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10万年後のサプライズパーティ 2

 僕の目では追えないなりにすごい戦いだってことはわかった、体に宙に浮かせながら槍で猛攻を仕掛ける忠勝さんにどっしりと構えて迎え撃つ宗茂さん。きっと一挙手一投足に技術が詰め込まれているんだろう。

『ふむ、そろそろ肩慣らしが終わる頃かの』

『お父様の本気なんて……聞いたことしかない……今は聞く以上に分かります』

 今ので肩慣らしだとしたら僕にはとてもとてもついていけない、今だって精一杯なのに……

『随分と槍が軽くなったな……お前の日輪号も腕も錆びついたか』

『そういうお前は重くなったな? 鈍重が過ぎるのではないか、振るう雷斬が泣いているぞ』

 少し離れて向かい合ったところで二人の動きが止まった、距離を取ったら槍を持った忠勝さんの方が有利だと思うけど……

『……ここは隔絶された場所だと虫皇様から聞いている。であれば気兼ねはいるまい……音に聞こえし天の神鳴りよ……今一度我が雷斬に宿るがいい』

 ……え? 雷が……刀に落ちて……刀に電気が……何あれ……刀っていうよりもうビーム○ーべルかライト○イバーに近いような……何にせよ……すごくかっこいい……!!

『ようやく本領を発揮する気になったらしいな。わが身は勝利の栄光なり、天道よ我が槍を照らせ」

 うわああああ!!! 槍がこう……変形して十文字になった……そこから橙色に光るなんて……ずるい……そんなのかっこいいに決まっている!!

『やあやあ我こそは……一守宗茂なり!! 我が忠義と雷斬にかけて……貴様を討つ』

『ふん……律儀な奴だ。我こそは六守忠勝……譲れぬ意地を通すためお前に敗北を贈ろう』

 一瞬でその場は静まり返った、戦闘の余波で荒れていた湖さえ今は波紋一つない。まるで世界から音が消え去ってしまったかのような錯覚に陥るほどだった。

「……ごくり」

 思わず唾をのむ、緊張感で張りつめていたその空間が壊れるのは唐突だった。

『はあああああああああああああああ!!!!』

『しゃああああああああああああああ!!!!』

 二人の中心で大きな火花が散る、あんな武器で打ち合ったらそうなるに決まってる。僕の目はその光にて堪えられず目をつむってしまった。

『ぬおおおおおおおおおおおお!!!』

『うぐぁああああああああああ!!!』

 目を開けた時には二人はつばぜり合いの状態になっていた。一合目は互角だったようだ、でも押し合いになったら宗茂さんの方に分があるように見えるけどどうして拮抗しているんだろう……あんなに体のサイズが違うのに。

「まぼろしさん、蜻蛉の動きのほとんどは羽によるものです。それはつまり羽の力だけならば他の何物にも劣らないということなのです。今の状態拮抗というよりもお父様が正面からの押し合いに少しずつ横の動きを入れることで力を受け流しているのです。ですが……一守様の膂力はそれでも長く耐えられるようなものではありません、加えてあの獲物です合わせているだけで体に雷が流れていることでしょう」

 そうか……槍も金属か……打ち合うだけで自分にまで流れてきてしまう……なんて武器だ……

「しかし、それならお父様の持つ日輪号も同じようなもの。その熱は着実に一守様を蝕んでいるでしょう」

「……ねえ……ちょっと隠れさせて……」

 デリさんが僕の背に隠れるようにしている……どうしたんだろう……もしかして……

「デリさん……雷怖いの?」

「み……水の民ならみんなあれは怖いわ……あんなのいきなり降ってきていきなり死んじゃうんだから……神の怒りだって言われてるんだから……」

 水の中にいると余計に被害が大きくなるのかな……海水は電気をよく通すのかも……確かに雷は怖いよ……避けることもできないし……あれ? さっき宗茂さんは雷を呼んでいたような……それがいつでもできるとしたらそれはもう勝ち目なんて……

『前言を撤回する、錆びついてなどいないな……類まれなる強者には敬意を表して全力で当たらねば……な!!』

 宗茂さんが力で無理やり弾いてそれで上がった刀を空に向けた? これじゃ隙だらけなんじゃ……

『自慢の羽力で避けてみるがいい』

 刀めがけてまた雷が!? でもそれじゃあ宗茂さんが一番に当たるんじゃ……違う……受けた雷を刀から忠勝さんめがけて飛ばしている……!!

『これぞ荒御雷あらみかづちよ』

 閃光が空気を焼きながら迫っていく、いくらなんでもこんなのってデタラメすぎる……どうしようも……ないじゃないか……

『舐められたものだな……蜻蛉を甘く見たことがお前の敗因よ』

 避け……てない!? 閃光に向かってる!?

『雷が身を焼くよりも早く穿てばいいだけのこと……輝け我が日輪!!』

 一層光を放つ槍と同化するかのように一本の光の筋となって閃光へと突っ込んでいった。そんなの無事で済むわけ……

『うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』

 忠勝さんの雄たけびとともに光がさく裂しあたりは真っ白となった。




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