5-13 ネギラーメン
オレに勇者用ホームとして与えられた、この究極の空間。
今はローテーブルとソファーしかない殺風景な部屋だが、勇者の仕事で貯まる『神様ポイント』――サタン子ちゃんにリボンとか絵本とかプレゼントするのに使った便利なやつだ(ひろこポイントとかいう意味不明な謎ポイントとはぜんぜん違う!)――を消費して、家具を調達したり、部屋を拡張したりできるらしい。
そこら辺の操作は神様スマホでできるみたい。ちらっと家具の一覧を眺めてみたが、充分すぎるラインナップだった。むしろ、多すぎて選ぶのが大変なくらい。しかも、実際に配置してみて試してから購入できる便利仕様。
夢が広がるな。今度暇なときに試行錯誤してみよう(いつも暇だけどな!)。
それより、もっと重要な事がある。
なんとゼル子ちゃんのコスチュームもカスタマイズ可能なんだ!
今のゼル子ちゃんの格好は「IQ低いでーす」と全力で主張してるギャルギャルしい服装。こっち方面は詳しくない、というかまったく興味ないから、なんて説明していいかわかんないけど、頭が悪そうなのと股がユルそうなのは伝わってくる。まったくもって、オレの趣味とは対極のものだ。
オレの好みからすると、折角の清楚なゼル子ちゃんの内面に合わせて、純白のワンピース(ムダな装飾を控えたシンプルなやつ)にツバの大きな麦わら帽子(できればざっくりとした編み目のやつ)の一択だ。
それで、フジツボがいっぱいついている極彩色の刺さりそうなネイルと、CL○MPのキャラかよってくらい目の周りを黒く縁取ってるメイクを取っ払って、すっぴん若しくは薄化粧とさらさら黒髪ロングにして欲しい。そんでもって、入道雲をバックにひまわり畑で微笑んで欲しい。
限りなく童貞ズムに満ち溢れた意見かもしれないが、しゃーねーだろ、素直なオレの気持ちなんだから。
『神様のメ○帳』5巻表紙のア○スちゃんとか、カワイすぎるだろ。この魅力がわからん奴はネギラーメンの麺とチャーシューと卵抜きでも食ってろ!
ただ、会ったばかりの女の子にそんなオレの趣味全開な格好を押しつけるのも抵抗があるし、蔑んだ視線で「これだからキモオタは……」とか言われたら死ねるし、さすがに初対面の女の子をドン引きさせることに定評のある勇作くんでも躊躇わられるな……。
あ、でも、誤解しないでね。「女の子をドン引きさせる」とかいっても、昔の話だよ。学生時代までの話だよ。同級生というだけで、無理矢理オレと接点を持たなきゃいけなかったウブで可哀想な女の子たちの話だよ。
引きこもりだしてからは、そもそも女性と接点ないし。短い社会人時代にも女性と接する機会は多少あったけど、社会経験を積んだアイツらは端からオレのこと見下してるからドン引きする余地ないんだよね。マジこえーわ、ハタチ過ぎの女たち。




