7 聖戦の刻~三代目魔神マッダvs番長ゴウキ~③
「凄い……。単に力やスピードが誰よりも上回ってるのがゴウキなんだ、って思ってたけど、闘うこと、それ自体を才能としてもってるんだ……。強い!!」
ミカが呆気にとられる。他のみんなもゴウキの強さに言葉を無くしていた。
元二代目魔神コーコの血を引く、学園最強を自負するゴウキの強さには底が見えなかった。
「まだ終わらねぇだろぉぉぉぉぉ。そろそろ本気で相手してやらぁぁぁぁぁ、立てコラァァァァァァ!!!!!!!!!」
どす黒いオーラを放出し更に闘気を膨張させるゴウキ。地底まで埋め沈められたマッダが飛び上がり姿を見せる。
「なんだ?ムカつくなてめぇ。」
「?!!」
嵐との闘いで膨張させた闘気を、更に脹れ上がらせるマッダ。数式においてもはや表す事が困難な、およそ100無量大数もの値を叩き出すマッダ。
ゴウキのオーラを消し去り、再び世界を消し去らんとする威圧的な気を放つ。ガクト、ミカ、嵐もそれに応じて再び世界の抱擁に力を注ぐ。エリカ、コユキは闘いに備え回復を図る。
「勝てるか?あんな化け物に……?」
エリカがマッダの闘気を数式にあてはめ、驚愕する。コユキは黙ったまま、自身の体力を絶頂まで回復させる。
「はっはぁぁぁぁぁ!!!噂通り、予言通りのヤツらしいなぁぁぁぁぁ!!!ぶち殺してやるよ!!!!」
ゴウキとマッダが激突する!!
残撃が飛び交う。神なる威力の攻防が繰り広
げられる。地球が揺れる。宇宙が震える。
繰り出す拳一つで竜巻を発生させ、
繰り出す衝撃波一つで世界を地震で包む。
ガクトたちの抱擁力が世界の消滅を防いでいるが、どんどん高まる二人の闘気に対応が追い付かなくなってきた。
「この化け物共がぁ!!こ、こっちの力が持たねぇ!!」
魔眼極を使った反動と、抱擁に全力を注ぐガクトに限界が近づいていた。
「ガクト!!ゴウキが倒すまで踏ん張って!!」
「ガル!!魔王、、、ガ、ガクト、がんばれ。」
この極限の状況を一蹴したのが、マッダだった。
「うぜぇなモジャ毛のあんちゃん。お前、名前、なに?」
「あぁぁぁぁぁ?覚えろよ?お前をぶっ殺す、四代目魔神、ゴウキ様じゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
残撃を浴びせるゴウキの拳を拳で払いのけ、更に拳を振りかぶるマッダ。
「うるああ!!!」
「!!!」
残撃とも違う、神の拳とも違う、技の名前などもない、マッダの本気のパンチ。
それを喰らったゴウキは血を吐きその場にうずくまる。
「がっ!!!あっあぁぁぁぁ」
立ち上がるゴウキと再び激戦を再開させるが、一発のダメージがよほど大きかったか、ゴウキがやや劣勢な攻防へと変化した。
「うるああああああ!!!!」
先程より威力を増した拳がゴウキの右腕を粉々に打ち砕く。
「ゴ、ゴウキ!!!!」
「やられるわけねぇだろぅがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
右腕を破壊されつつも一歩も退かず、左腕でマッダ同等の拳をマッダの顔面にぶちこむ。
「………コイツァぁぁぁぁ」
同等の威力だが、マッダはゴウキ程のダメージを受けず、またもやマッダが反撃に出る。
ゴウキを蹴り飛ばす。
追い討ちをかけ、顔面をボコボコに殴り潰し、ローキックで左足を粉々に打ち砕く。
「はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
けして負けを認めず果敢にマッダに反撃を続けるゴウキ。この絶した激戦に、ついに他人のバトルを邪魔するのが大好きなコユキが割って入ってきた。
「コユキィィィ!!!!」
「お?」
「預けた場を返してもらうわ。ゴウキ。治癒は終わりました。蘇生にて損なった体力を正常まで戻し完全にMaxまで回復させたわ。当初の目論見であった、アナタとマッダとの戦闘を分析し、最良且つ最高の状態でマッダを討つ場面まで達した。戦手交代よ。」
「はぁ、はぁ、殺れんのかぁぁぁぁ?コユキ、お前がぁぁぁぁ?」
「分をここまで悪くしたのは、先程も伝えたアナタの軽率な行動により生じたもの。ゴウキ、アナタに私に意見するほどの権限はないわ。下がりなさい。マッダは私が必ず討つわ。」
「ごちゃごちゃムカつくこと言ってねぇでよぉぉぉぉぉ、はぁ、はぁ、………やれやぁぁぁぁぁ、コユキィィィ!!!」
聖戦がついにクライマックスを迎える。
マッダと対等に位置する、二代目神エツ子を母に持ち、マッダを倒すためにこの世に生を受けたコユキが今ヴェールを脱ぐ。神の化身コユキ対、存在上最強生物マッダとの闘いが今始まる。