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10万年後も失われたものは戻らない、戻るのはもとより失われていないもの

『お前……いったい何者だ?』

 凄い剣幕で近づいてきた……なにか怒らせるようなことをしてしまったのかも……

『俺がハードモードでやってる中で女二人侍らせやがって!! 羨ましいぞ畜生……!!』

『え?』

 ハードモード……? いったい何の話を……?

『転生先で希少種って言ったら強くて無双できると思うだろ? なのに言葉は通じねえし、力を使いこなすのに時間かかるしで大変だったんだぞ!! それを……お前は……俺がここまで来るのにどれくらいかかったか……!!』

 何を言って……あれ……こんな感じ……知ってるような……ペスカさんの時と同じみたい……

『あの……もしかして……転生者の方ですか?』

『あったりめえだろうが!! 異世界転生だろ、お前もそうだろうが……』

 当たり前なんだ……もしかして思った以上に転生者っているのか……またこの人も異世界だなんだって……ここは地球なのに……

『あの……僕はコールドスリープで10万年後に来てしまって……ここは地球ですよ?』

『は? え、ちょ……は? いや、そんなわけ……嘘だろ……』

 仮面の裏で酷く動揺するのが分かる。いきなりこんなことを言われたら誰だって驚いてしまうだろう。

『考えてもみてください、僕が会ったのは一部の人ですが空手みたいなことしてる人もいましたし。刀だってありました。名前だってここの人たちなんか特に日本っぽいじゃないですか。まるで違う世界にそんな偶然ありますか?」

『いや……まあ……言われてみれば……ここの王は虫皇だし……なんなら一守とかの仕組みだって……おいおいおいおいおい……マジかよ……』

『心中お察しします……僕の知ってるもう一人の転生者の方も同じように驚いていました……』

『もう……一人? 誰だそいつ、1回会って話をしたい』

 仲間のことを知りたいのは当然だね、個人情報の保護的にアレかもだけど大丈夫だよねきっと。

『海のほうの鯨を狩る村にいるペスカさんというチョウチンアンコウの人です』

『ペスカ……聞いたことねえが……分かった……いずれそいつとも話しなきゃな……』

『あの……長?』

 あ、占いの人が不安そうだ。聞いたことのない話を目の前でされたら戸惑うものだよね。

『……むらさき。さっき聞いたことは口外するな……いいな?』

『は……はい』

『よし、こいつらの相手は俺がするからお前は行って良いぞ』

 あ、走って行ってしまった。まだお礼を言えてないのに……

『で? 俺たちに会わないと死ぬって? いったい何をやらかしたんだ? 殺しか盗みか、はたまた国家転覆罪か?』

『実は23番目の皇子様を殺した犯人を探しているんです、僕たちがやったことにされてしまって……』

『は? 23番目……って……あいつだよな……殺された……? いやいや……そんなことあるわけ……どうやったらあいつ殺せんだよ……馬鹿みたいに強いんだぞ』

 馬鹿みたいに強い……? フミさんが……そんなに強いようには見えなかったけど……だって燕間さんにも軽く捻られてたような……いや今は凶器の話をしなきゃ……

『それで凶器の槍が見つからなくて……術者の人たちを探ってみたら良いと李気さんから……』

 あ、また名前を言ってしまった……ダメだな……情報の大切さは知ってるはずなのに……ついぺらぺらと……

『槍……槍ねえ……その槍ってこんな感じか?』

 蝶の長の人の手にぶわっと鱗粉が集まるように槍が出てきた……どうなっているんだろう……10万年後の謎技術はやっぱり凄い。

『はっきりとは覚えていないんですけど……そんな感じだったような……?』

『ああ、それならこの槍だろうな。印象に残らない、記憶にも残らない、それでもって証拠にも残らないっていうコンセプトで作った魔法だ。くがね様特製の暗殺槍って感じだな』

 くがねさん……なんてものを……それよりも……魔法……? 魔法って言った?

『あの……魔法って?』

『あ? 魔法も知らねえでここまで来たのか。まああれだ、専門的な話をしても分からねえだろうからかいつまんで話すと……自分の中にある力で周りの環境を変化させる力だよ』

 ……化学反応みたいな?

『分かんねえな? それでいい、これは分かる奴には分かるし。分からない奴には一生かかっても分からない類の話だからな』

 特殊な分野なんだなあ……ん? くがねさん特製の槍ってことはこの人が犯人なんじゃ……

『あなたが犯人です!!』

『ぐぬぬ……どうして分かった!? じゃねえよ、なんでわざわざ俺が皇子殺さなきゃならねえんだよ』

 だって……それ以外ないし……

『言っとくけどな、これで本当に人が殺せるわけねえだろ。暗殺槍と言ったけどよ……これ威力ねえんだわ。ほら』

 自分に槍を!?

『ご覧の通り刺さってもダメージなんてありゃしねえ、あるっちゃあるが……まあ蚊に刺された程度だ。だからこれは槍に気を取られたやつを後ろから刺して殺すために使うんだよ』

 え?それじゃあ……フミさんはどうして死んだんだろう……槍で死んだんじゃないとすると……いったいなにで……?

『ん? ああ……何かお前死んだみたいなんだが? あ? 今から説明する? 少し待ってろってお前……お前の少しってかなり幅がっておい切りやがったな!!』

 いきなりくがねさんが一人言を言い始めた、なんか携帯電話で話してるみたいな……

『……なんか今から来るらしい……待ってろってよ』

 







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