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~紲雷 thunder of bonds10~

「ほら、あんたもとっとと脱ぎな」

「……用意、いいんですね」

 ピオラはミャンの命じるがままに雪の上で黒革のロングブーツを脱ぎ始めた。それが終わるとベルトを緩め、上着を脱いで水色のキャミソール姿になった。

 ミャンに手渡された大きめのタオルを腿から胸にかけてするりと羽織る。細い足の曲線をなぞりながらスパッツが、続いて白いショーツがぽとりと足元に落ちた。



 入浴の準備を整えた後で苔生す岩に立ち、大量の湯気立つ泉を足先でちょんちょんと触れてみた。見た目ほどには熱くないようだが、それでも冷え切った体には十分に滲みそうな温度。足首から慎重に、腰までゆっくりと、時間をかけて沈ませていった。硫黄の臭いが鼻についたが、しばらくすると気にならなくなった。

 ほぅと一息ついたピオラを尻目に、一足先に入っていたミャンがしなやかな肢体に濃厚な靄を纏わせながら髪紐を解く。ほどなくして、ウェーブがかった髪が背中までふわりと広がった。

 ――胸、大きいなあ。

 無意識に、自分の控えめな胸を寄せて持ち上げていることに気づき、直ぐさまその手を湯の中に潜らせる。

 ミャンは一瞬きょとんとしたが、ピオラの視線の行き先に気づくとにんまりと笑った。

「なんなら一丁揉んでやろうか? 私に任せりゃBまで一足飛びだよ、お客さん」

「……上手いことを……、じゃない、お断りします」

 仏頂面のピオラに、ミャンはくすくすと笑いながら髪紐を手首に巻き付ける。ややあって、向かい合ったピオラとほぼ同時に、その場に腰を下ろした。ちゃぷんと、水面で大小の波紋がぶつかり合った。

「……ふは……ぁ」

 熱さと心地良さの境界線。熱が肌という肌にじんわりと浸透していき、足の血管が脈動し始めるのを感じた。

「あはっ、こりゃ堪らんねぇ。後は熱燗でもあれば最高ってなもんだ」

 くいっと杯を傾けるようなミャンの手つきに、ピオラの眉がハの字になる。

「……湯に浸かりながらのアルコール摂取は、体に毒ですよ?」

 固いことを言うもんじゃないよ、とミャンが岩肌にぺたりと背を付けた。よほどひんやりとしたのか、ぞくぞくと身を小刻みに震わせている。それでもやめないところを見ると、やっぱりこの人は変態なのかも知れない。

「――ふぅ。体には悪くとも、心の健康に欠かせないことはたくさんある。あんたの菓子屋巡りみたいにね」

「……うぐ」

 痛いところを突かれ、ピオラが呻いた。ミャン以外の傭兵にもケーキの食べ過ぎ、もとい糖分の取り過ぎを指摘されたことがあったからだ。

 と、ミャンが自分の後方を見上げていることに気づく。

「……あの、どうかしましたか?」

「流石に酒はなかったけど、いいもんめっけた」

 言うや否や、ミャンが湯に沈んでいた指先を空へと躍らせた。発された小さな風の刃が、ピオラの後方にあった高木の木枝を切り落とした。ボスンッと音を立てて雪面に落ちたのは――

「……蜜柑、ですか」



 花弁を象るように、丁寧に皮が剥かれた色鮮やかな蜜柑を、ミャンが手の平に乗せてピオラの方に差し出した。ピオラは目礼をしてひと房手に取り、口に含んだ。粒つぶの果肉を噛み締めるとじんわりと、酸味と甘みと冷たさの三重奏が奏でられ、口の中に広がっていく。絶妙なバランス。

「……ん~~~」

「そんなに美味いかい? どれ、私も一口――うん、こりゃあいける」

 口を窄めるピオラに笑みを零しながらも、ミャンは湯を囲む岩のひとつにそれを置いた。

「じゃあ本題、セーニアの目的がやっと掴めたよ」

 ミャンの言葉にピオラの目が見開かれた。

「……朗報、ですね」

「あぁ、演習の依頼主も知っていたみたいだけどね。ほんと、調査対象の国が遠いと調べるのもひと手間だ。エリクのやつが調査報告に取りかかるのが遅かったのも原因だけど――どうやらやつらは、<魔遺物ヴァイーラ)>を探しているらしい」

 ミャンが重々しく呟いた。ピオラが息を呑み、その後ではてと首を傾げた。

「……あの、何ですか? ……それ」

「はは、やっぱりわからないか。実は私も良く知らないんだ」

 がくり、とピオラが体を崩した。

「正直、うちらの世情はルクスプテロンとエレグス近辺に偏っているからねぇ。マスター・アークスですらあんまり要領を得てなかったみたいだし。なんでも、古の技術によって作られた道具を総称してそう呼ぶそうだ」

「……盲点でしたね、そんなものがあの不毛地帯にあるのですか。……ですがまさか、それだけのために戦争を起こすでしょうか?」

「それだけの価値がある物なんだろうね、ルクスプテロンの攻略よりも優先したくらいだし。埋もれた財宝っていうと、色々なパターンが考えられそうだ。神話級の強力な魔法武器が埋もれているとか、とんでもない召喚獣が封印されているとかさ」

 そう言いながらも、ミャンは枝毛を湯につけ、指で揉みほぐしている。

「……だとしたら一大事です。ましてやセーニアの手に渡ったら」

「んだんだ。でも、そんなものが埋まっていることを公にするのもちとまずい。だから、しばらくは秘密にしといてね」

「……奪い合い、争いの火種になりかねないってことですか。でも、明るみにできないって点は、向こうもこちらも一致している」

「んー、たださ、戦争まで仕掛けておいて隠し通せるかは微妙じゃない。実際問題、私たちはこうやって気づいてるわけだしさ。――これは穿った見方かも知れないけど、連中バレるのはある程度覚悟の上で、兵士たちの鬱憤を晴らす意味もあったんじゃないかな。前回の戦いは途中まで優勢だったのにこの地(ヌレイフ)でケチがついたろ? 向こうもあんな終わり方じゃ不完全燃焼だったはずだ。戦っていない軍人なんて単なる金食い虫だし」


 軍事費は生産性がほとんどないため、国費に対して大きな負担をかけるばかりだ。同じ四大国で比べてみると、エレグスは二代に亘って軍備縮小。代わりに傭兵に雑務を振ってやりくりしている。フォルストロームは国会議員が少ない割に他国に比べて税が重く、軍人の給与も少ない。だが、その代わりに育児や医療費手当などの還付金が多いため、兼業軍人でも問題なくやっていけるらしい。これは税制をきちんと整えた先代の功労でもあるだろう。

 しかし、ルクスプテロン連邦とセーニア教国は少し事情が違う。ミャンが言ったように専業軍人は有事以外ではただのお荷物。それでも両国共に敵が多いから相当数の軍人を抱えざるを得ない。莫大な赤字の元を抱えている分、他の産業を頑張って回さなければならないのだ。

 戦争が起これば武具、食料、燃料などが大量に必要になるため需要が増大する。供給と消費がぶん回しになり、一時的に経済が活発化する。物やサービスがたくさん売れれば人の往来も増える。その分税収も多く見込めるようになるから軍人たちにも不足のない給与を支払えるようになる。


「もちろん、戦争による利益の方程式は攻め手にしか当て嵌まらない。防衛側は都市まで攻め入られたら生産拠点も潰されるから絶対的に損失が大きくなる。相手が馬鹿でない限り、攻めてくるからには勝算を見込んでくるし、防衛側が被害を抑えるのは非常に難しい。だから、戦争するなら他の国でやるってわけだ。泥沼化しない限りは」

「……なんか不条理です、ミャン隊長の仮定って要は、戦に弾みをつけるためにジヴーが踏み台にされたんじゃないか、ってことでしょう? こういってはなんですけど、ジヴーなんてもっとも攻められそうにない国なのに」

 しょんぼりと肩を落とすピオラを尻目に、ミャンは遠方の山々の冠雪に目を向ける。

「それが世の常だ。大小の差はあれ、それくらいどこでだって起こっているさ。かくいうルクスプテロンもエレグスも、数十年前は今とは逆にセーニアへ攻め入っていた。今では世代の差がひと回りないしふた回り離れているから罪悪感も大分薄れているだろうけど、酷いもんだったよ。

 そうね、例えばだけど――爺さん婆さんのやったことに責任を取れって言われたらどうだい。あんたの爺さんに家を焼かれたから孫の俺に一生食っていけるだけの保証をしろ、なーんて」

「……お門違いです。仰る通りスターニアル家は昔から悪いこと一杯してきましたけど、私はあの家の人たちとは関係ありません。恨むならお墓の中にいる人を恨んで欲しい」


 今のルクスプテロンの世論には、まさしくそんな心理が働いている。わざわざ昔のことを掘り返してまで口実を作り、攻撃してくるとは非常識だ、と。

 当時のセーニアがそれによって損害を被り、幾許かの領土を失ったのは事実。取り返したいと思う者がいても不思議ではない。けれども、正当性を訴えるわりに、自分たちに都合の悪い資料を処理している辺りが姑息に映るのだ。

 ピオラが口を尖らせながらそう言うと、ミャンは苦笑いを噛み殺した。

「人様の前で自分の家族をそんなに悪く言うもんじゃないよ。フラムハートとミスティミストの因縁にしたってどちらが発端か、最終的にどちらに正当性があるかなんてほとんどわかっちゃいない。仕掛ける側は基本的にわからなくても気にしないもんだ。

 私が主張しているのは、どちらが悪い悪くないって話じゃない。ひとたび戦争を起こせば確実に、その先何代にも亘って汚れたケツを、自分の子孫が悪臭に顔をしかめながら拭き取る羽目になる。その不文律をちゃんと考えなきゃ駄目だってこと。どんな大義名分があろうと、安易に武力に訴える今のセーニアが不幸の種子を撒き散らしているのは疑いない。対外的にだけじゃなく、自分たちの子孫にも負の遺産をせっせと拵えているんだから」

「……そう、ですね」

「長々と語っちゃったけど、今回シルフィールの申し出を了承したのは打算ばかりじゃなく、そういった心理が働いたからだってことを覚えていて欲しい。向こうの思い通りに動くのは少し癪だけどね」

 ピオラがはっとした表情をミャンに向けた。

「……もしかして、さっきの言い間違えは」

「そっ、わざと。新人は古参に比べると口が軽いし、あれだけの人数がいればセーニア寄りの者も確実にいるだろう。セーニアの狸共の耳に、私の漏らした言葉が届かないってことはないはずだ。シルフィールもヌレイフの時は様子見に徹していたけど、今回は先方からの申し出。いざという場合には表舞台に出てきてもらわなきゃこっちが困る。ギルドを守るための、当然の配慮さ」

「……保険、ですか。……はぁ、考えなしに見えて色々考えてるんですね」

「こらこら、年上掴まえて失礼だろ」

「……なんだか、人間不信になりそうです」

「何をいまさら、あんたの無口さはそれこそ、周りに対する不信感の表れだろうに」

 ピオラは顎の先まで湯に浸かりながら目を瞑った。今からフラムハートとシルフィールの関係を仄めかしとけば、今後都合の悪いことが起きた時に責任を折半できる。ミャンの対応は、フラムハートの傭兵としては決して間違っていない。利用させてばかりいれば、いいように扱われるだけだ。


「……あの、根本的な問題が残っていると思うのです。ジヴーは、セーニアに勝てるんでしょうか?」

 ミャンの顔が一瞬険しさを増した。

「ぶっちゃけると、厳しい。単純に戦力比だけで考えるなら、甘めに見積もってセーニア8のジヴー1ってとこか。しかも、これは後詰めを、つまり、二次的な遠征を含まない、現時点で投入されている戦力比の話だ。人数比だって3ないし4対1、指揮官クラスもビシャ・リーヴルモアを始めそつのない騎士が複数名遠征に加わっている。シルフィールも積極的な支援をしているわけじゃなし。参戦も個々のスタンスに任せているみたいだから小規模なものに留まっているはずだし、それに――」

「――聞いているだけで絶望的な気分になってきました。だとすると、8どころじゃないような」

「普通に考えればそうだ。でも、ひとつ引っかかることがあるだろ」

「……引っかかること? ……なんでしょう?」

「勝ち目がそこまで薄いのに、さほど助けになるとも思えないこの演習をやって欲しいと私たちに依頼してきたのは、なんでだ?」

「……あ、言われてみれば、そうですね」


 確かに、負け試合なら黙って見ていた方がシルフィールにとっては都合がいいはずだ。事実、ヌレイフの戦いでは静観を保っていた。今回そうしなかったのは何故か。

「……私たちを、今後の戦いに巻き込むため、とか」

 ピオラは自信なさげに答えた。

「私もそれは真っ先に考えた。けれど、ジヴーが片付けば次に攻められるのはどうせルクスプテロン。順番が違うだけで元から私たちにとっては他人ごとじゃないさ。今回は、どちらかといえば向こうから首を突っ込んできた形だ。多分、依頼の話が漏れることもある程度は覚悟しているはずさ」

 ピオラはうなずきつつも、話を漏らした当人がそう言うのも何だかな、と思わないではなかった。

「……それなら、うーん……、なんかしらの損害を被ったから、とか」

 ミャンが口端を微かに持ち上げた。

「まぁそんなとこだろうね。もしくは、これから被りそうかのどちらか。後者だとすれば結構な大物、対外的にも影響力のある傭兵がジヴー側に加わっている可能性が高い。まずランカークラスと考えていいだろう。彼らの武量は推して知るべし、その働き如何によっては――ってところだ」

「……納得です」

 ミャンの筋の通った推論に、ピオラが敬意を込めてうなずいた。ギルドとお目付け役というのも伊達ではないようだ。

「言っとくけど、これだけが根拠ってわけじゃないよ」

「……と、申しますと」

「あんたがフラムハートに入団する前のことだけど、バイルワールドの名前くらいは知っているね?」

 ピオラは首を縦に振った。当時の裏ギルドの筆頭で、傭兵ギルドはもとより巷でも怖れられていた犯罪者集団だ。

「連中との戦いに当たってはシルフィール側もこちらが驚くほど積極的に動いていた。それより以前にあったバイルワールドのギルド潰しで、ギルドの傭兵を何人も失っていたからだ。シルフィールを事無かれ主義って批判する傭兵仲間もいるけど、あっちはあっちなりのやり方で結束を、傭兵同士の絆を重んじているんじゃないかな」

「……絆、ですか」

「傭兵なんて好き勝手に生きてる奴らがほとんどだ。私だってフラムハートが常に正しいとは思っちゃいないし、不信感を抱いたことだってある。もちろん、ルクスプテロンに対しても。これでも長い人生歩んでいるから、色々思うところはある。――でもね、最低限自分を導くための指針は必要だ。何もかも自分の意に沿う組織なんてものはどこにもない。だから私は、気の合う連中が多いって理由でフラムハートに身を置いている。可能な限り彼らとの絆を守りたいとも思っている。もちろん、あんたとも」

「……はぁ、光栄です」

「シルフィールの本部だって板挟み。万が一にも大勢の傭兵たちを失うわけにはいかない。でも、黙って見過ごすこともしたくない。この演習を依頼してきたのは、そんな心境からじゃないのかな。って、私がそう信じたいだけなのかも知れないけどね」

 照れ笑いを浮かべるミャンに、ピオラが目を細めた。

「……その気持ち、良く分かります。私も、シルフィールに旧知の傭兵がいますから。――ジヴー、勝てるといいですね」

「是非是非、そうあって欲しいもんだ。どこまで水面下で動けるかが鍵だねぇ」

 ミャンは口を結び、再びどっぷりと湯に浸かった。跳ねた湯から片目を庇いつつ、ピオラは降ってくる雪が湯に触れて溶けていく様をぼんやりと見ていた。

 シルフィールの依頼はこの演習で一応達成されたが、ジヴーは既に領土の三割以上を失っていると聞く。もうそんなには余力があるとも思えない。あるいは、次の衝突が最終局面だろうか。


 難しい顔つきになってしまったピオラに、ミャンが手に取った食べかけの蜜柑を、ひと房放り投げた。ピオラは視線をちらりと動かし、口を一杯に開いた。はむっと、唇の端で蜜柑を咥えたピオラに、ナイスキャッチとばかりにミャンが手を叩く。

「案外この戦争の決着が歴史の転換点だったり、するのかも。――はむっ」

「……んぐんぐ、ごくん。……そんなうきうきした表情で言われても困ります。きな臭いのは嫌い。私は、おコタに入ってこうして蜜柑でも啄んでいた方が性に合ってます」

「ふふっ、確かに世界中の皆があんたくらい呑気者だったら、戦争なんてどうやったって起こらないだろーね。せいぜいが、炬燵内で足を伸ばすための陣取り合戦ってとこか」

 ピオラが湯で赤らんだ頬を膨らませた。人に指摘されるほど呑気者ではないつもりだし、それなりにギルドの将来のことを考えているという自負はあった。

「――逆に世の中が戦争好きばかりだったら、自分や仲間たちが傷付いても笑っていられるのかな。多様性もいいことばかりじゃあないのかもね」


 どこか儚げなミャンの呟きに、ピオラが心中で同調する。もちろん、自分より長きを生きている彼女には、自分が見えない物も映っているのだろう。年を重ねて逆に見えなくなった物もあるのかも知れないが。

 乱世において平和を願う人々の心が曇りなきことは疑う余地がない。けれども、平和になったらなったで人々の心に淀みが、腐敗が必ずといっていいほど生じる。人はいつだって、ない物を誰かにねだっている。手に入った途端に、いらなくなるはずの物を。


『――歴史が証明していることよ、ピオラ。平和という玩具を与えられたらそれに飽き、直ぐに放り出したくなる困った生き物。それが、人。

 平和を望む心は荒れた土壌がないと育たない。痛みが絶え間なく降り注ぐからこそ、過ちを省みる心が芽生えるの。そりゃあ、痛みを与え続けてきた一族を否定するのは簡単よ。でも、世界がどうやっても変わらないのなら、窮屈よりは解放を、束縛よりは飛翔を尊ぶ方がましだと思わなくて?』


 ――姉様の仰っていたことが、正しい? 違う、私はそんなの認めない。認めたく、ない。

 ややあってピオラは雪ちらつく灰色の空を見上げ、遠い熱砂の国に思いを馳せた。砂の大地に滲み込んだ、あるいはこれから滲み込むだろう罪無き血を、憂いていた。

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