誘拐犯、撃破!!
扉を開けるとそこには怖い顔の男、龍吾郎が立っていた。
「「うわぁぁぁぁ!!!!」」
誘拐犯のである男2人はあまりにも龍吾郎の怖い人相にビビり散らかし腰を抜かした。
「お前ら、俺のつれ連れ去ったみてぇだな。
今どこにいる?」
俺は男2人を見るなり、こいつらが誘拐犯だと仮定してアミの居場所を聞いた。
「そ、そんな事知らねぇよ!」
左眼眼帯の男が即座に否定する。
「そうだよ!連れ去った子どもなんて知らないよ!!」
右眼眼帯の男は相方の言葉にに合わせて否定した。
だが、右眼眼帯の男はこの時墓穴を掘った。
「俺は"子ども"だとは一言も言ってないぞ?」
そう俺は"つれ"とは言ったが、子どもという事を俺は一言もこの男達に発していない。
「ば、馬鹿野郎!!」
左眼眼帯の男は俺の言葉に気がついて右眼眼帯の男を叩きながら怒る。
「ご、ごめんよ〜」
叩かれながら右眼眼帯の男は相方に謝る。
「それで?連れ去った子ども達はどこだ?」
「し、知らないよ!!」
右眼眼帯の男はすぐさま否定、しかし目線が床に設置してある扉を見ていた。
「……そこか。」
俺は右眼眼帯の見た扉に当たりをつけた。
「お、おまえ!!」
俺の態度に察しがついた左眼眼帯は右眼帯に怒鳴ろうとする。
「ごめんよ〜でも、見られたからには帰さないだろ?」
右眼帯は左眼帯を宥めながら俺の方を向いてニヤつく。
「あぁそうだな、相棒よ。たとえ魔人が来たとしても俺たち2人なら倒せる!」
左眼帯もやる気のようだ。
だが、コイツらも俺の事を魔人かなんかだと勘違いしてやがる。
こんな悪党に俺が悪者みたいな雰囲気出されるのは本当に腹が立つ。
「だから……俺は……!」
──マジックオープン
「魔人じゃねぇぇぇ!!初級風魔法ウィンド!」
かかってくる眼帯の男2人に風魔法をぶつける。
その結果このボロ小屋は天井と壁が吹っ飛び、男達をその場で気絶させるだけの被害を被った。
俺はその場で目を回して倒れてる男達を放置して床にある扉を開けた。
そこは地下へと続く階段となっており、俺はその階段を降りた。
ジメジメとした空間、壁に石が敷き詰められていて窮屈な地下を進むと鉄格子がしてある1つの牢屋を見つけた。
そこにはあの男達が連れ去ってきたであろう子ども達が閉じ込められていたのだ。
数は大体10数人程でどの子も怯えているようだった。
そしてその中には……
「た、龍吾郎さん!」
牢屋に俺を呼ぶ声がこだました。
俺を呼ぶ声の主はもちろん。
「……アミ!無事だったのか!!」
そう行方不明になっていたアミだった。
「待ってろ、今助けてやるからな!」
そう言って俺は牢を適当に風魔法でこじ開けてアミを出した。
「ありがとう……ございます」
出てきたアミは泣きそうな顔で俺に抱きつく。俺はこの子に怖い思いをさせてしまったと後悔の気持ちが出てくる。
他の子ども達も喜ぶようにアミに続くように牢屋から出てきた。
そして口々に
「ありがとうおじさん!」
と俺に対して言ってくる。
俺一応、27歳なんだがな……
そんなに老けて見えているのだろうかと少しがっかりした。
それでもアミや他の子ども達を無事に助けられたのは本当によかったと思う。
さて子ども達は無事だったし、あの男達をどうするか……
……そういえば冒険者ギルドでも相当話題になってたよな、この誘拐って。
……そうだ!!
◇ ◇ ◇
「閉じ込められていた子ども達は無事、親の元へと帰って行きました。
売られた子ども達もあの誘拐犯を調べれば帰ってくるはずです。
この度は誘拐犯を確保していただきありがとうございます!
こちら、報酬の金貨10枚です。」
冒険者ギルドの受付の小麦色の髪の女性は少し機嫌をよくしながら、俺に誘拐犯逮捕の報酬をくれた。
「ありがとさん。
それで……冒険者になるって話は?」
俺は報酬を受け取りながら、さっきは断られた冒険者になることについて聞いた。
今度は誘拐犯を単独で捕まえたという称号もある。
「はい!もちろん可能です!
それでは今から冒険者登録しますか?」
答えはオーケーのようだ。
まぁ今から出来るならそうするが、もう一つ聞きたい事がこの女性にはあって。
「あーそれともう一つ尋ねたい事が……」
「?なんですか?」
◇ ◇ ◇
赤い夕日が照らす街中、冒険者ギルドから出てきた俺とアミは目的地へと到達していた。
「ほらアミ、着いたぞ。ここが新しい家だ。」
たどり着いた場所はさっき受付の女性から聞いていた安くても借りられる家だ。
この家はなんと!1ヶ月たったの銅貨2枚という多分激安価格!
でもそんな激安価格には当然裏があって。
というのもこの家、全く整備がされておらず外装は所々穴が空いて家の中が見えるようになっておりしかも、家の中は埃が舞い蜘蛛の巣がそこら中にあった。
はっきり言ってボロ屋と言ったところだ。
でもそんな贅沢も言ってられない、雨風を割と凌げるだけありがたいと思おう!
ただ、この家をアミが気に入ってくれるかどうかはわからないが……
「ど、どうだアミ?」
俺は恐る恐るアミを方を見る。
アミは……目を輝かせながらこれから住むというボロ屋を見ていた。
「凄いです。今まで住んでいたところよりいいところです。」
それがアミの気遣いなのか、本当に言っている事なのかは俺にはわからない。
でもこれからもっとこの子の事を知っていこうと俺は思った。
「よーし、それじゃあ今日は寝れるくらい片付けをし……」
グ〜〜〜
俺とアミのお腹の虫が同時になった。
少し、静かになった後俺とアミは笑い合ってそのまま2人で街に食事をしに行ったのであった。