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10万年後のサプライズパーティ 7

『おのれ……まだ現世に残っていたか……荒覇吐(あらはばき)……忌々しき神よ!!』

あらはばきって誰!? 僕の名前!?

『ちげえヨ、こいつらが伝え間違っただけだ。眷属のくせにいただく神の名すら覚えちゃいねえのさ。まあ、不出来な奴ほど可愛いってのもあるけどナ』

アバ姉さんのこと? じゃあ何とかしてよ!! 僕の責任じゃないじゃん!!

『三宝に触れた今なら分かるのじゃ……中にいるな……引きずりだして斬り捨ててくれる!!』

『フミさんちょっと待って!!』

『いいや、聞く耳などとうに腐り落ちたのじゃあ!!』

僕は抵抗できない……でもこのままだとフミさんがバッタに食べられてしまう……!

『落ち着け』

『ふぎゃ……!?』

痛そう……あんなに綺麗な拳骨は初めて見た。まさかくがねさんが止めてくれるとは……

『そいつも被害者だ。自分から荒覇吐に心臓食わせる奴がいるかよ』

『むう……それは確かにそうじゃの……この国の者でもないのに荒覇吐のことを知ることもできないか……逸ったようじゃ……すまん』

良かった、フミさんは止まってくれた。でもここからアバ姉さんのことを聞かれるとまずいような……

『というかだな、心臓を引き抜いた四守が今ああなってるんだよ。お前でもタダじゃすまねえぞ、あれはもう神話の災害に近い』

『……荒覇吐の国食いか……それは困るな、喰われるつもりはないのじゃが……神の力は何を起こすか分からんのじゃ……』

アバ姉さんの国食い……やったこと大体分かるけどそれが本当だったら祟り神……それも国を傾けるレベルの大災厄だったんじゃ……

『そんなに褒めるなヨ…照れるぜ』

あ、これはアバ姉さんがやったで確定だ。多分全部食い散らかしたんだろうなあ。

『しかし……故意でないにしろ荒覇吐を放っておくわけには……いやそうじゃのう……むしろ都合はいいのか……』

フミさんがブツブツ言ってる……怖い……

『うん、お主は旅人じゃったな? であればいつでも首は落とせる。そしてお主はすこぶる弱い……誰かに害なすこともないじゃろう……条件付きで不問とするのじゃ』

弱さがプラスに働くときが来るなんて思ってもみなかった……ん? 条件?

『あの……条件って……?』

『ああ、簡単じゃよ。首輪にすこうしばかり細工をするだけじゃ』

『……細工……ですか……それはどんな……』

『国に仇なす者とみなした瞬間にお主の心臓が止まる呪いじゃな』

『ええ!?』

即死の呪いをかけられるってこと……かあ……でもかけられないとこの場で斬られそうだし……

『それが嫌なら一生を地下牢で……』

『やります……それでフミさんの気がすむのなら……』

一生地下牢はもっと嫌だ!! それでここが収まるのなら甘んじて受けよう……

『待ってください史廻様!! まぼろしさんではなくえんまが代わりに……!!』

『残念じゃが、お主にかけてもなんの意味もないのじゃ……それにお主はもうついては行けまい? 羽なしで光なしのお主はもう旅なぞできぬと思うが……』

え? 今なんて? 燕間さんがもう旅ができない?

『フミさん……燕間さんはもう旅ができないんですか……!?』

『蜻蛉が羽を裂かれたのじゃ……四肢をもがれたのと一緒よ……そんな状態で旅などできようはずもない』

そんな……治るんじゃ……!?

『羽は治らないんですか……』

『お主は腕が切り落とされた後から生えてくると思うか? 竜の者ならばそのようなこともあるというが……蜻蛉の羽がそのように戻ったなどという話は聞いたことがないのじゃ』

そんな……そんなことって……

『燕間さん……』

『史廻様の言う通りです……今のえんまには最後に残った強ささえ無くなりました……能無しの役立たずです……最後に身代わりにと思いましたが……それも叶わぬようです……申し訳ありません』

燕間さん……本当にダメなのか……燕間さんを空に連れて行った僕がここで諦めていいのか……何か……何か……ないのか……

『……なくてもいい……燕間さんは僕たちの仲間だから……羽がなくなったくらいで置いて行ったりしない』

『まぼろしさん……情けは無用です。今のえんまにはなんの価値もありません……まぼろしさんの隣にはまだ仲間がいるではありませんか……えんまはここまでです』

そうだ、デリさんにも聞いてみよう……そうしたら僕以上の妙案があるかもしれない。

「燕間さんがもう置いていけって……羽もなくなったから役立たずだって……デリさんはどう思う……?」

「はぁ?」

え? デリさん怒ってる……?

「羽がないから置いてけ……? ふざけんな!!」

あれは……僕が意識を持っていかれたビンタ……ボロボロなのに……

「言ったことは全部嘘なの!? 擦り切れるまでやるって言ったでしょう!! それが何だ……羽がないくらいで離れるなら最初から来なければ良かったんだ!! 君には私と燕間しかいないんだ!! それ以外は誰もいないんだよ!! 戦えないくらいで君から勝手に奪うな!! 私達が離れていいのは君からいらないって言われたときだけなんだよ!! このバカ!!」

『く……言わせておけば……えんまだって行きたいに決まってます!! でも足手まといになりたくないんですよ!! そんな風にしかなれないのが分かっているのにどんな顔してついていけば良いんですか!! どれだけ辛いか分かりもしないくせに!!』

あわわわわ……えらいこっちゃ……どうしよう……つかみ合いの喧嘩になっちゃった……下手に介入したらぶっ飛ばされるし…ここでもスペックの低さか……

「何言ってんのか分かんない!!」

『羽がないんだから音出せるわけないでしょう!!』

せめて話をできる状態に……そうか……分かった……必要なのは勇気だ。

「ええいっ!!」

そう

「うっ!?」

巻き込まれて殴られる勇気だけだ……ほら……2人ともこっちを見てる……喧嘩が……止まった……

「けんかは……だめだよ……」

「うわあああああああ死なないで!!」

『まぼろしさああああああん!!』

身体を……はった……かいが……あった……なあ……


ブックマーク100件になりました。ありがとうございます。評価は非常に励みになります。拙作ですがどうかこれからもお付き合いください。

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