誘拐事件!?
冒険者ギルドを出てアミと別れた場所に着いた時、そこにアミはいなかった。
当たりを見回しても、声を上げて探そうともアミは見つからなかった。
もしかして俺の事を見捨てて、何処かへ行ってしまったのか?
そんな思考が脳裏をよぎる。
だがしかし……
「いってらっしゃい」
あの時見送ってくれた時の笑顔は間違いなく本物でそんな子が何処かへ行くなんてない事なんだ。
だとしたら、何故ここにいないんだ?
『近頃ここらで小さい子を狙った誘拐事件が……』
ふと冒険者ギルドで耳にした言葉が俺の頭の中に浮かんだ。
まさか……いやそうだとしたら……
「説明!!人を探せる魔法を教えろ!!」
その場で説明に声をあげて命令した。
【それなら探査風魔法がオススメです。】
俺の命令にすぐさま説明は冷静に答える。
──マジックオープン!!
俺はなんの躊躇もなく、目の前に魔法の名前を出した。
必死に目を動かして、隅々まで説明が言った魔法を探す。
アミは他人だ。それでも、あの子は1人になってしまった……だから俺があの子を守ってあげないと。
理由なんてどうでもいい。
ただ俺がそうしたいから今あの子が困っているんだったら助けてあげたい。
そしてようやく見つけた。
「──探査風魔法サーチブリーズ」
俺の体から風が流れて街を駆け回っているのがわかる。
その風はどこに誰がいるのかを俺に肌で教えてくれる、この広い街でたった1人を探すのは骨が折れる作業だ。
だけど……
「見つけたぜ」
◇ ◇ ◇
「今日もたんまりだな、相棒よ」
「へっへっそうだろうよ、相棒」
都市バゼレの外れにあるボロ屋、そこに2人の男がボロボロの椅子に座りながら酒を飲んで駄弁っていた。
1人は右眼に、もう1人は左眼に眼帯をして2人ともスキンヘッドのお揃いの格好だ。
「ちいせぇ子ども連れ去ってそれを奴隷商人に売る。結構儲かったな〜」
「あぁ、ひとまず1人になったガキを素早く拉致ってこの家の地下に隠しておきゃだ〜れも気づかねぇ。」
誘拐犯の男達はそう言って、床にある地下への扉を見ていた。
「それにしても相棒、今日捕まえた中で半魔人のガキがいたが……ありゃ大丈夫なんかい。下手に魔人でも呼び寄せたら敵わんよ。」
右眼に眼帯を付けている男がおっかなさそうに相方に相談する。
「大丈夫だ相棒。半魔人のガキは希少性が高くてな、物好きが買ってくんだよ。それにこんな都市じゃ魔人なんて来ねぇよ。」
「あっそっか!」
左眼に眼帯の男の言葉を聞いて安心した右眼眼帯の男は笑い、それに釣られてもう1人の男も大声で笑った。
ゴンッゴンッゴンッ
玄関であるボロい木の扉の向こうからノックの音が聞こえた。
「ん、誰だ?大家か、もう家賃の取り立てかよ。」
めんどくさがりながらも、左眼眼帯の男は扉へと近づき開けた。
しかしそこにいたのはいつも家賃を取り立ている大家のおばさんではなく、紺のスーツに身を纏った左手の指が一本欠損している。
龍吾郎だった。
「よぉ、お前らえらい事してくれたな?か
カチコミに来たで」