5-17 砂糖と塩
「て、テンプレって…………。ガンバって作ったのにぃ…………」
ゼル子ちゃんが「PKを外して負けが決定したサッカー選手」みたいに、ガックリとうなだれている……。
え、マズかった?
オレ、変なことしてないよね?
オープニング飛ばすとか、フツーだよね?
すまんが、買ってきたゲームをセットして電源入れて、ワクワクしながらオープニングを待っていたのは小学生までだ。
何十本、何百本とゲームをやってきた今では、そんなフレッシュな気持ちはこれっぽっちも残っちゃいない。
だって、この世にゲームは腐るほどあるし、どれもたいした違いがあるわけじゃない。軽い気持ちでやり始めて、ちょっとツマンなかったら、すぐ止めて次のゲームやればいいだけだ。
面白いかどうかわからんゲームのオープニングなんて、ダルくていちいち見てらんない。
そう軽く考えていたんだが――このオープニングつくったのゼル子ちゃんだったのか…………。
しょぼくれてるゼル子ちゃん見てたら、なんか悪い事した気になってきた…………。
「勇作サマひどいですぅ~」
「あー、ごめんね。今度ゆっくり見ておくからね」
「ホントですか? 約束ですよ!」
「ああ、もちろんだよ!」
つまらんオープニングとか言ったけど、ゼル子ちゃんがつくったとなると話は別だ。カワイイ女の子がつくったものなら、なんでも楽しめるからね。
砂糖と塩を間違えた手作り弁当だって、余裕で完食して「美味しかったよ」って言い切ってみせるっ!
つーか、砂糖と塩って、見た目も触感も全然違うのに、どうやったら間違えられるのか、オレとしてはすげー疑問なんだが……。
まあ、カワイイは正義だから、しゃーないな。
カーチャンが間違えたときは殺意を覚えたけど。
「ちなみにそのアイコンとかも全部わたくしが作ったんですの」
「へー、すごいねー。さすがはゼル子ちゃん。第二位階だもんねー」
落ち込んでいたゼル子ちゃんは、ちょっと褒めたら立ち直ったようだ。「えへへ」と自信ありげに笑っている。
やり慣れていないだろう控え目のドヤ顔が、初々しくてカワイかった。
ゼル子ちゃんの機嫌も直ったようなので、気を取り直してスマホ画面に視線を落とした――。
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名前:真野勇作
種族:人間
性別:男
年齢:30(未・未)
レベル:1
勇者度:A
スタミナ:3
神様ポイント:23,824
【MISSION】 【ITEM】 【SHOP】
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おお! これがオレの勇者としてのステータスか!
ようやく、ソレっぽくなってきたな!




