4-7 泥団子つくろう
「あ、そうだ。これ、サタン子ちゃんにあげるよ。プレゼントだよ」
「ぷれぜんと?」
オレは髪留め――大きな黒いリボン型で中央に白い線が入っている――をサタン子ちゃんに手渡した。
サタン子ちゃんは受け取ったそれを眺めて、キョトンとしている。
あー、つけ方わかんないか。
「リボンだよ。こうやって、頭につけるんだよ」
オレはサタン子ちゃんの前髪をかき上げ、頭の真上に来る位置にリボンをセットしてあげた。うんうん、よく似合ってる。
あれからサタン子ちゃんに頼んで、前回と同じ砂場な世界に戻してもらった。
お願いした瞬間に足元の岩山が消失して、オレたちは真っ逆さまにフリーフォール――慌ててサタン子ちゃんにしがみついて事なきを得た。ほんのちょっとチビッたのは内緒の話だ。
それで今、サタン子ちゃんは水溜りに映る姿にじっと見入って、リボンを確認している状態だ。
そうそう、泥団子をつくろうって話だったね。
またまた、いろいろと話が脱線したね。今度は相鉄線から相模線くらい。
んじゃまあ、始めるか。
「今日は砂団子をつくろう!」
「すなだんご?」
「砂で団子を作るんだよ。団子は知ってる?」
「しってる」
「おー、知ってるか。じゃあ、話は早いな」
「たべれる?」
「あー、食べれないなあ」
ちょっとしょんぼりサタン子ちゃん。
「でも、すげーかっこいいんだぞ」
「かっこいい?」
「おうっ!」
おっ、食いついてきた。
早速、サタン子ちゃんにちょっと水を出してもらい、適度に湿った泥を両手で握ってみる。
口であれこれと説明するよりも、手を動かしながら教えてくほうがいいだろう。
オレも昨日ネットで調べてきたけど、実際につくるのは初めてだ。やってみないと、どうなるかわかんないし。
泥団子づくりの第一歩は土台づくりだ。泥の塊を握りしめて水分を絞り出しながら、全体を丸くしていく。
いくら絞ってもふにゃふにゃしていたり、ひび割れたりする場合は水分が多すぎるから、乾いた砂を混ぜればいいって書いてあったけど――うん、大丈夫だ。
サタン子ちゃんもオレを真似て、ちっちゃなお手々でぎゅっぎゅっしてるが、ちょっと力が足りないみたい。
オレはサタン子ちゃんの手の上に両手を重ね、力を込めた。
「痛くない?」
「だいじょぶ」
よし、サタン子ちゃんの方もいい感じだ。
次のステップは球体づくり。
やることはひとつ。完璧な球体を目指すだけだ。
後からは形の修正ができないので、妥協できないステップだ。
土台球の上から乾いた砂をかけ、親指の腹と付け根で均していく。これを約3、40分。
これで泥団子づくりの前半が終了だ。
二人並んで、黙々と作業を続けた――。
参考サイト
http://www.kyokyo-u.ac.jp/youkyou/4/4.html




