったりとか…そうすれば争いが無くなると思うの。」

『…そうですかねぇ…。』

『…感激しました‼️』


それまでおとなしく両者の話を聞いていたのに、いきなり声をあげるアル。


『マオ様がそこまで色々と考えていたとは…』


マオの手をとり、目を潤ませるアル。


「…アルありがと。」

『では、次の目的はエルグランドですかな?』


茶番がまた始まりそうな気配を察知して両者に割って入るアムド。


「えぇ。」

『畏まりました。微力なれど精一杯やります。』

「えぇ、頼りにしてるわ。」

『お任せを‼️』

『フンっ‼️』


アルが不機嫌そうに鼻で笑う。


『お前の命はその時までだ‼️色々な事が片付いたら始末してやる‼️』

『…お前にそれが出来るかな?』

「…まぁまぁ…」


2人をなだめながらエルグランドの帰路へと就くマオであった。


(…皆、無事でいてくれよ…)


















次の話からおそらく新章になります。

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