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10万年後の竜殺し

「グウウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 竜の咆哮が響く、この竜はパクさんとかとは違う。生き物としての竜じゃない……これは怪物としての竜のような感じがする……

「(その割には吠えるばかりで襲ってきたりはしないのか……なんだ……何かを待っているのか?)」

 口をもごもごさせている……まさかブレスの準備!?

「クアア……」

 あくび……? なんだ……どういうことだ……何をしているんだ……?

「すー……すー……」

 寝た……? まあ……良いか……それならそれで……リコリツスさんの援軍を待つ時間ができたってことで……良いのか?

「っ!? まぼろしさん駄目です!! 離れてください!!」

 燕間に抱えられた!? 何も起こっていなかったのにどうして?

「あの化物の全身から細い糸が出てます!! あと少しで飲まれますよ!?」

 そうか……僕の目は見えない物が見えるけど視力が上がった訳じゃないから単純に極細の糸を出されると反応ができないんだ……気をつけよう……神の見えざる手の方が簡単だった気がする……厄介だな。

「すこ……しなら……私が……弾く……から……」

 僕が巻かれるとデリに負担がかかるか。それは良くない……これ以上の負荷をかけるのはダメだ……

「すー……すぴー……」

 糸に捕らわれた獲物を喰えば良いから寝てるのか……なるほど……竜というか蜘蛛に近い感じなのか……?

「(火で焼いてしまえば倒せるんじゃ……)」

「駄目です!! ここでそんなことをしたら息ができなくなります。それにここでは火勢はそこまで強くなりません!!」

 そっか……酸素が……でもそうなるとどうすれば……

『どけや坊主……あんな胸くそ悪いもんすぐにぶち殺したるわ……!!」

 地面から土竜の長の人が……!? 良かった援軍が来た!!

『うううううううううるぁああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 槍? 違う……あれはスコップをそのまま投げてるんだ……でもあの人のパワーはすごかった……きっと竜に刺さる……!!

『ちっ……糸の鎧か……厄介なもん作りおるわ……あれじゃあ物投げても当たりゃせんな』

 見えない糸が束になってスコップを止めた……あれで駄目なら投擲で攻撃するのは現実的じゃない……糸の強度も相当に高いんだ……

『気が早いなあ……もっと協力せんと……あれは倒せまへんよ?』

『じゃかあしい、あんなんが居るだけで反吐が出るねん!!』

『ニヅヘグ……アレハツヨイ……ハヤクシナイト……テガツケラレナクナル』

『んだ……とっとと潰してしまえばええだ……』

 やった……これであの竜は倒せるはず……!!

「す……ギシィ……グギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 起きた!? 攻撃を受けたからか……流石に攻撃をされたら寝てはいられないか

『起きはったなあ……最初はもっと大きい攻撃をしたかったやけど……』

『嫌みか? やっちまったもんはしょうがないやろうが……!!』

 ……不安になってきた……大丈夫かなあ……

『トリアエズ……イトヲヤブロウ』

『んだなあ……あれは面倒だあ』

 蚯蚓の人が岩をもって振りかぶっている……スコップは駄目だったけど……あの質量ならもしかして……!!

『ぬあああああああああああああ!!」』

 え? 砕いてばらまいた? そんなの全部糸にからまれて終わりなんじゃ……ああ、やっぱり全部止められてしまった……どうしてこんなことを……?

『ソレクライデイイ……アトハコッチデ……チョクセツツケタカラスグニオワル』

 糸に色が着く……? 何か糸に生えていく?

『カラダカラデタイトハ……ゼンブエイヨウニナル……コレデマルハダカ』

 糸が食べられていく……菌のエサにされているのか……こういう攻撃の仕方もあるんだな……搦め手って言うのかな……

『さあ……守りを剥がしたらやることは1つやよ……分かってますなぁ?』

『おうよ……分かっとるわ』

『準備はできとるだよ』

 攻撃の準備が整えられていく……あの糸が全部無くなったとき攻撃が始まる。これで今度こそ終わる。

「ギシィ……ギシシシ……ゲヒャヒャヒャヒャ!!!」

 笑ってる……? なんで……笑うなんて鯨はしなかった……何がおかしいんだ……もう少しでお前は倒されるのに……?

「ゼイギ……ハ……ワレニアリ……ホロブベシ……」

 悪意……あれは悪意だ……あんな顔できるのは……人間だけだ……あれは……アレの中身は……人間だ……何を狙って……?

「シヌガイイ……」

 糸で組み上げた……手?

『こふっ……なんや……これ……』

『うっそ……やろ……』

『……ナニコレ……』

『ぐぶっ……なんだぁ……?』

 え? 手は何もしてないのに……倒れ……て……

「まぼろしさん……大丈夫……ですか……?」

 燕間?

「なんと……か……まもれた……かな……」

 デリ?

「(どうしたの……なんでそんなに苦しそうに……?)」

 まさか……見えない糸に貫かれてるの……?

「ノガシタカ……ダガ……オマエハ……サイゴダ……マズハ……マワリカラコロス……ゼツボウシロ……コレハオマエノセイナノダ」

 ……そうか……そうなのか……じゃあいいか……死んでもいい……殺そう……アレは殺しても良いモノだ。できるかはもう問題じゃない……殺すんだ……それでいい……それだけはもう決まった。

「……【死んで欲しい】」

 自然に声が出た、ただそうなって欲しいという願いだけを込めた一言だった。それだけで十分だった。僕から奪おうとした者は沈黙し、全ては静かになった。






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