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~エルグランドでの攻防~

約1ヶ月振りの更新となります。少し短いですが楽しんで頂けたなら幸いです。

マオとアルがコダチを倒し、いよいよ魔王ソードナーと対面を果たそうとしていた頃、エルグランドでは魔族の軍勢とエルグランドの軍勢が睨みあっていた。お互い牽制しあうだけで未だ、戦闘には発展はしていなかった。何故ならば、エルグランド軍は専守防衛、やられたらやりかえすといった、言わば受け身のスタイル。対して魔族軍はと言うと…普通の魔族なら血気盛けっきさかん、我先われさきにと攻め込みそうなものだが誰も動かない。理由はソードナーの求心力不足である。魔族の性質、性格には力ある者、強い者に従うという本能のようなものがある。先代魔王だったマオは魔族の中で他者の追随ついずいを許さないほどの断トツの実力を持っていた。だが当代の魔王であるソードナーは実力的に今の魔族の中では1番かも知れないが断トツというわけでもなく、アムドを辛勝しんしょうで下しており、その印象もあってか強いけど弱い、といったよくわからない評価をされている。そのためか実力的に上位にいる四天王達は実力が自分と近いソードナーの命令に従う気などは更々さらさら無く、適当にその場を凌いでいるだけだった…。

『敵軍、未だ動きはありません‼️』

エルグランド兵がミドに戦況を伝える。

『うむ。引き続き、警戒を怠るな‼️』

『はっ‼️』

兵士が足早に去っていく。

『ふぅ。』

ミドが一息つく。

(やれやれ…魔族が何を考えているのかさっぱりじゃわい…侵攻してきた癖に戦闘にも発展せず、このまま睨みあっているだけじゃからな…まぁ、無駄に兵士達を疲弊させないだけ良いか…。こんな事ならマオちゃんを魔界になぞ行かせんでも良かったのぅ…)

その時、兵士が1人、足音を響かせながら駆け足でやって来た。

『伝令‼️』

『何事じゃ‼️』

ミドが席を立ち、反応する。

『エルグランドからの伝令でございます‼️エルグランドにエル様、アーク様がお着きになった様子。今こちらに向かっているそうです。』

『なんじゃと‼️エルが?』

(…マオちゃんを迎えに来たということか…と、いうことはもう向こうは落ち着いたということか…だが…肝心のマオちゃんは魔界に行ってていないしのぅ…て言うか魔界行きを許可したともなればエルに怒られるかもしれん…)

ミドの頭の中を様々な思いが駆け巡る。

(…そもそも、なんで儂が怒られるんだ?エルは駆け落ちしたのも同然で国を出た。その事について儂はまだなにも聞いておらん‼️…まぁ、儂が話を聞かなかったというのもあるが…どうしよう…どう、話をしたらいいんじゃ?…)

思案を巡らすミドに、伝令に来た兵士が心配して声をかける。

『王様?』

その声を聞き、ミドが我にかえる。

『…っ‼️いや、すまん。ご苦労だった。持ち場に戻るがいい。』

『はっ‼️』

伝令が足早にその場を去る。

『…それにしても…なんともが悪い…。』

席に座りながら独り言を呟くミド。

(…知らなかったとはいえ…魔族が攻めて来ている時に来るとは…いや、エルグランドにとっては運が良かったのか?…少しでも戦力が増えるのは良いことだが…。)


その頃、やはり魔族軍にも同様の情報がもたらされる。いくらヤル気がないとはいえ、斥候せっこうを飛ばしていたようだ。それまでとは違い、にわかに色めき立つ魔族達。理由は簡単。勇者が来たからだ。それも只の勇者ではない。最強とまで言われた先代魔王を倒した勇者が来たからだ。その勇者を倒したともなれば先代魔王にも匹敵するちからを持つことになる。そうなれば次代の魔王、いや、うまくすれば今代こんだいの魔王にだってなれるかもしれない。そのような思惑を皆、一様に描いているのだ。

『伝令~‼️』

声を張り上げ、駆け足で兵士が来る。

『何事だ⁉️』

『魔族に動きがあります‼️こちらに侵攻して来る模様です‼️』

『…やっとヤル気になったのか…よし‼️迎え討つ‼️迎撃準備じゃ‼️』

『はっ‼️』

兵士が駆け足で戻る。

(…しかし、急にヤル気になったのはなぜじゃ?)


エルグランドにて魔族との戦闘が始まろうとしていた頃、マオはいよいよ魔王ソードナーとの対面を果たそうとしていた。

(…この扉を開ければ…ソードナーがいるはず…)


謁見の間の扉が今、開く。





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