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10万年後の練習はスパルタ

『ちーがーうーネー!! 手首をこう、そしてこう!!』

あまりにもスリングショットが下手だったので練習が始まりました、パクさん曰く力自体はそこまでいらないそうなので僕でもラオさんに傷をつけられる可能性があるらしいけど……

『そんでこうネ!!』

風を切る音がもうビュンとかじゃなくてキンっていう澄んだ音がする、もちろん僕には目で追えるわけもなく。

『分かたか?』

『動作はなんとなく……でもそんな威力は出ませんって……』

飛んで行った牙が深々と岩に食い込んでいた。しかも1個は貫通して奥の2個目の岩にだ。

『ここまでやれとは言わないネ。それでもこの半分くらいは出してもらうネ。大丈夫、名無ならできるネ』

『ほんとですか……やってみます』

パクさんを信じよう、なんにせよここでできなければ僕は燕間さんに合わせる顔がない。

『えいっ!!』

『……当たるようにはなたネ』

僕の一投は当たっても簡単に弾かれてしまう、その程度の威力しか出ていない……もしかしてと思って右腕で投げてみたけれど変化はなかった。

『休憩がてら神頼みでもしに行くネ』

『神頼み……ですか?』

『そう、神頼み』

そういえば今までの神様はすぐに話しかけてきたりしてたけどここの神様は無口なのかな?

『ラオー!! 休憩するから何か食べるもの欲しいネ』

『ん、これしかないぞ』

出てきたのは大きな桃だった、手に収まりきらない大きさだ。

仙桃タオ)とは珍しいネ。何かいい事あったか?』

『なに、昔馴染みが元気にやってるみたいだから機嫌がいいだけさね』

昔馴染み……?

『モルトパールとアバドンさ、古い馴染みでね』

『どうして名前を……!?』

『どうしてってお前、私が龍神だからに決まってるだろう』

『ええっ!?』

衝撃の事実……僕は神様に牙を投げつけようとしてるのか……!?

『気づいてなかったのかい、それとお前を見定めたワンも龍神さ。そんでこのパクは竜神のなりかけって言ったところかね』

『えっへん』

大変です神様に囲まれていました。

『あの……平伏とかって』

『しなくていい、お前はあたしの眷属でもないしねぇ。堅苦しいのは嫌だよ』

『名無は竜じゃないからいいネ』

自分の血族の中にいない人に権威を押し付けないのは10万年後の常識みたいだ……みんな同じことを言っているし……

『早く仙桃食べて力つけてラオに牙をぶつけるネ』

『今更なんですけど……神様に牙投げて天罰とか下りませんか』

『そんなことしないさ、諦めたら当てるけど』

『それなら大丈夫ですね』

僕が諦める理由なんてない、できるまでやるだけだ。

『ほら、早く食べるネ』

『は、はい』

なんだかグイグイくるなあ……この桃って何か効果あったりするのかな……

『いただきます……』

『しっかり食べるネ』

すごい、果肉がふわふわしてる……それなのに果汁は口からあふれんばかりに溢れ出る……何よりこの甘さは疲れた身体に染み渡るなあ。

『食べたネ?』

え?なにその顔、罠にかかった獲物を見るような……

『ふんっ!!』

指を噛んだ!? どうしてそんなことを!?

『そしてこうネ!!』

『むぐっ!?』

僕の口に指を突っ込んできた!?

『はふはんほほひへほんはほほほ!?(パクさんどうしてこんなことを!?)』

『なに言ってるかわからないネ』

くそ……一旦飲み込まないと……!!

「ごくん」

『飲んだネ、これで蓬莱山の食べ物となりかけとはいっても竜の神の血が入った』

『あーあ、どうするんだい。帰れなくなったら誰が面倒見るってんだい』

『私が見るネ。でも大丈夫、名無はやれるから』

帰れなくなる? 面倒を見る? なんの話だろう。

『説明してやんな、パクが何をしたのかをさ』

『簡単に言うと名無は今から1日で蓬莱山から出られなくなるネ』

『え?』

なんで……血と食べ物でなんでそんなことに……!?

仙界隠レン・キシィアン)という術ネ。ここの食べ物とここの血を得たものは蓬莱山に縛られる。その前にここを出ることネ、名無は追い込まれた方が力出る型の人と見たからやってみたよ』

『パクさん……!?』

ありがた迷惑というか信頼が重いっていうか……1日でなんとかしなきゃいけないのか……!?

『あわわわわ!? どうしようどうしよう!?』

『慌てなくても大丈夫ネ、ここに縛られるってことはここの生き物になるってことネ。つまり少しずつ名無の体は竜になるネ、そしたらすぐラオに傷つけられるようになる』

身体が竜になる!? 何その人体実験じみた効果!?

ちょっとカッコいいと思っちゃったよ!?

『ほら、もう鱗が……いやいやいくらなんでも早すぎネ』

『そりゃそうだろうさ、こいつの中には2つ分の神の力が入ってんだ。それを養分にした日にはあっという間に竜になっちまうだろうね、もしかしたら龍になるかもしれないねえ』

『え、どうしようラオ!? こんなことになるなんて思てなかたよ!』

『ま、諦めな。もう止まらないよ』

どんどん身体が作りかえられていく……痛みはないけど……へんな……かんじが……する……








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