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みんなで

 俺の目の前にはマーヒィとファリアがいた。

 あの時戦いに巻き込まないようにと城壁のところで置き去りにしたはずなのに彼女達はそこにいたのだ。


「なんで……ここに?」


 彼女達を見た俺はそう口走った。


 彼女達は通常は後方支援担当であり俺の前に出るになんてまずはない、それは彼女達自身にさほど戦闘能力がないためである。


 しかし倒れ込んでる俺の前に出て来た彼女達は俺の方を振り返り……


「そんなの決まってるじゃない!」


 まずはファリアから口を開いて強い口調で話し出す。


「私達みんなで戦うためです!!」


 次に話し出したのはマーヒィだった。


「私達はパーティでしょ!?それなのになんであなたは私達を置いて言っちゃうの!!」


 ファリアは俺がした事に対して怒りを露わにする。


「……さっきの戦いでもしかしたら2人は死んでたかもしれない……だから危険な目には……」


 俺は先程の行いについての弁明を2人にし始める。


「危険な目?そんなの冒険者になった時点で覚悟は出来ています」


 そして俺の弁明を遮りマーヒィは反論する。


「確かにさっきの事は私達の実力不足でした……でもだからと言ってあなた1人援護も無しで敵陣に突っ込むなんて無謀にも程があります!!」


 普段は温厚な彼女のこのような必死で怒りを出している姿は初めて見たのだった。

 それで俺は彼女達に怯んでしまう。


「だから……どうかまた私達と一緒に戦ってください」


 ひと通り感情をぶつけたマーヒィは俺に手を差し出す、それを見たファリアも俺へと手を差し出した。


 あぁ、俺は忘れていた。

 確かにユウトの力は強くて彼女達を守れた何それだけじゃダメなんだ……

 仲間と一緒に戦ってこそ俺の力はより引き出されるのだ。


 ユウトがキッカケをつくって、彼女達の俺への想いがその事を思い出させてくれた。


 だから俺は2人の手を取り立ち上がる。


 そして俺達は目の前に立つ魔人に向かって対峙する。


 これから俺達3人とあの魔人との戦闘が始まるわけだが……しかし周りに魔獣が多すぎる。


 俺達3人だけでこの数百はいるであろう魔獣と魔人を相手にするのは正直厳しい……

 どうする……?


 そう思考を巡らせている時だった。


「くたばれっ!!」


 突如として魔法が飛んできて1匹の魔獣に直撃する。

 俺は魔法が飛んできた方を振り返った。


 そこにいたのは……大勢の冒険者だった!


「俺達も戦うぜ!あんた達ばっかりにいい格好はさせないぜ!!」


 冒険者の数は都市パゼレにいた時よりも増えていた、そうついに他都市からの援軍が訪れたのだった。


 援軍である冒険者達は俺達の周りの魔獣との戦闘に入り、俺達は改めて魔人との戦闘に移る。

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