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Black sweet ・Canelé
ブラック・スゥイート・Canelé カヌレ
第2巻 届かない願い 後編
latter part Notice
僕は、恵美が本当に愛した人と出会った。 北城 響音、 彼はもうこの世にはいない。だが彼の強い想いは、生きていた。
彼の母親と、先生、北城頼斗の父、彼、響音さんはこの人たちの心の想いの中に、今も生きている。
僕は、響音さんの家族に出会い、響音さんの存在が僕にとっても大切な存在になった。
恵美の奏でるアルトサックスの音色は、響音さんの声だった。
彼女はその声を確かめるかの様に、そして彼の想いを忘れないために、あの河川敷でアルトサックスを奏でている。
最愛の人との永遠の別れ。
恵美は、北城響音を愛していた。
いや、今も彼を愛しているだろう。
でもその人は恵美の前には二度と現れることはない。ただ、彼女の想いのなかで生き続けている。
僕にとって恵美といるあの町は、特別な町となった。ある覚悟を持って。
その覚悟は、僕には辛いものになるだろう。
僕の妖精だった彼女、恵美は、僕の大切な女性となり、彼女に対する僕の想いは大きく変化する。
恵美を最愛の女性として愛するために。




