23終焉の刻~三大女神戦線~①
既にガクトをはじめとする戦士たちの物語は終わっていた。生物は根絶え、惑星は消え、宇宙は引き裂かれ、無の次元にエツ子、マッダ、コーコのみが存在していた。
繰り返し言うが、既に物語は完結している。この三者の誰が、長い歴史上最強なのかを決めるためだけの闘いなのだ。
客観視する者も存在しないが、あえて客観的に話を進める。
競馬感覚で倍率を振るならば、力、スピード、技、秘められた能力を統計した結果、
マッダ1.5倍。
エツ子2.2倍。
コーコ8.0倍のオッズ。
下馬評ではマッダが大本命。揺るぎ無い力を誇示し続ける存在上最強生物が優勢。
しかし、全てを無に還す者マッダに対し、全てを創り出す者エツ子こそが、マッダを倒す唯一の対抗馬。糸一本の狂いもない力の差でマッダの独走を封じ、一気に差す。
悪知恵のみならばエツ子同等の知力を持ち、野心のみで世界を牛耳ろうとするダークホース、コーコ。一発逆転の大穴となるべく参戦した。ゴウキを取り入れたドーピング疑惑も揉み消し出走する。
大本命マッダの先制。全てをなぎ払うような右フックがコーコを捉えた!!
「ひっ!!ひぃぃぃぃぃ~~~~~~!!!!」
拳をまともに浴びたコーコは全身の骨を砕かれ肉を焼かれ粒子となり世界から消えてなくなった!!
………かのような幻覚をマッダに見せ、背後に回りこむ。
「しゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
マッダに噛みつき、歯に仕込んだ毒をマッダの血に大量に注射し、血の流れを時速16000㌔まで加速させる!
「お?お?体が動かね……ちゅか、気分わりぃ……」
あら。マッダの動きを封じるなんて上出来よ。そのまま塵になりなさい。
次元圧縮~幻の左手より愛をこめて~
マッダ、コーコもろともエツ子の左手で握り潰されるかのように、次元の圧力によりペシャンコにされてしまった。
終焉の刻を制するのは誰か。