表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生命の郷  作者: 小川四郎
5/8

第5話 異変

主任研究員の三雲は、宗教団体「生命の郷」の幹部である冬木から呼び出されていた。


「あまり、研究が進んでいないみたいね。」

冷たい言葉に、三雲は背筋が凍る思いをした。

「今月中に、それなりの結果を出すことよ。でなければ、契約の解除になるわ。まぁ、次の人事の算段はついているけど。」


研究経験も、忠誠も、何もかもが一瞬で否定された瞬間だった。


「……冗談じゃない!」

三雲は声を荒げた。だが冬木は微笑みすら浮かべず、書類に目を落とした。


普通に解雇されて、それで終わりな訳では無いだろう。口封じの為に消される。

胸に冷たい恐怖が走る。


暗い車庫に戻った三雲は、重い呼吸を繰り返す。

頭の中で、正気と狂気が交錯した。

「……やられる前に、やるしかない。」

三雲は身の危険を直感し、理性を超えた決意に突き動かされた。

怒りと恐怖が交錯し、彼は計画を冷静に組み立て始めた。

自分を裏切った組織への復讐、そして生き延びるための行動を。



山奥の生命の郷では、鷲尾の潜入生活が続いていた。

潜入生活も一週間が過ぎ、鷲尾は信者たちの日常にほぼ溶け込み、親しく会話できる信者も増えていた。


鷲尾は施設内の倉庫や建物を、作業の合間にこっそり観察した。

普段立ち入らない奥まった部屋や地下への通路、施錠された扉がいくつもある。

表向きは農具や食料の保管場所のように見えるが、どこか不自然さを感じる。


「何とか、あの大きな建物の内部に入る方法を探さなければ…」


畑仕事や家畜の世話、食事の準備は単調だが、彼にとっては情報収集の絶好の機会でもある。そして、道具を用意する為にも。


夜、親しくなった信者に散歩だと伝えて宿泊施設から外出した。

昼間の作業の間に手に入れていた工具を使い、有刺鉄線の柵を抜けて敷地の中に入る。

監視カメラと警備員の監視を潜り抜けて、建物の出入り口に辿り着く。

しかし、扉は固く閉ざされており、カードキーで開錠する電子ロックは施錠を伝えるように赤色に点灯していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ