表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/191

10万年後は魚が歩く 3

 村長さんの家は完全に水上にあって家の中に水路が通っていた、デリさんから下りて歩いて行くとおっきな扉がある。

「この先に村長がいるよ」

 そういってデリさんが扉を空けてくれた。

「ぬうん!!よく来たな!!」

 待って待って待って、恐ろしいにも程がある。カタツムリみたいな殻から出ている身体は筋骨隆々だし腕は4本あるしなによりでかい!!

「あわわわわ……!!」

「そんちょー!!おっかないんだからもうちょっと縮んでよ!!」

「ぬ?そうか……申し訳ない……少しばかり塩を舐めるとしよう」

 塩?壺みたいなものからすくいとって食べた。

「しょっぱ……!!」

 あ、しょっぱいんだ。

「ぐぬぬ……!!」

 身体が縮んでいく、カタツムリっていうよりもナメクジっぽいんだね。

「ふぅ……これで良いか?」

「うん、それくらいなら良いよ」

 人間大までに縮んでしまった。これならまだ良いかも。

「それでだ、お前がデリが連れてきたという者だな?」

「は、はい」

 手を差し出された。ちょっとぬめってるけど握った方がいいのかな?

「えいっ……」

「むぅ……熱い……!?」

 あれ?僕熱でもあるのかな?

「確かにこの体温は水の民ではないな、そして尻尾もなければ羽根もない。お前はいったい何者なのだ?」

「えっと……人間だとおもいますけど……」

「にんげん……にんげん……か。確か神話の中にそんな存在が語られていたような……?」

 村長さんが手を叩くと上から何かが振ってきた。

「お呼びでしょうか、なんなりと」

 こっちも貝みたいな……あさりかな?

「祭祀長のお前ならにんげんについてなにか知っているのではないか?」

「おお、左様でございますか。然らば私が蔵書を紐解いてご覧にいれましょう」

 物知り博士みたいなものなのかな?

「おお、ありましたぞ。にんげんとは……!?」

「どうした……何か不吉なことでも書かれていたか」

「い、いえ……にんげんとは……突如としてあらわれ……その……災厄を振りまく……悪魔だと」

 あれ?もしかして、これは処刑される流れなのではないでしょうか。こういうときって何かする前に殺してしまうのがパターンだと思う。

「記述はそれだけか」

「そうなのですが……別の時代の記述では世界を救った英雄であると書かれておりまして……いったいどちらを信じていいのか……」

 どういうことなんだろう。人間はかなり前に滅んでいると思うんだけど……それが違う時代の歴史書に書かれていて記述が違う。それも正反対の書かれ方?でもまあ歴史ってそういうものらしいし。

「ふむ……どうしたものか……悪魔ならばこの場で首を落としてしまえばいいが……」

「ひいっ!?」

 勝てる気がしない、というか抵抗すらできる気がしない。

「こ、こここ、殺されるんですか……!?」

「ふむ、どうしたものか……ん?お前が持っているものはなんだ?」

 今の僕が持っているものなんて……服ともらったお守りくらいしか。

「これ……ですか……?」

 ただの緑アンモナイトにしか見えないんだけど。

「それはっ!?」

「え?え!?」

 凄い勢いで詰め寄られた。こんな風に動いて攻撃されるんだったら痛いと思う前に刈られそうだな……死にたくないなあ……。

「お前の処分を決定する」

「ひゃ、ひゃい!!」

 身体が震える、死ぬか生きるかがここで決まる。できれば見逃してもらえるといいなあ。

「保留!!」

 決まらなかった。

「海神の加護があるものを水の民が勝手に裁くことは許されない。お前が正義から逸脱したならば海神が直々にお前を裁くだろう」

 んん?どういうこと?

「お咎めなしってことだよ。良かったね!!」

 デリさんに言われてようやく事態を理解する。

「あれっ……?」

 足から力が抜けた。全然動けない。

「あ、はははははは。立てないや……」

 腰が抜けるってこういうことなんだ……初めてだ。

「もー!!村長があんまり脅かすから!!」

「い、いや。これが役目だからだな……」

「もっとほんわかできないの!!」

「ええ……ぬう……善処しよう……」

「まったくもう!!」

 ざっぱーんという音と一緒にデリさんが僕の隣に降り立った。ん?ちょっと待って?降り立った?足はヒレなのに?

「え?足が?ある?」

 デリさんのヒレが左右に展開されて足の様になっていた。は?なに?どうなってるのそれ?お魚さんだと思ってたけど違うの?

「ん?足?あるよそりゃあ。ただの魚とはちがうんだよ?」

 ますます分からない……魚が2足歩行する必要なんてないはずなのに……10万年ってすごい……いったい地球に何があったんだろう。

「それじゃあ私の家につれてくね」

「えっ?」

 ひょいと僕の身体が宙に浮く。それがデリさんに投げられたからだということに気づくのに少しかかった。

「わったったった!?」

「背中に乗せてくから暴れないでね?」

 水路に落ちる前にデリさんが僕を背中に乗せてくれた。

「じゃあ、しゅっぱーつ!!」

 






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ