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~対決‼️魔王ソードナー2~

一歩、また一歩とソードナーがゆっくりマオに近づく。マオは激痛に顔を歪め、ソードナーは不気味な笑みを浮かべている。

(…ここまでか…)

マオが観念したその時、ふと、ある想いが駆け巡る。

(…パパ…ママ…ごめん。)

その想いが浮かんできた時、マオは驚くと同時にある事を確信する。

(…驚いた…儂にそんな感情が生まれるとは…いや、これはもしかしたら…多分、そうだ。間違いない‼️この身体には儂の魂と本来のマオの魂…2人の魂が入っている‼️)

(…今想い浮かんだのはきっとマオだ‼️…そうでなければ色んな事の辻褄つじつまがあわぬ‼️…だが…最早もはや手遅れか…今さらわかったところでどうにもならぬ…すまぬ…マオ、許してくれ‼️…)

なにやら考えを巡らすマオに気付いたのかソードナーがにやけた顔で語りかける。

『…神にお願いでもしているのか?』

「…あんなヤツにお願いするのならその辺の石にでもお願いした方がマシよ‼️」

マオのその言葉には神に対する怒りが込められている。

『…では、その辺の石にでも願っておけ‼️』

ソードナーが手を振りかざす。表情をこわばらせ、ギュッと目をつむるマオ。


『…うるさーい‼️』


ソードナーが、マオめがけ手を振り下ろそうとした瞬間、どこからともなく怒鳴り声が聞こえてきた。辺りを見回す2人。


…~ガラガラガラ~…


マオが先ほど放った魔砲まほうによって出来た瓦礫の山をかき分け、1人の魔族が現れる。

『まったく‼️人が気持ちよく酒を飲んで眠っているのに……うるさいではないか‼️』

魔族はかなり立腹している。

『貴様は‼️アムド‼️今までどこにいたのだ‼️』

どうやら魔族はアムドらしい。

『フン‼️どこでもいいだろ‼️それよりもソードナー‼️うるさい黙れ‼️』

(…アムド生きていたのか…良かった…。)

『黙れだと⁉️貴様‼️魔王に向かってその口の聞き方はなんだ‼️』

ソードナーがアムドに詰め寄る。

『なぁ~にが、魔王だ‼️俺が魔王と認めたのは先代魔王様ただ、お一人‼️お前なぞ魔王でも何でもないわ‼️』

(…アムド…。)

マオの胸になにやら熱いものが込み上げる。

『貴様…‼️』

『それよりお前は先ほどから何を騒いでいるのだ?ゴキブリでも出たか?』

アムドがソードナーを馬鹿にする。

『…侵入者だ‼️』

『侵入者~?どれどれ?』

アムドがソードナーしにマオを見つける。

『うぉぉぉ‼️』

驚いたのか、なんなのかわからないがマオを見るなり奇声をあげ興奮するアムド。

(…やべッ…そういえばリリスに気を付けろって言われていたんだった…。)

ソードナーを押し退け、マオの元に駆け寄るアムド。

『お嬢ちゃん‼️どうしたの?大丈夫?』

マオが痛そうに抱えている手をとり、アムドが続ける。

『どうしたの?誰にやられたの?おじちゃんが助けてあげようか?』

あまりのスピード感に呆気にとられるマオ。

(…コイツ…グイグイきよる…。)

『おい‼️ソードナー‼️』

アムドが怒鳴り散らす。

『なんだ?』

『てめぇ‼️こーんな、いたいけな少女をいたぶって得意気になってんじゃねぇ‼️』

『そいつは危険だ‼️』

『なにがだ⁉️この子のどこが危険だ‼️』

アムドがなお、ソードナーに詰め寄る。

『ほれっ‼️そこの玉座の裏辺りの壁を見てみろ。』

ソードナーが指で指し示す。見ると玉座の裏あたりにある壁に大きな穴が空いている。先ほどマオが開けた穴だ。

『あの穴がどうした?』

『さっき、この子が開けた穴だ。』

『…マジで?』

『本当だ。』

急に黙るアムド。

『…だが…どうやら上手く力を使えないらしい。だからこそ、今ここで危険なその芽を摘み取るのだ‼️』

『待て‼️』

急に、思い出したかのように襲いかかろうとするソードナーを制止するアムド。動きが止まるソードナー。

『よし‼️決めた‼️』

何かを思い付いたらしいアムド。

『お嬢ちゃん。良かったらおじちゃんを装備してみないかい?おじちゃんはこう見えて鎧なんだ。もし、力が上手く使えないならおじちゃんの力で上手く制御するからさ。』

(…知ってる…。)

『なにっ?』

狼狽うろたえるソードナー。

『おじちゃんを装備すれば、きっとアイツにも勝てるよ?』

ソードナーを指差すアムド。

『貴様‼️魔族を裏切るのか?』

『裏切るもなにも…俺が忠誠を誓ったのは先代ただ1人‼️貴様らとは仲良くするつもりはない‼️』

『では、貴様は先代を裏切るのか?』

ソードナーの不意を突いた一言に黙るアムド。

(…負けるなアムド‼️なんか良いこといってやれ‼️)

『…だ、誰だって…男なら誰だって…むさ苦しいオッサンにつかえるより可愛い女の子に仕えたいはずだ‼️』

(…あーぁ。…今までの事が台無し…)

『もうよい‼️ならば2人まとめてあの世に送ってやる‼️』

ソードナーが構え、こちらに突進してくる。

(…魔王の時は気にしたこと無かったが…なんかマオの姿でコイツを装備するのは生理的に無理…気持ち悪い。)

少し考えるマオ。迫り来るソードナー。

『もう、時間がないよ‼️早く装備して‼️』

急かすアムド。おそらくマオの魂が拒絶しているのであろう。

『ねぇ、僕と契約して魔王少女まおうしょうじょになってよ‼️』

(…契約って…そんな犬みたいなつぶらな瞳で見つめられても…)

鬼気迫ききせまる表情で向かって来るソードナー。

(…うぅ…背に腹は代えられん‼️)

「わ、わかった‼️契約でも何でもするよ‼️」

その瞬間、辺りが目映まばゆい光に包まれる。


…~ガキーンッ‼️~…


金属と金属がぶつかりあう音が響く。

『ふぅ。間に合った。』

アムドが胸を撫で下ろす。先ほどした金属音は、ソードナーの攻撃をアムドを装備したマオが手甲で防いだ音のようだ。

『く、くそっ‼️』

渾身の攻撃を防がれ、思わず後ろに飛び退き距離をとるソードナー。

(…先ほどまでの痛みが嘘のようだ…身体が軽い。)

『うぉぉぉ‼️みなぎってきた~‼️』

お腹の辺りからアムドの咆哮ほうこうが聞こえる。鎧を見て見ると、ちょうど胸からお腹の辺りにアムドの顔がある。

(…げっ‼️こんな所に顔がある…。なんかヤダ…デザインが可愛くない…。てか…酒臭い…。)

鎧は魔王の時に身につけたときとは違い、色が漆黒からピンク色へ、デザインも少し変化している。

(…なんで色が変わっているんだ?…まぁ、いい。)

『やっぱりオッサンを包む時とは違ってヤル気が違いますなぁ~。』

アムドが得意気に喋る。

(…コイツがこんなキャラだったなんて…。)

「…ところで、身体の痛みが消えたけどなんで?」

疑問に思ったマオがたずねる。

『それはですね…私を装備することにより、自動回復オートヒールするようになるんですよ。多分、私の身体の一部みたいな扱いになるんじゃないんですかね?私に包まれている間は。私自身、自動回復しますし…』

(…包まれるって表現…なんかヤダ…)

「他にはなんかないの?」

『まぁ、あとは純粋に防御力が上がります。この自動回復と自慢の硬さでお嬢ちゃんの強大な力を制御するよ‼️』

(…コイツ…自動回復なんて良い機能がついてたんか……)

「それにしても…自動回復するなんて凄いね‼️」

『ありがとう‼️そう言ってくれたのはお嬢ちゃんだけだよ。…まぁ、…元々の持ち主のオッサンは頑丈だったし、攻撃を食らった事もないからなにも感じてはいなかったですけど…。』

(…もう、儂をオッサン呼ばわりか…)

『おい‼️ソードナー‼️今からお前を倒し、この子が魔王になる‼️』

アムドが居丈高に喋る。

『く、くそッ‼️』

追い詰められるソードナー。渾身の一撃を防がれた事により実力差を理解したのだろう。

『…そういえば、名前をまだ聞いてなかったね…聞いてもいいかい?』

「…マオだよ。」

『良い名前だね‼️さぁ、マオちゃん‼️おじちゃんが制御するから手を構えて‼️』

アムドに言われた通りに手を構える。

『さぁ、力を溜めるんだ‼️』

言われた通りに魔力を高め始めるマオ。

「でも…大丈夫?さっきは溜めてる途中で身体が耐えきれず暴発しちゃったけど…」

(…まぁ、儂の考えががあっているとしたら…普通の銃で大砲の弾を打つようなものだしな…砲身からだが壊れるのも無理はない…。)

みるみる打ちに高まる魔力。

『大丈夫‼️自慢の硬さで制御するから…マオちゃんも硬い方が好きでしょ?』

「………。」

(…言い方に含みがある…もう、ヤダ…。)

先ほどと同等か、それ以上の魔力が溜まる。

『さぁ、打つんだ‼️』

「いっけ~‼️」

次の瞬間、溜まりに溜まった膨大な魔力が放たれる。小さなマオから放たれたそれはまるで大河のようであった。


『…そ、そんな…こんな所で…こんな小娘に…』


マオの放った魔力砲に包まれるソードナー。辺りに粉塵ふんじんを舞いあげ、轟音とともに直撃する。

『ヤったか?』

アムドが心配する。

(…そう言う事を言うなよ…)

アムドの一言に嫌な予感がするマオ。舞い上がった粉塵が落ち着いてくる。

『…ほぅ…さすがは1度は俺に勝った男だな…』

過去に負けたにも関わらず何故か強気に語りかけるアムド。そこには片膝かたひざを着き、息も絶え絶えの魔王ソードナーがいた。

『…はぁ…はぁ…』

ソードナーには先ほどまでの勢いがない。

(…なんか…悲しいな…)

ソードナーの姿を見て、マオの心になんとも言えない気持ちが押し寄せてくる。

『さぁ、マオちゃん‼️一思ひとおもいにトドメを…』

「…少し黙って…。」

アムドの言葉を遮るマオ。静かに発した言葉ではあるが、大声などよりも迫力がある。マオがゆっくりとソードナーの元に歩み寄る。

「…もう降参する?」

弱々しいソードナーに優しく語りかける。

『…フッ…今さら…何を…言うか…』

片膝を地面に着きながら、返答するソードナー。顔すら下を向いている。よほどつらいのであろう。

「もう、勝負はついていると思うけど?」

『…まだだ‼️』

マオの言葉に奮起するソードナー。手を膝に置き、歯を食い縛るように立ち上がろうとする。身体を小刻みに震わせ、ようやく立ち上がる。

(…なにがコイツをここまで奮いたたせるのか…)

苦しそうな表情で立ちあがり、かまえるソードナー。その姿からは到底、闘えるような状態ではないのがうかがえる。

(…吹けば飛ぶようなコイツだが…少し話をしてみるか…あの時…勇者と…アークと闘い、そして儂はわざと負けた。その時はそれが最善だと思ったが…今さらだが悔いが残ったからな…今度はお互いに悔いが残らないようにしないとな…ソードナーにも、儂にも…。そして、コイツの考えが変わらなければその時はしょうがない…儂の役目としてコイツに引導いんどうを…。)


マオが意を決して口を開く…。







お読み頂き、ありがとうございます。少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

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