第250章 崩れ去る牙城、新しき光の家
「調度品からこの屋敷にいたるまで、すべてを処分して賠償金に充てさせてもらう」
おじさまの冷徹な宣告が応接室に響き渡ったその瞬間、南条財閥の象徴であったこの歴史ある大邸宅の運命は完全に決した。昨日、南条隼人がしでかした早瀬ホールディングスへの襲撃。その代償として、この屋敷の所有権はすべて、早瀬碧の元へと移ることになったのだ。
「そんな……私たちの家が、早瀬碧の邸宅になるなんて……!」
可憐がガタガタと震えながら床に崩れ落ちる。
しかし、碧の容赦のない追撃はそこでは終わらなかった。へたり込む隼人と、絶望に顔を歪める虎之介夫妻を見下ろし、碧はかすみへと向ける優しさとは対照的な、凍りつくような笑みを浮かべた。
「この南条の本邸は、俺が買い取らせてもらう。だが、お前たちの忌々しい記憶が残るような内装のまま使うつもりはない。――すべてを綺麗に直させてもらうよ」
碧はそう言うと、未来の輝かしい光を描くように言葉を続けた。
「壁も、庭も、家具も、何もかもを新しくリフォームする。そして……俺の愛する妻であるかすみ、そして凛や蓮。さらには貝森財閥の皆様や、これまで苦労をかけてしまったかすみの両親も、全員が心から安心して、笑顔で一緒に過ごせる最高の大邸宅に生まれ変わらせるのさ」
「っ……! あ、あの女だけでなく、その家族や関係者まで、私たちの家で幸せに暮らすというの……!?」
可憐が悔しさに血の涙を流さんばかりに悶絶する。かつて見下し、地獄の結婚生活を強いていたかすみが、自分たちのすべてを奪い取り、本物の家族や大切な仲間たちとこの場所で女王のように君臨するのだ。これほど凄まじい屈辱はなかった。
資産をすべて差し押さえられ、文字通り着の身着のままで追い出されることになった南条財閥の面々には、もう行くところなどどこにも残されていなかった。
「どうするのよあなた! 私たち、これから一体どこで暮らせばいいの!?」
可憐は狂ったように叫び、床に突っ伏したまま動かない隼人の元へと這い寄った。そして、その胸ぐらを乱暴に掴み、激しく揺さぶり始める。
「隼人!! なんとかしなさいっ!! お前が西園寺麗華さんに嫌われ、挙句の果てに早瀬ホールディングスなんかを攻撃するからよ! 全ては隼人、お前のせいです!! お前が私たちの南条家を滅ぼしたのよぉおッ!!」
「そうだ……全てはお前のせいで、俺たちの人生はめちゃくちゃだ!!」
虎之介もまた、怒りと絶望を爆発させて隼人を怒鳴りつける。
かつては甘やかし、御曹司として祭り上げていた我が子を、今や「諸悪の根源」として罵り合う虎之介と可憐。
愛されていたという妄想を碧に粉砕され、さらに実の両親からもすべての罪を擦り付けられて責め立てられる隼人は、ただ涙を流しながら、自らが招いた完全なる破滅の地獄へと沈んでいくのだった――。
「本作の執筆にあたり、誤字脱字の確認や文章整理のためAIを利用しています(規約に基づき修正案の提案は受けない設定で使用)。物語の構成や本文作成は全て自分で行っています。」




