#5 ギルド入団
文章評価とストーリー評価ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!
※誤字修正しました。申し訳ありません。以後、気をつけます。
「いやいやいや、コイツと仲間って冗談だよな?冗談なんだよな?冗談って言え」
すると、カイルも同じように
「俺もお前と仲間なんて死んでもごめんだ」
なんてことを言うから、クレアは喧嘩したのかと思ったらしく
「もー、いきなり喧嘩はじめないでよ...」
といった。まあ、クレアがこれを言わなかったら喧嘩してたな。
カイルはクレアの仲裁を受け止めたのか、その場を離れた。カイルが帰ったから俺たちも武具屋に戻ることにした。
武具屋に戻ると、店長さんが何かを作っていた。それに気づいた俺は店長さんに問いかける。
「何作ってんの?」
「その剣の鞘を作ってる。」
「なんでいきなり....前までこのままおいてたよな?」
「これから必要となるからだ」
「ふーん、店長さん旅にでも出るの?」
「この剣は転生者しか能力を引き出せないんだ。だから、この剣にふさわしい転生者を探してた.....」
店長さんは俺が持っていた剣を完成した鞘に入れた。
「この剣はお前に託すことにした。」
「....は!?いやいや、こんな大層なものを俺が貰っていいのか?転生者なら他にもいるだろ?」
「お前に渡したいんだ。お前は他の転生者とは違った。ほとんどの転生者が、魔獣襲撃のときは一人で逃げていた。たまに助ける選択肢をした転生者もいた。だが、そいつらは自分も助かるような選択ばかりだ。町の危険度は変わらない。それで家をなくした者もいた。けど、お前は命を惜しまずに魔獣に挑んだ。お前なら、この剣を正しいことに使ってくれると思った。だから、お前にこの剣を渡したいんだ。」
「いや、でも.....」
多分俺は、店長さんが思っているような正義感の溢れる人間じゃない、もちろん抵抗がある。けど、店長さんの方が抵抗はあっただろう。相当迷ったはずだ。それでも俺を選んでくれた。だから俺は、この店長さんの選択を無駄にしてはいけないと思った。
「わかった、ありがたく使わせてもらうよ!」
「良かったじゃん!アベル!」
「あぁ!」
今からこれが、俺の剣...!
すると、何かに気づいたクレアは俺に何か言いたげな様子で俺を見つめる。
「....ど、どうしました?クレアさん。」
「いやーもう暗くなってきましたけど、アベルさんはどこで寝泊まりするおつもりなのかと」
「.......あ。」
全然考えてなかった。クレアが家に泊めてくれたら万々歳だけど、男が泊まるのはまずいしなぁ。宿行けばいいか.....あ、金無いな。宿の無料提供とかしてるとこないかなー?
俺はその場で考え込む。するとクレアが1つの提案をしてきた。
「あ、そうだ。私達のギルドに泊まる?」
「え?」
ギルド?そんなにスケールでかいの?普通に少人数の集まりかと思ってたな。まあ、宿を探さなくてもよくなったのはありがたいな。けど、1つ疑問に思っている。
「本当に俺が泊まってもいいのか?カイルとかカイルみたいな人と俺が会ったらまずいんじゃないか?」
「大丈夫よ。転生者を嫌ってるのカイルだけだし、他にもいたとしても皆自分の家に戻るから。」
「それなら大丈夫か。」
俺たちはギルドに着いた。しかし、俺の目の前にある建物は小さく、ツタが張り付いているような建物でかなり古そうだった。まあ、言うまでもなくちょっとボロい。そして、1つ気づいたことがある。
「ここって昨日クレアが気絶した俺を連れてき場所だよな?」
「そうだけど?」
「てっきりクレアの家だったのかと」
「さすがに私はもっと綺麗なとこに住んでるわよ」
そんな会話をしながら、俺はクレアに案内された。そして、他の部屋よりも少し広い部屋に着いた。するとそこには、1人だけの人影があった。それは子供っぽい女の子だった。
「なあクレア、あの子供....まさかギルドのメンバーとか言わないよな?」
「まさかも何もあの子はギルドメンバーよ?」
「マジか....」
まさか、ギルドってガキの溜まり場のことを言って無いだろうな?
すると、座っていた女の子が口を開いた。
「わしは子供ではない。わしの名前はサディ、このギルドの頭脳となっている賢者じゃ。」
「子供じゃないってのはまだ信じられないけど....俺はアベル、今日からこのギルドのメンバーになるのでよろしく。」
俺は手を差し出す。そして、サディが俺の手を握った。
「まあ、わからないことがあればなんでも聞いておくれ。」
「ああ!」
すると、クレアが何か思いついたようだった。
「サディって人のステータス見れたよね?」
ん?ステータス?を見る?
「ああ見れるぞ?能力の名前、能力の効果、使える魔法とかいろいろ」
見れんの!?
「いやー、ちょっとアベルのステータスを見てもらおうかなと思って。」
確かにそれで俺の能力の有無とか、能力が何なのかがわかるな。
「別に構わんぞ?」
「じゃあお願いしようかな」
サディは快く?OKしてくれた。
「じゃあいくぞ?パラメーター!」
前から思ってたけど、この世界の魔法の名前って単純なやつ多いな。俺でも使えそうって思える。特に今の。
サディの前にスマホの画面だけのようなものが浮いている。
こうゆうところさすが異世界!って感じだよなー。
「ほれ、こっちにこい。お前にも見せてやろう。」
俺はサディの前にある画面を見る。
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転生者 アベル
能力
グレードアップ・・・身体能力を5段階にアップさせる。
グレード1 通常 使用魔力 0
グレード2 1.5倍 使用魔力 25
グレード3 3.0倍 使用魔力 50
グレード4 6.0倍 使用魔力 75
グレード5 12.0倍 使用魔力 100
魔法
なし
魔力残量 52/53
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「これが俺の能力か....ん?ステータスって言ってたよな?HPとかAPとかって無いの?」
「ゲームじゃないんだからあるわけがなかろう。」
「なんでもありの異世界のくせに」
「お前からして異世界でもこっちからしたら普通の世界じゃ」
本当によくわかんねえな...この世界。
「けど、俺の能力って結構アタリじゃね?グレード5なんて身体能力12倍だからなー♪」
「転生者じゃなくても使えるやつは使えるから、どちらかと言えばハズレじゃ」
「ウソやん.......」
「それに、その分魔力を使うと言うことも忘れては駄目じゃ。魔法とかも使うようになると、この魔力じゃバトルなんてできん」
「あー、そうだな。今の俺にはグレード3くらいが限界...」
「魔力をギリギリまで使うことはあまりオススメしないのじゃ」
「じゃあグレード2くらいか…てか、アップグレードじゃなくてグレードアップなんだな、この世界。」
「......」
「ん?どうした?」
サディは何か言いたげに俺の方を見ている。
「....なんだよ。」
「今の凄かったじゃろ?」
「え?まあ...」
サディは俺の反応を見て安心したのか、
「これがわしの力じゃ!」ドヤッ
いきなりドヤった。ドヤ顔で胸を張って言っているが...え、なに?コイツもなの?コイツも転生者なの?そうゆう能力が使える転生者でした的なそんな感じのオチなの?
「サディは転生者じゃないのに、周りの人には使えないあの魔法を手に入れたの。そこは素直に凄いと思えるでしょ?」
「え、転生者じゃないのか?」
クレアが言うには、サディは転生者じゃないのに、転生者で言う「能力」、正しく言うとサディのユニークスキルと言えるものを自力で手に入れたということらしい。
「サディって実は結構凄いんだな」
「そうじゃろ?もっと褒めるがよい♪」
「サディは本当に凄いよな」
「....やめておくれ、恥ずかしい///」
「褒めろって言ったの誰だよ...」
まあ、何となくサディのことも俺の能力のこともわかった。ギルドメンバーはあとどれくらいだろうか。
「なあクレア」
「なに?」
「ギルドメンバーって、俺合わせて何人くらい?」
「アベルを合わせたら5人よ」
俺がイメージしてた人数より50人くらい少ない!?
「えーっと、俺とクレアとカイルとサディ、あと1人は誰なんだ?」
そう言うと部屋の入り口にあるドアが開いた。そこから武具屋の店長さんが入ってきた。あとカイル。
「あ、最後の1人来たわよ」
「え!?最後の1人って店長さんだったのか!?」
魔法使い(強)と鍛冶屋、賢者に....あと1人はノーコメントとして、そこに転生者(弱)だろ?
「凄いパーティーだな。」
「ギルドね」
「はぁ、この人数でギルドねぇ....」
「まあ、この規模だとパーティーって言いたくなるのはわからなくもないけど、まあ気にしないで。」
「気にするわ!」
「こほん、まあ改めて、ギルド入団おめでとう!これからよろしくね♪」
クレアは、俺の前に手を差し出す。俺はその手を握りこう言った。
「ああ!俺からも改めて言わせてもらう。こんな能力の使い方もよく知らないクソ転生者だけどこのパーティーに入れてくれてありがとう!これからよろしく頼む!」
「ギルドね。」