表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/46

~エルグランドにて~2

日常回です。この回から新しい章となります。

マオは正直飽きていた。いや、焦っていた。なぜならば、1日休んで次の日には魔界へと出発する予定だったのに、何かにつけて祖父であるミドが予定を引き延ばすからだ。

(…早く魔界に向かわないといけないのに…あの爺さん何かにつけて引き延ばすからな…孫と遊びたいのはわかるが…)

天蓋てんがい付きベッドの上でゴロゴロしながら足をバタつかせるマオ。

「ふぅ。」

思わずタメ息がもれる。

『タメ息をつかれて…お暇ですか?』

「‼‼」

いきなり話しかけてきたのはメイドのアルだ。

「…アル…いたの?」

(…こいつ…いつのまに…て言うか、気配が全く無かった…)

『えぇ、先程からここに。』

「ねぇ、アル?私はいつまでここにいなくちゃいけないの?いつ魔界に行けるの?」

『それは王に、マオ様のお爺様にうかがってみないと。』

アルが顔色1つ変えずに言い放つ。

「…はぁ。」

(…なかなかあの爺さん強敵だからな…聞き分けがないからな…)


~コンッ‼コンッ‼~


部屋の扉を叩く音がする。

「…どうぞ。」

マオが気の無い返事をする。誰が来たか見なくてもわかるからだ。マオの返事を聞き、アルが顔色1つ変えず、素早く扉を開ける。

『マオちゃ~ん‼今日はじぃじと何して遊ぶ?』

マオの予想通り、部屋を訪ねてきたのは、この国の王であり、祖父のミドだ。

(…やれやれ…毎日コレだもんな…)

「…じぃじ、お仕事は?」

『今日は無いよ。』

「…昨日も同じ事言ってなかった?」

『う…昨日も無かったんじゃよ。』

マオが呆れた顔をする。それを見てか、メイドのアルが続ける。

『王よ…いくらマオ様が可愛いからといって、毎日仕事をサボるのはいかがなものかと…』

その言葉を聞いた途端、ミドの顔色がかわる。

『さ、サボってなどおらんわ‼』

『皆が困ってましたよ。困り果てて、侍女長じじょちょうの私にまで相談に来たくらいですから。』

『…ぐぬぬ…。』

追い詰められ、グゥの音もでないミド。

(…では、トドメを刺すか…)

「お仕事サボるじぃじはきらーい。」

マオのトドメの言葉に、この世の終わり、かのような顔をするミド。

『そ、そんな…。』

『嫌われたくなければお仕事に戻ってください。』

アルが相変わらずの表情で淡々たんたんげる。

『…わかった。マオちゃん?じぃじはちゃんとお仕事してくるからね。お仕事終わったらじぃじと遊んでね。』

「いいよ~。お仕事頑張ってね。」

マオにはげまされ、ミドが部屋から出ていく。

「…ふぅ。」

(…朝から疲れる…。)

『お疲れ様です。』

マオの様子を見て、アルがねぎらう。

「ねぇ、アル?」

『はい。なんですか?』

「魔界に行く準備は終わってるの?」

『はい。とっくに…。あとは王の許可待ちです。』

(…マジか…どうする?…たしか、こいつもなかなか儂には甘かったはず…。)

「あ~ぁ。せっかくアルと2人きりでお出かけ出来ると思ったのに…。」

アルが少しだけピクリと反応する。

『…そんなに魔界に行きたいのですか?』

(…お、食い付いたか?)

「うん。大好きな・・・・アルと2人きりで行きたい。」

(…好きでも嫌いでも無いが…強調きょうちょうしないとな…)

マオのその言葉にアルがピクピクと反応する。

『…そんなに好きなんですか?』

(…ん?…)

「何が?」

マオが尋ね返す。

『…いえ、私の事が…。』

少し照れる素振りを見せるアル。

(…なんか話の方向が変わってるような…だが、予想通り食い付いた‼)

「うん。大好き‼」

マオが元気良く、即答で、満面の笑みで答える。

(…儂のこの笑顔で落ちない者はいない‼)

『………。』

先程見せた照れてる表情とは変わり、急に黙りこみ、少し険しい顔をするアル。何かを考えているのだろうか…。

(…ん?…なんだコイツ?…急に黙りこんで…マズかったか?不自然すぎたか?…)

マオに緊張がはしる。

『…分かりました。』

考えがまとまったらしいアルが驚きの言葉を発する。

『王を亡き者としましょう。』

「えぇっ‼」

マオは驚愕する。

(…コイツなに考えてるんだ‼)

「アル、なにを考えてるの?」

『いえ、王を亡き者とすればマオ様は魔界に行けますし、私はマオ様と2人きりで過ごす事が出来ます。お互いにとって最良の手だと思いますが…。』

(…ヤベェ…コイツ、ブッ飛んでる…)

「最良の手じゃないよ‼そんな事出来ないし、じぃじが可哀想でしょ⁉」

『そうですかね…。仕事もしないような王など要らないと思うのですが…。』

アルが怪訝けげんな顔をする。

(…なんでそんなに不思議そうな顔をするんだよ…)

「とにかく、そんな案は却下です‼」

『かしこまりました。』

「じぃじはアルに弱いから普通に説得してきてよ‼」

『かしこまりました。では、早速…。』

アルが挨拶をして部屋を出ていく。

(…やれやれ…。)

と、思ったらまた扉がきそこからヒョッコリとアルが顔をだす。

『…マオ様、ちなみに先程のは冗談ですからね。』

「大丈夫。分かってるよ。」

(…本気かどうかわからなかったけどな…。)

『驚いた顔も素敵でした。』

アルの顔がニヤケる。

「いいから早く言ってきて‼」

アルがペコリと頭を下げ、扉を締める。

(…まったく…。)

またもタメ息をつくマオ。

(…これで駄目だったらいよいよ脱走するか…)


そんな事を考えながらアルを待つマオであった…。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ