何度目かの乾杯
掲載日:2026/09/01
日が傾きかけた午後。
そっと一人、暖簾を潜る。
元気な挨拶が響く。
居酒屋の明かりが暖かい。
カウンターの端に座る。
とりあえず、ビール。
店内の客はまだほとんどいない。
明るい窓際、一角だけスーツ姿の男性たちが座っている。
時折手を叩き、笑い声が上がる。
つまみを選んでいく。
ビールを一口ずつ味わう。
泡が柔く口にあたる。
傾けた向こうで、笑顔が見えた。
何度目かの乾杯が響く。
いつの間にか、口角が上がる。
一人、少しだけジョッキを持ち上げる。




