初任務【1】
そろそろお金を稼がないとやばい。
という事で今日からギルドで仕事だ。
今日はギルドにアミを連れて行く事にした、この前の事(誘拐事件)があったからあまりアミから目を離したくない。
「う〜ん、どれにするか?」
ギルドにある依頼書が貼ってある依頼掲示板をじっくり見ながらどの仕事をしようか迷っていた。
「おい……あれって……」
「子ども連れて来てやがるぞ……」
後ろの方で冒険者達がコソコソと小声で俺に関しての内緒話をしている。
人に直接言うわけでも無く、ただコソコソとしているのを俺は気に食わなかった。
「なんだてめぇら!みせもんちゃうぞ!!」
大声で後ろの俺の事を話してた奴らに向かって言った。
俺の事を話していたであろう奴らはビクッと反応させてそそくさとギルドから出て行った。
俺はまた依頼掲示板をへと目線を戻した。
やはり報酬も良くて簡単な仕事はほとんど他の冒険者に持ってかれており、残っているのは報酬の安いものばかりだった。
仕方ない、今日はこの仕事で我慢するしかないか。
俺は残っていた依頼の中から、農園の手伝いの依頼書を取ろうとした。
「だれか!たすけて!!」
ギルドの扉が勢いよく開き、服や顔に切り傷がいくつもついてる少年が大声で助けを求めながら入ってきた。
「どうかしたの?」
ギルドの入り口で息を切らしていた少年にギルドの受付のお姉さんが駆け寄って何があったかを聞いた。
「俺の村に……猪型の魔獣が大量に出て……村が襲われてんです!だれかたすけて!!」
少年は受付のお姉さんに向かって懇願するように涙を流して必死に訴えた。
しかし……
「猪型の魔獣か……あれ手強いんだよな……」
「しかも、大量って……本当ならやりたく無いな」
「こういうのは普通、アイツがやるんだけど今いないんだよな……」
ギルドにいる連中はあの少年の助けを求める声に応じない。
誰がやるだろう、そういう思考で自分は関係ないと割り切っているのだろう。
ふとアミを見る。
アミはあの少年の事を心配する様に見ていた。
少年の姿を見て前の自分に重ねているのだろう。
俺が今、どれほどの実力かはわからない。
でも少しはアミの前で格好いいところを見せなきゃな。
そう思って俺はアミの頭に手を乗せる。
頭に手を乗せられてアミは俺の方を見た。
俺はアミに笑いかけて、その少年の元へと歩いた。
「おい、坊主!」
泣いている少年に声をかける。
「ひっ……!!」
俺の風貌が悪い為か少年は俺の顔を見て怯えた。
「怯えんな、そして男が簡単に涙を流すな!」
俺は少年に対して喝を入れる。
そして俺は少年に向かってこう言う。
「お前のその依頼、俺が引き受けてやる。」