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10万年後の恐ろしい竜

「ここが……蓬莱かぁ」

 飲み慣れないお酒にびっくりした後に僕の送別会兼祝勝会は速やかに行われた。それからあれよあれよと言う間に籠に乗せられたと思ったら山の麓に送り届けられてしまった。

「フミさんが言うにはまっすぐ進めば竜の人が勝手にちょっかいかけてくるって言ってたけど……ちょっかいの方向性によっては僕は即死しそうなのが怖いなあ……」

 竜だもんなあ……全身焼かれたりしたら僕は死んじゃうもんなあ……なんかふつうに竜の人って思ってたけどドラゴンってことだよね……? 10万年という時間はファンタジーも超越しちゃったのか……時間の流れってすごい……

「こっちかな?」

 とりあえず目の前にある獣道らしきものを進んでみることにしよう、食料は蜜千代さんの蜂蜜で十分らしいし……行けるところまで行ってみようかな

「……と、思っていたら……すっかり遭難してしまったわけで……」

 懐かしいなあ、燕間さんの案内で行ったときもこんな感じだったっけ……あれから色々あったなあ……と言っても僕は巻き込まれただけだったけど……今更だけどデリさんと燕間さんは大丈夫かなあ、できるだけ早く帰ろうとは思っているけど……

「あ、ちょうどいい木の根っこがある。少し休もうかな」

 山道というのは思った以上に疲れるなあ……息が切れてきちゃった……喉も渇いたけど……水分も蜂蜜で取れってことなのかな……そうなると僕のハニージャンキー化が止まらないような……

「ん? 地震?」

 揺れている……そうだよね地球だもん。地震の1つや2つあるよね。

「ぼふぁあああ……ぐるるるる」

 変な音がするなあ、木々の間の風ってこんな風に聞こえるんだ……

「いや違うよね、だって木の根っこ動いてるし……なんか生暖かい風が吹いてきてるもん」

 振り向きたくないなあ……でも振り向かないと攻撃されるかもだしなあ……

「ええい……勇気だ!!」

 思い切って振り向いてみた……そして僕はそのことを後悔した。

「うわあああああああああああ!? ティラノサウルスだあああああああ!?」

 そこには図鑑とかで見るようなティラノサウルスが立っていた。

「うわあああああああああああああああ!!?」

 全力で走る、なんで待ってくれていたかは知らないけど今のうちに少しでも距離を稼いでおかないとぱっくりいかれてしまう……!!

「グウウウウガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 恐ろしい声だ……声も聞いてない状態で恐竜って名付けた人に拍手したいくらい……!! でも爬虫類って鳴くんだっけ……? 

「え? 遅い……?」

 振り向いて位置を確認したら僕が居た位置からほぼ動いていない、ゆっくりとした動作でゆっくりと近づいては来ているけど……もしかして走れないの?

「良かった……これなら逃げ切れそうだ……」

「グゲエエエエエエエ!!」

 え? ティラノサウルスの背中に翼? よく見たら身体の大きさの3分の1くらいはたたんだ翼で膨らんでいたみたいだ……翼があるってことは……

「やっぱり飛んだあああああああああ!?」

 どっちかと言えば鳥じゃん!? 恐竜って爬虫類じゃないの!?

「今はそんなこと考えてる場合じゃない!! 身を隠さなきゃ」

 どこだ……どこに……周りは木だらけ……隠れる場所なんてない……このままじゃ……食べられる……!!

「グガアアアアアアアアアア!!!!」

 木をなぎ倒しながらどんどん近づいて来てる……!! 走れ走れ走れ、少しでも遠くに少しでも離れなきゃ……!!

「ダメだ……あっちの方が速い……!!」

 それでも……足は止めるな……諦めるな……僕はここに何をしにきたんだ……死にに来たわけじゃないだろう!!

「あっ……!?」

 足がもつれた……転んでしまう……ここで転んだら終わりだ……

「あああああああああああああああああ!!!」

 ギリギリで持ちこたえた、まだ走れる、まだ動ける、まだ大丈夫……!!

「ピャアアアアア!!」

 うそ……でしょ……小型の恐竜が……進行方向に……挟み撃ち……そんな……

「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 追いつかれた……顎が……迫って……!!

「くっそう……デリさん……燕間さん……ごめんなさい」 

『ん~、少し足りないかもだけど1人で来たことと若さからおまけしてあげるネ』

 声がした……ここには僕しか居ない……あとは恐竜しか……!?

『ようこそ蓬莱山へ、竜の言葉は分からないかもだけど里に行けば共通語できる偉い人いるから安心して欲しいネ』

『え?』

 後ろを振り向くと翼ティラノサウルスが牙を剥いて笑っていた。

『喋ってます?』

『もちろんネ……あれ?』

 静寂があった、でもそれは一瞬のことで……

『うええええええええええええええええええええ!? ティラノサウルスが喋ったああああああああああああああ!?』

『あいやあああああああああ!? 迷い人が竜の言葉喋ってるネ!?』

 僕が喋ったことで驚いていた人たちの気持ちが今分かりました。






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