表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

309/369

12-27 スイカ割り名人

 ジメジメとした洞窟型ダンジョン。

 入り口からここまで幅3メートルほどの通路。

 曲がり角も分岐もない一本道だった。


 その一本道を走ったり跳んだりとふざけた挙動で進んでいくうちに、ついにモンスターが現れた。

 バスケットボール大のコウモリだ。

 そいつがキイキイ鳴きながら、こちらに向かって飛んでくる。


 オレは恐れずそいつの接近を待ち構えた。

 ちょうどいい距離までコウモリが近づいてくる。


 剣はダラリと下げたまま。

 なにも考えない。

 いや、オレはひとつのことだけを頭に浮かべる。


 ――Bボタン連打だっ!


 「ダダダダダッ」と頭の中にあるコントローラのBボタンを某スイカ割り名人が如く16連射。

 オレの思考につられ、剣を持った右手がくるくる回り、コウモリを切り裂く。

 手応えもなく、コウモリは息絶えた。


 これこそが、ダンジョンに入る前に色々試して発見したテクニックだ!


 ダッシュや2段ジャンプなどのアクションが頭で考えただけで発動する。

 これに気づいたオレは、そこから一歩進んで考えてみた。


 ――もしかして、元のゲームのコマンド入力するイメージすればいいんじゃね?


 結果はこの通り、見事にその通りだった。


 ダッシュする際も「後ろに進むと思って、すぐに前に進む」なんて面倒なことを考える必要ない。

 「左右ね」と脳内コントローラをチョチョンなイメージで十分なのだ。

 自分というキャラをコントローラで操作すると考えればいいのだ。

 なんか、ハ○ターハンターにそんなキャラいたよね。


 元になったゲームは当時のゲームのご多分に漏れず、連打によるゴリ押しで割となんとかなるゲームだ。

 素人のオレがガチャガチャと剣を振り回すより、「Bボタン連打」の方がよっぽど効率的。

 この調子でガンガン進んでいこう。


 このゲームのダンジョンは通路と小部屋から構成されている。

 しばらくオレは通路を進んでいく。

 最初のコウモリ以外はモンスターに遭遇することもなく、最初の小部屋に到達した。


 オレが小部屋に入ると、入り口と反対側の出口、その2つがバリアのようなもので遮られた。

 小部屋の中には一体のモンスター――ゴブリンっぽいのがいた。


 元のゲームには存在しないヤツだ。

 ゼル子ちゃんもモンスターはオリジナルだって言ってたな。

 ともあれ、コイツを倒さない限り、この小部屋からは出られない仕様なんだろう。


 さあて、サクッと倒すか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ