14-22 みかんフレンズ
俺たち6人は仲良く、六畳間へともどってきた。
さすがに6人もいると窮屈に感じる。
特に、右腕に一人抱きつき、もう一人を膝の上に載せているオレは、局地的に人口密度が高すぎる。
でも、久々にひろちゃんとの触れ合いも心地よいし、サタン子ちゃんとのスキンシップも大事だから、文句はない。
そして、ごっちんとサミちゃんは仲良くしている。
ごっちんはいつもより年上――オレとデートした時の年齢――な姿をしている。
見た目としては、サミちゃんと同年代。
こうして二人並んでいると、仲良し二人組JKって感じだ。
さっきの謝罪合戦を経て、二人の間のわだかまりは氷解したようだ。
仲良くみかんをぱくつきながら、この一年間を埋めるように会話に没頭している。
「そういえば、家出の原因はなんなんだ?」
「えーと……」
問いかけてみたけど、ごっちんは答えにくそうにしている。
まさか、オレには言えないエッチでハレンチなことか?
例えば――。
「ただいま、サミちゃ――」
「あっ」
バイトのシフトを勘違いしており、予定より早く帰ってきたごっちん。
部屋のドアを開けると、そこには自家発電中のサミちゃんが。
気まずい空気が流れる中、サミちゃんは「ごっちんのばか〜」と部屋を飛び出していった。
とか?
などと、オレが桃色ファンタジーな妄想をしていると、サミちゃんが答えを出してくれた。
「みかん」
「みかん?」
「ごっちんが食べようと思って残しておいた最後のみかん。ワタシが食べちゃった。そうしたらごっちんが激怒して、ワタシもそこまで怒ることないじゃんって、怒って飛び出しちゃった」
なんと、まさかのみかん。
食い物の恨みは恐ろしいとは言え、この家はどんだけみかんに振り回されてるんだよ。
まあ、それはキッカケなんだろうな。
それまで溜まっていた不満が爆発しちゃったんだろう。
その溝はこの二人がこれから埋めていくしかない。
その後、オレとごっちんのみかん騒動の件も話したりして、和やかに交流できた。
同じみかんフレンズとして、オレはサミちゃんと打ち解けることが出来た。
直情的な傾向はあるが、仲良く出来そうだ。
それに、なによりカワイイ。
黒髪前髪ぱっつんロングで、クリクリとした目が特徴的。
スタイルは標準的だけど、あれは隠れ巨乳と見た。
文句なしの美少女だ。
オレとしては、それだけでオッケー。
そんなこんなで団欒が進む中、緊張の一瞬が訪れた。