第327章:未来へのステップ、受け継がれる学び舎
放課後の柔らかな木漏れ日が入るお屋敷のテラス席。
高学年になった凛、蓮、臨、そして幼馴染の湊と百合の四人は、机の上に中学校のパンフレットを広げ、真剣な、けれどどこか楽しげな表情で話し合っていた。
高学年ともなれば、そろそろ中学生に向けての具体的な進路を考えなければならない時期なのだ。
「うーん、私はやっぱり、ここがいいなぁ!」
そう言って、広げたパンフレットの綺麗なセーラー服の写真を嬉しそうに指差したのは、すっかりお姉さんらしく成長した長女の凛だった。
「私、制服がとってもかわいいサファリア女学院の中等部がいいなー。お母様も昔、サファリアに通っていたんでしょう? 私もあんな素敵なお洋服を着て、お母様みたいなお上品できれいな大人の女性になりたいの」
凛が目を輝かせて夢を語ると、隣にいた百合が「あ、私も!」と嬉しそうに身を乗り出した。
「実はね、私のママ(あやめ)もサファリア女学院の出身なんだよ! 昔、かすみ叔母様と一緒にサファリアに通ってたんだって。だから私も、ママとかすみ叔母様の母校であるサファリアにすっごく憧れてるの。凛ちゃんと一緒に合格して、あのかわいい制服を着て一緒に通えたら最高だよね!」
「えっ、あやめおば様もサファリアだったの!? じゃあ絶対一緒に行こうね、百合ちゃん!」
女の子二人が手を取り合ってキャッキャと盛り上がる姿は、かつて同じ学び舎で絆を育んだかすみとあやめの少女時代を彷彿とさせ、どこまでも眩しかった。
そんな女の子たちの華やかな会話を聞きながら、少し大人びた表情で自身のパンフレットを見つめていた蓮が、静かに口を開いた。
「姉さんたちがサファリアなら……僕はやっぱり、青藍高校付属中学にしようかな?」
「えっ、蓮は青藍にするの?」
湊が驚いたように顔を上げると、蓮は少し誇らしげに、けれど確かな意志を宿した瞳で頷いてみせた。
「うん。だって、パパ(碧)も青藍の出身だって聞いたよ。それに、湊くんと百合ちゃんのお父さん(拓人)もそうでしょ? パパたちみたいな、強くて優しくて、家族をちゃんと守れるかっこいい男の人になりたいんだ。だから、パパたちの母校の付属中学に行って、たくさん勉強したいなと思って」
「そっか……! 確かに俺たちの親父たち、みんな青藍のトップだったもんな。蓮がそこに行くなら、俺も負けてられないや。俺も親父の背中を追いかけて、青藍を目指そうかな!」
湊が蓮の肩をパシッと叩き、二人の少年は未来のライバル、そして親友として、ニカッと眩しい笑顔を交わし合う。
母親たちはサファリア女学院、父親たちは青藍高校。親たちが笑い、泣き、時には胸を張り裂けさせながら青春を過ごした思い出の学び舎。その門を、今度は自分たちの子供たちがそれぞれの決意を胸に叩こうとしている。テラスの奥からその様子をそっと見守っていたかすみと碧は、子供たちの瑞々しい決意に、互いに顔を見合わせて温かい笑みをこぼすのだった。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




