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演説のススメ 4

「つまんなそーだねー、わらってよー!!こちょこちょこちょ~!!」

「デリさんちょ……あはは!? くすぐらないで!?」

 だめだ、素の力が違いすぎて全然止められない!! このままだと誰も止める人がいなくなってしまう……僕が止めないと……!!

「あ、まぼろぉさんがわらってますねえ……はじめてみたかもしれませんねえ……」 

「燕間さん助けて!? しみじみするのは後にして!!」

 くそう……燕間さんも今は全然頼りにならない……どうにかして抜け出さないと……

「むー……今は私と遊んでよ……もっとくすぐってやるんだから……」

「え!? あ、あははは!? やめっ……くすぐったいから!? 息が……でき……ないから!!」

 このままくすぐり殺される未来まで出てきたぞ……笑いすぎて苦しい……涙が出てきた……

「あ、なんか憑いてる……」

 涙でなぜかクリアになる視界にも慣れた。そのおかげか分からないけど2人の頭にくっついてる謎の花みたいなものが見える……これか? これのせいでこんな状態になっているのか?

「えい」

 いっそ清々しいくらい僕の手は花をすり抜けた……これが原因って訳じゃないのか!? それじゃあ一体どうしろって!?

「ないてるの~? しろいなみだなんておもしろいね、ぺろっと」

 デリさんに舐められた!? 自分の涙だけど舐めて大丈夫なものか自信がない……早く吐き出させないと命に関わるかもしれない……

「デリさん早く吐き出して!! どんな効果があるかも分からないから危ないかも!?」

「っ……!!」

 デリさんが顔を覆ってしまった。まさか刺激物だったのか!? それならなおさら吐き出させないと!!

「デリさん!!」

「……大丈夫だから……その……そっとしておいて……お願い……今はその……無理だから……!!」

 言葉ははっきりとしているから酔っ払い状態からは戻ったみたいだ……でも身体が真っ赤になるなんて一体……辛いのかも……

「もしかして辛かった?」

「違う……けど、今は本当に無理なの……ごめんなさい……少し離れて」

 ……どうやらデリカシーにかける発言をしてしまったみたいだ……これ以上話しかけるのはやめておいたほうが良さそうだ……でも本当に大丈夫なのかな……

「…………!!!!(ああああああああああああああああ!!!!! なんで私はあんなことをしたんだろう!! 水を飲んだだけなのに……どうしてあんなフワフワした感じになるの!? そりゃあ偶には君に構って欲しいとか思うこともあるけれど……あんなベタベタしたいと思ってたわけじゃないのに!! うわああああああああああああああああああああ!!! まともに顔が見れない……!!)」

 なんか顔を覆ったまま悶えている……きっと僕への怒りを鎮めているに違いない……もっと考えて喋るようにしないと……

「まぼろぉさん、でりさんはどうしたんれすか?」

「……そっとしておいてあげて」

 反省しよう……何が引き金になって傷つけてしまうか分からないんだから……

「やあっ!」

「……えっと……どうして僕を抱えたの?」

 嫌な予感がする……こんなことをされたのは初めてだと思うんだけど……何か命の危険にさらされたことがあるようなそんな寒気が止まらない……

「ちゃんととべるようになりましたからあ……おさんぽですよう……それにしてもお……まぼろぉさんはやあらくてよわくて……かぁいいですねえ」

 ……そりゃあ燕間さんから見たら僕は柔らかくて弱いかもしれないけど……なんかこう……男の意地っていうか沽券っていうか……いやそれも1000年前の話だ……ここでは甘んじて受け止めるしかないか……

待てよ……蜻蛉の飛行性能で僕をそのまま運んだりしたら……最悪つかまれているところと他の部分がサヨナラバイバイしかねないんじゃあ……

「燕間さん……その……加減とかって……」

「それにとってもあったかいですねえ……うふふのふー……いきますよお」

 駄目だ聞いちゃいない……覚悟を決めるしかないのか……ええいままよ……耐えてくれよ僕の身体……死にたくはないんだ……!!

「くっ……!!」

 体を固める。少しでも耐えられるように……

「……あれ?」

「だあいじょうぶですよう、もうえんまはまぼろぉさんをきずつけたりしませんからあ」

 快適だ……早さも風が気持ちいくらいだし……もうって言うからには一回僕はこれで死にかけたんだろうか……思い出せないけど……

「そういえばあ……でりさんはおかおなめってましたねえ……えんまのしたはちょっとちがいますけど……やってみましょうねえ」

 待って……身体をおさえられて顔が近づいてくる……これって蜻蛉の捕食体勢じゃ……!? なんかギチギチいってるし……このまま食べられ……!?

「うっ……!!」

 直視できずに目をつむってしまった……あれ? ブラシで擦られるような……?

「……えんまは……もう……まぼろしさんに合わせる顔がありません……」

 デリさんと同じ症状が出ている……一体僕の涙にはなんの成分が混ざっているんだ…


 

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