~決着‼️魔王ソードナー‼️~
約2ヶ月振りの更新です。遅くてすいません。
「…貴方に聞きたい事があるのだけど。」
マオが静かにソードナーに近づく。
『…なんだ?』
「何が貴方をそこまで奮いたたせるの?」
『…どういうことだ?』
立っているのも辛そうなソードナーが答える。
「…だって…もう、ボロボロじゃない?…なのに、まだ戦おうとするのはなぜ?」
『…小娘なぞにはわからんよ‼️』
ソードナーが語気を強める。
「魔族のため?」
『…今さらそんな事はどうでもよい。』
「…では、なぜ?」
『…己の意地。王としての矜持‼️それだけだ…。』
ソードナーが話を続ける。
『…先々代の時から王に仕え…先々代、先代ともに勇者により討ち取られた…。その2人を不甲斐なく思う反面、誇らしくもある。それは2人とも討ち取られる最後の時まで王であったからだ…。人間というのは可笑しなものよの…攻めこんで来ておいて最後の時には必ず情けをかける。もう勝負はついただの…降参すれば命まではとらないだの…魔族では考えられん‼️』
『…曲がりなりにも魔王となったからには…その名に恥じぬ生き方をするだけよ‼️』
(…そうか…コイツは…ソードナーは自分の誇りのため…誰よりも王であろうと…儂はそれを放棄してしまった…。皆のため…平和のため…儂が勇者に討たれるのが1番だと思っていたが…結局はなにも変わらなかった…。今、思えば体のいい理由だったのかもな…自分を納得させるための…儂も最後まで足掻けば良かった。気持ちや思いは違うがソードナーのように自分の信じるもの、矜持のために動けば良かった…。)
価値観や考えは違うがソードナーの言葉に胸を打たれるマオ。
「…わかったわ…。」
覚悟を決め、静かに構えるマオ。フッと鼻で笑い、少しはにかむ仕草をするソードナー。
『…行くぞ‼️』
次の瞬間、ソードナーが鬼気迫る顔で雄叫びをあげながらマオ目掛け突っ込んでくる。
(…思えばコイツとは言い争いばかりしていたな…コイツはコイツなりに色々と考えていたのかも知れんな…平和が全て…人間達と仲良くするのが最善と考えていたが…儂は少し魔族を…同族を蔑ろにしすぎていたのかもしれん。魔族にも人間にも色々な考えの者はいるからな…)
決着の時を迎え、色々な思いが胸にせまるマオ。
『マオちゃん?』
心配したのかアムドが声をかける。
「…大丈夫‼️…行くよ‼️」
両手をソードナーに向け、マオが構える。それを見ても怯む事なく突き進んでくるソードナー。
「…さらばだ…。」
マオが呟くと同時に手から魔力が放たれる。
『うぉぉぉぉ‼️』
それをまともに喰らってもなお、雄叫びをあげながら前に、マオ目掛け突き進もうとするソードナー。ソードナーの全身がマオの魔力砲に包まれる。
『…あれをまともに2発も食らえばさすがに…』
アムドが呟く。辺りに巻き上げられた粉塵が落ち着いてくる。
『…‼️…マオちゃんあれは?』
アムドが何かに気付いたようだ。目を細め、ソードナーがいた辺りを見る。
「…‼️あれは…剣?」
ゆっくりと近づく。
「…真っ二つに折れてる。」
地面に転がっている剣はポキリと2つに折れている。
『…ソードナー…俺とお前は反りがあわなかったけど…お前は最後まで魔王だったよ…。』
剣を見つめ、呟くアムド。
(…コイツもソードナーと色々あったからな…思うところはあるんだろ…)
『…マオちゃん、その剣を、ソードナーを拾ってくれないか?』
アムドに言われるがまま、剣を拾うマオ。
「どうするの?」
『口に運んでくれる?』
(…まさか‼️食うのか?)
「食べるの?」
『…実は…』
おもむろに語りだすアムド。
『この剣はソードナーなんだ。』
(…知ってる。)
『ソードナーは先々代の魔王が愛用していた剣で、長年、先々代の魔王の魔力を吸い続けた為に化身したんだ。』
(…知ってる。)
『それでね…俺もそうなんだけど…ソードナーも魔界にしかなくて、もう、採掘量も無い、凄く希少な金属で作られているんだ。』
(…知ってる。)
『ソードナーもこのままここで朽ちるより、きっと一緒に連れて行ってほしいんじゃないかなぁ?』
(…それは無いと思う…アイツは最後まで王であろうとしたからな…誇り高く死を選ぶとか…多分そんな感じの事言うぞ…。)
「…で?食べるとどうなるの?」
ソードナーの事を思いだし、目を細め、遠くを見ているアムドに尋ねる。
『多分、パワーアップすると思うよ。』
(…多分なんだ…)
『前も珍しい金属を拾って食べた時、少し硬くなった気がしたからね。』
(…拾って食べるなよ…)
アムドに呆れつつ、口に運び入れる。
「…どう?」
『…味は…不味くはないけど…美味しくもない…。歯応えは良いね。』
(…誰も味の感想なんか聞いてねーよ‼️)
『…むっ‼️』
何か起きたらしいアムドが声をあげる。
『キタキターッ‼️みなぎってキターッ‼️』
アムドが興奮しはじめる。
「…パワーアップ出来た?」
『はい‼️間違いなくパワーアップしました。…なんて言うのかなぁ?…身体から力が噴き出しそうな感覚を覚えるよ。』
「ふーん。」
『あれ?興味無い?』
他人事のように振る舞うマオにアムドが尋ねる。
「うん。」
『えぇ‼️そんな事言わないでよ‼️力も上がったけど硬くもなったんだよ?マオちゃんも硬いほうが好きでしょ?』
アムドがニヤニヤする。
(…コイツ…早くどうにかしないと…もう、いっそのこと打ち明けるか…儂の正体を…少し危険な気もするが…)
「…まぁいいや。とりあえず、アルの事も気になるしアルの所に行こう。」
倒れているアルに歩いて近づく。
(そうだ‼️…アルの事はコイツに任せて、その隙に儂の部屋がどうなってるか見に行こう‼️…転生してから気になっていた秘蔵のコレクションもあるしな…少しでもいいから持ち帰りたいなぁ…)
そんな事を思いながら倒れているアルに近づく。
少し短かったですが楽しんで頂けたなら幸いです。




