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爆発した芸術

作者: 紙一重

          「爆発した芸術」


虫刺されの心配が無い時期が到来したので、庭木の手入れをする決心をしました。

今風に言えば、やる気スイッチがONに入ったのです。

午前中はそんなやる気モードのゲージが満タンだったので、

ささっと、一日で終わらせるつもりでした。

が、そうは問屋が卸さないが世の常で、己のやる気だけではどうにもならない事を、

午後の4時頃、日が西に随分と傾いた茜色の空が俺に教えました。

「ダメだな、こりゃ」ボソッとそんな弱音を吐き、本日はこれにて終了です。

それでも全体の8割は終わっている感じだし、

出来栄えも庭師レベルとはいかないまでも、素人にしては上出来です。


ここで悪い癖が出ました。なんかいつもの事ですが・・・

実はこの時点でやる気モードはすでにエンプティーなんですよね。

従って正しい選択は、それが満タンに戻るまで待てばいいのですよ。

例えば翌週末とか、冬期休暇に入ってからとか、それが貯まるまで。


でも中途半端ってのがあまり好きでない自分。

そういう事で、翌日の日曜日、残り20%の残務処理を決行。

「急がば回れ」こんな事などそれこそ痛いほど知っているはずなのに。

午後からは前々からの約束があるのも解っているのに。


だから残務作業は火を見るよりも明らかな結果に。

大事にしていた、年に数日、良い匂いをくれる金木犀が愚か者の餌食に。

太い幹だけを残して、枝葉が一切ないファンキーな姿に変貌しました。

まさに毛をかられた羊状態です。



その姿を見た奥方の反応は言うまでも有りません。

俺よりもその木を好きでしたから。

「数年は花を咲かせ無いわね」とあきれ顔で俺のそんなトドメの一言を。


「でもさ、見ようによってはモダンアートっぽいだろう?これ」

その手の言い訳は当然の如く逆効果。

「ほら、早く出かけなさいよ。昼も夜もご飯は外で食べて来てね、私もそうするから」


この一言は、過去の経験上、最低一週間は勝手にしてよ!のサインです。

師走の時期、ちょっとえらい事になりました・・・・・



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