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5-10 勇者登録

 初ちゅーの余韻に浸りながらツラツラと考え事していたが、ひとつの疑問に行き当たった。

 そういえば、なんでゼル子ちゃんはオレにキスしたんだ?

 ああ、そうだ、なんか「勇者登録がなんちゃら」って言ってたな。


「さっき勇者登録とか言ってたけど、なにゆえにキス?」

「勇者登録するためには、本人のDNA情報が必要なんですの」

「そっか……でも、それじゃあ――」

「別に、髪の毛でもいいのですが、わたくしの趣味です。勇作サマが美味しそうだったので、つい」


 エヘヘとはにかむゼル子ちゃん。先ほどの大胆なキスが嘘みたいに透き通った清純な笑顔だった。

 ギャルに見せかけて清楚、と思わせてビッチ、かと思いきやヤッパリ清純とか、もうわけわからん。

 でも、ギャルギャルしい見た目はちょっと怖いけど、笑顔はカワイイし、清楚な子は思いっきりオレのタイプだ。ゼル子ちゃんも、オレのことはまんざらじゃないみたいだし。ちょっとえっちっぽいところが気になるが対象がオレ限定なら無問題(ビッチは氏ね)。

 よし、俄然やる気が出てきたぞ。


「お、やっぱりゼル子もそう感じたのか?」


 比呂子さんが嬉しそうな調子で会話に加わってきた。


「はい、ビンビンに。比呂子サマも知ってたのですか?」

「まあ、俺の場合はカンだけどな」

「そうなんですの。さすがは比呂子サマですの」

「それで、調べてみてどうだった?」

「はいっ、思っていた以上ですの。勇者の中の勇者って感じで、ゼル子とろけそうですぅ」

「なっ、勇作、俺の言ったとおりだろ。オマエは素質あるんだって」


 比呂子さんは自分のことのように誇らしげだし、ゼル子ちゃんは瞳を潤ませてキュンキュン発情中だ。


「はあ、そうっすか」


 でも、身に覚えがないオレとしては、そんなベタ褒めされても他人事のようにしか思えなかった。いったいオレのどこにそんな素質があるんだろうか?


「それより、おめでとう」

「なにがっすか?」

「なにがって、決まってんだろ。初チューだよ。初めてだったんだろ。本当は俺がもらいたかったんだが、まあいい」


 はいはい、どうせ30過ぎまでキス未経験だったことなんかお見通しですよね。

 下手になにか言っても、やぶ蛇だろうから、あえてスルーで。

 それにしても、相変わらずどこまで本気かわからないもの言いの比呂子さんだ。こっちの方が断然らしくていいや。

 

「さてと、俺の役目も終わったし、先帰ってるわ。詳しい説明はゼル子から聞いてくれ。んじゃ、ゼル子よろしく。またな~」

「ごきげんよう、比呂子サマ。神様方にもよろしくお伝え下さい」

「おう、んじゃなー」


 比呂子さんは片手を振って颯爽と消え去っていった――。

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