表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/369

6-11 要普通免許

「人はどういう場合に他人を拒絶するのか?」


 その答えを端的にいえば、「その相手と関わってもメリットがない、あるいは、関わるとデメリットがあると見込まれる場合」だ。

 要するに、「そいつと関わってもロクなことがないだろうから、最初からお断り」ってわけだ。


 そんでもって、そう思うのには2つのケースがある。


 ひとつ目は「相手を低く評価しているケース」だ。

 たとえば、平日昼間のゲーセンで、見るからに堅気じゃない雰囲気のおっさんに「ニイチャン、ちょっと仕事してみんか?」と勧誘されたら――そんな「タコ部屋送り」エンドしか有り得ない相手との関わりは誰でもお断りだ。


 まあ、ここまであからさまにデメリットしかない例じゃなくても、不愉快な思いをするとか、時間のムダってだけでも、拒絶するには充分だ。

 オークな彼女とのノロケ話がウザくてシカトされた石川みたいに自慢話しかしない奴とか。

 明らかにネットから拾ってきた画像を見せつけて「俺の彼女だよ」ってバレバレの嘘しかつかない奴とか。

 愚痴こぼしてばかりのネガティヴな奴とか。

 他人の悪口で盛り上がろうとする奴とか。

 そういう奴らが避けられるのは当たり前だ。


 それに、自分の基準を満たしていない相手を最初からバッサリ切り捨てるって場合もある。

 要普通免許だとか。大卒のみだとか。婚活パーティーでの○○歳以上の女性とか、年収○○円以下の男性とか。

 膜がないと対象外だとか。毛が生えてきたら、もう対象外だとか。初潮が来たら、もう対象外だとか。3次元は対象外だとか。

 オレが女の子たちに拒絶されるのもこのパターンで、非道いのになると「あー、生理的にムリ」ってのまである。


 ふたつ目は「自分を低く評価しているケース」だ。

 たとえば、街中を歩いていて、美人なお姉さんに「あのー、ちょっとお時間よろしいですか?」といきなり声をかけられたとしよう。

 こんなときに「逆ナン、ラッキー」とか思えるのはイケメンだけだ。

 非イケメンな俺たちだったら、「結構です」の一択に決まってる。どうせ、悪徳商法か宗教の勧誘に決まってるからな。

 むしろ、オレくらいのレベルだと、そういう気配を感じ取った段階で、「話しかけるなオーラ」全開で足早に通り過ぎて、相手に声かける機会を与えない。それくらい鉄壁のディフェンス力だ。


 対人関係で散々イヤな目にあってきたら、他人との関わり合いを避けるようになるのは自然な流れだ。当然の防衛本能だ。


 相手に傷つけられたくないから。

 相手に失望されたくないから。


 誰かと関わっても、ロクな結果にならない。

 こっちから歩み寄っても、相手はその分離れていく。

 どうせ相手から拒絶されるんだ。

 だったら、最初から、こっちから、ドアを閉じちゃえばいいじゃないか。


 休み時間になったら、机に伏せればいい。

 眠いから、寝てるだけだ。

 会話をしてくれる相手がいないからじゃない。


 昼休みには、トイレの個室であんぱんを齧ればいい。

 食事はひとりの方が落ち着くから。

 一緒に食べてくれる相手がいないからじゃない。


 文化祭が終わったら、さっさと家に帰ればいい。

 観たいアニメがあるから。

 誰も打ち上げに誘ってくれないからじゃない。


 そうやって積極的に他人を拒絶し続けて、ぼっちがひとり生まれるんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ