表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/62

龍吾郎VS魔王

 都市バゼレの真ん中にて2人の男達が戦いを行っていた。


 1人はこの世に復活し、世界を破滅へと誘いし者、魔王。

 もう1人は知らないうちに"この世界の裁定を正す者として連れてこられた転生者"。


 双方がそれぞれの想いを胸に戦いが始まる。


 互いに魔法で加速し素手でぶつかり合う、自身に強化魔法を使っての接近戦の攻防。


 しかし魔王の攻撃は鋭く、重たくそして素早い。

 龍吾郎の攻撃より手数も威力も上なのだ。


 龍吾郎の魔王の顔面に向けた拳を魔王は余裕を持って躱し、魔王は龍吾郎の腹部に拳を直撃させる。


 殴りの反動で龍吾郎は後ろに吹き飛ぶが吹き飛んでる最中、体勢を立て直す。


「──バーニング!!」


 転生者クーリッシュは魔王に対して炎系統の魔法を飛ばされながらも放つ。

 魔法は魔王に直撃、その場一帯に煙が巻き上がる。


「やったか?」


 巻き上がる砂煙を見つめながら龍吾郎は呟く。

 しかしそういったお決まりのセリフの後の展開なんて大体決まっている。


「この程度か?」


 砂煙が晴れ、そこには大したダメージを喰らっていない様子の魔王が立っていたのだ。

 流石、魔王を名乗るだけあって強さは今までの敵とは段違いのようだ。


「では次は我の番だ」


 そう言って魔王は手を上へ掲げる。

 彼の手には膨大なまでの魔力が集められていく。

  

 おそらく奴が放つのは強大な魔法……

 これを喰らえば俺は終わる……だがしかしあの魔法が地面に直撃すればこの辺一帯も消し飛ぶ。

 ここら辺が消し飛べばあの子が……アミが帰る家が無くなる。 

 だからこそ俺が退く訳にはいかない、俺は強大な魔法を放とうとする魔王の前に立つ。


 魔法の妨害……あの魔法の余波のせいか魔王の周りには強固な魔力の結界が出来ている、魔王が魔法を放つまでの短時間で突破するのは困難だろう。

 ならば魔王が放った魔法に真正面から対処するしかない。


「──マジック……オープン」


 俺はあの魔法に対抗出来る魔法を探す。

 一番威力が高い魔法……あの魔法と打ち消し合う魔法……

 そしてその魔法はすぐに見つかった。


 でもこの魔法を使えば……いや、もうこれしか……


「……お父さん!!」


 俺が半ば諦めとある魔法を使おうとした時、アミの声が……聞こえた。

 幻聴……?いや違う、この声は本物だ!

 声のした方をすぐに見た。


 そこには息を切らせながら立っているアミの姿があった。


「なんで来た!!」


 俺はアミに向かって叫ぶ。

 なぜアミが来たのかはわからない。だがこの状況……不味い、魔王が特大の魔法を撃つ時に来るなんて最悪だ!

 なんとかあの魔法を止めないと……


 そう考えた時だった。

 魔王からしていた特大の魔力が消えた。


「なっ……!?」


 俺は魔力が消えたことを驚きながら魔王の方を向く……


「…………アーミレッタ?」


 魔王はアミを見てそう言い放ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ