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~いざ戦場~

お話的にはあまり進んでいませんが少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

孤児院の院長と別れを済ませ、リリスはとりあえず徒歩で王宮を目指す。

(…夜になれば飛んで行けるんだけど…昼間は流石に人目につくからね…人間は空を飛ぶこと出来ないしね…)

歩き続け、王宮へと辿り着く。特に変わりはないようだ。兵士に話しかける。

(…相手にされないと思うけど…)

「…ねえ、おじさん。」

『お嬢ちゃんどうした?迷子か?』

(…まぁ、そんな感じよね…迷子に見られてもしょうがない。)

「ううん。違うよ。」

『だったらおうちに帰りなさい。お父さん、お母さんが心配してるぞ。それにここは子供が来るところじゃないよ。』

「1つ、聞きたい事があって…」

『なんだい?おじさん、お仕事中だから忙しいんだが…』

(…どう見ても暇そうなんですけど…さっき欠伸あくびしてたし…。)

「ここに勇者様来なかった?」

『ん?あぁ、あの人か…来たよ。』

「まだここにいる?」

『さぁ…?』

「………。」

(…興味ない…って感じね…まぁ予想通りの反応ね。)

『さぁ、おじさん達は忙しいんだ‼お家に帰りな‼』

「はーい…。」

兵士に言われ、渋々といった感じでその場を離れる。

(さてと…どうしようかしら?アークさん達はまだ王宮にいるのかな?)

少し考え、マメの事を思い出す。

(そうだ‼マメに聞いてみよう。)

「ピィ~‼」

人目につかない所で口笛を吹く。

(…ん~……来ないわね…。)

しばらく待っているとマメがやって来た。

(おっ‼キタキタ‼)

マメの様子を見てみると、心なしかボロくなっている気がする。

(…なんか…元気が無いと言うか…全体的にボロくなってる…あっ‼少し怪我してる。)

どうやらマメはリリスに言われた事を頑張ってこなしているようだ。

「まったく…しょうがないわね。」

リリスがマメに手をかざす。

「私は魔族だからあまり回復魔法は得意じゃないんだけど…。」

リリスがぶつぶつと、文句を言いながら念じ始める。するとマメのケガがみるみる治っていく。

「これで良しと…どうやらその様子をみると貴方も頑張っているようね?」

マメは少し照れてるようだ。

「どう?少しは子分が出来たかしら?」

リリスがマメに尋ねる。マメがコクコクと頷く。

「それは良かったわ。ところで…貴方に少し聞きたい事があって呼んだのだけれども…」

マメが何?といった感じで首を横に傾ける。

「アークさんって分かる?」

首を横に振るマメ。

(…流石に知らないか…)

「元勇者なんだけど…」

マメが首を縦に振る。それなら知ってるといった感じだ。

「知ってるの?それなら話が早いわ。アークさん達が何処にいるか知らない?」

マメが両羽を広げ、首を横に傾ける。

(…さぁ?って感じね…)

「ちょっと貴方の仲間や子分にも聞いてみてくれないかしら?」

マメがコクコク頷く。

「頼んだわよ。なるべく早く報告してね。」

マメが任せろ‼といった感じで飛び立つ。

(さてと…どうしようかしら?とりあえず、まだアークさん達が王宮にいると仮定して見張ってるか…)

王宮の門の所まで戻り、人目につかない場所からうかがう。

(…それにしても…影ながらサポートするっていうのは大変ね…まったく…一層いっそのこと目立ってやろうかしら…)

などと、マオへの愚痴を考えているとマメがやって来た。

「あら?意外に早かったわね。それでどう?何処にいるかわかった?」

マメが頷く。

「何処?何処にいるの?」

マメに尋ねる。するとマメは片方の羽根を広げ、まるで向こうにいる、と教えているかのように王宮とは反対の方向を示す。

「そう…向こうにいるのね?」

マメが頷く。

(…向こうの方向は…国境か…もう戦場に向かったのか…)

「ありがとう。貴方、そこまで案内できる?」

マメが頷く。

「じゃあ、そこまで案内をお願いするわ。なるべく人間がいない所を通ってちょうだい。歩きじゃ時間がかかるから私も空を飛んで行くから。」

『ポーッ‼』

マメが元気良く返事をし、空へと飛び立つ。みるみる高度をあげていく。

(…あの位の高さなら大丈夫かな?)

リリスも辺りを見渡し、羽を広げる。

(…ふぅ…飛ぶのも久しぶりだわ。)

リリスも空へと飛び立つ。その様子を見てマメが案内を開始する。マメはリリスに指示された通り、なるべく人目につかない様に森の上を飛ぶ。リリスもマメのあとをつけていく。

(…森の上なら…木々が邪魔で下から、地上からは良く見えないはず…)

一応、警戒してさらに高度をあげる。マメもその様子を見て、高度をあげる。

(…この高さまであがれば流石に大丈夫よね…?……ん?あれは…?)

高度をあげた事により、遠くまで見渡せるようになり、人間達の軍が対峙しているのが見える。おそらく主戦場、最前線だろう。

(…まだにらめっこをしているような状態かしら?)

両軍にはまだ距離があり、戦闘は始まっていないようだ。

(…アークさんはどちらの陣営かしら?)

マメが片方の陣営に目掛めがけ、徐々に高度をさげる。

(…こっちか…)

「案内ありがとう。もう、ここで大丈夫。あとは徒歩で近づくわ。貴方は帰りなさい。」

「ポーッ‼」

マメが返事をし、きびすをかえす。その後ろ姿に声をかける。

「貴方もほどほどに頑張るのよ‼何かあったらすぐに私の所に来なさい‼それと…無理をしすぎて怪我をしないようにね‼」

「ポーッ‼」

遠ざかりながらマメが返事をする。

(…私が変な事を言ったせいなんだけど…心配だわ…。)

陣営が密集している場所から少し離れた所に、辺りを警戒しつつ、降りる。

(…ここからはもっと気を付けて行かないと…)

さいわいにも周囲はまだ森で、空から見た感じだとコミナ王子の陣営は森の中の開けた場所にあるようだ。森の木々にまぎれながら静かに近づく。

(…仮にアークさん達がいたとして…どうしよう?影ながらサポートって何をしよう?)

周囲を警戒しつつ、陣営が目視できる所まで進む。

(…ん?あれは…あの陣営だけ他のと比べて倍以上あるわね…王族の紋まで入っているし…)

他のと比べて、ひときわ大きな陣営が目につく。

(…あそこに王族がいるのね…アークさんは何処かしら?王族の護衛でもしているのかしら?)

暫く物陰から観察をする。

(…アークさんが前線にいるとしたら…マズイわね…知らないうちに倒されていたら目も当てられないわ…こんな事ならマメを帰すんじゃなかったわ。)

(…どうする…?一度最前線を見に行くか…それともこのままここで見張ってるか…。)

(…そもそも、アークさんは人間相手なら負けることはないはず…回復魔法が使えるエルさんもついているし…よし‼今日はこのままここで見張ってて、もし、何もなければ戦場を見に行こう。)

見つからないように、森の木の上に登る。

(…ここならあの陣営も見えるし、木の葉が邪魔で私の姿は見えにくいはず…。)

楽な姿勢をとり、陣営を注視する。

(…マオちゃんは今頃どうしてるかな…?もう魔界に向かったかな…?それにしても…暇だわ。)


リリスにとって退屈な時間が過ぎていく…。



























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