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再び王都へ

 王都へと着いた俺はすぐに王城へと足を運んだ。

 少し前に襲撃され多くの被害を受けた王都だったが、今は無事に復興出来ているのか以前よりも活気があり立派な建物が増えている。


 王城前にまでたどり着き、中へと入ろうとした。


「ちょっとあなた誰ですか!?ここは王城ですよ!?アポは取ってるんですか!?」

 

 その時、王城前を守っている門番にに呼び止められた。

 その男に見覚えがなく、おそらく最近雇われたのだろう。

 だから俺とも面識はなく俺のことを怪しんでいるようだ。


「一応国王の知り合いなんだけど……国王と話がしたくて」


 俺はそう門番に伝える。


「そんな話を信じろって言うんですか!!」


 と普通の反応をされてしまい、余計に怪しまれてしまう。


 どうしたものか……そんなことを考えていると。


「あら?龍吾郎さんどうかなさいました?」


 後ろから声をかけられ後ろを振り返った。

 そこにいたのは国の国王となった三姉妹の長女ガーラとそのお付きのアーサーだった。


「あぁ、久しぶりです。ちょうどあなたに話がありまして……」


 俺は来た目的をガーラに話した。

 そして門番の男は俺とガーラが普通に会話しているのを見て。


「ガ、ガーラ様!?この男と知り合いなのですか!?」


 非常に驚いた様子でガーラに尋ねた。

 その門番の問いに対してガーラは。


「えぇ、彼は以前族の襲撃の際に共に戦ってくださったお方で彼の娘さんはリリーのお友達なのです。」


 と優しい口調で門番に俺のことを説明してくれた。

 その言葉を聞いた門番は慌てた様子で


「そ、そうなのですか!?……そうとも知らず疑ってしまい申し訳ございませんでした!!」


 俺に深々と頭を下げて俺に謝罪をしてくれた。

 元はと言えば俺が怪しい風貌なのが悪いのだが……


「いやこっちも悪かった、頭を上げてくれ。まあこれからもよろしくな」


 頭を下げていた門番に頭を上げてくれるように頼み俺も門番に謝罪をし一応挨拶をした。 


 そして俺はガーラについて行くように王城へと入った。

 しばらく城の中を歩き、ガーラの仕事部屋のような場所に連れて来られる。

 部屋には無数の本棚が置いてあり、様々な国や外交についての書籍が見えた。


「それで……何かあったんですか?」


 部屋に案内され、部屋の椅子に座らせてもらってからガーラは俺に事情を聞いてきた。


 俺はパゼレの孤児院であったことについてをガーラに話した。

 バレディレッタの事、孤児院の取り壊しの事、そしてそれらを国王が指示したこと。


「……なるほど事情はわかりました」


 俺の話を聞いたガーラはゆっくりと何かを考えるようにしていた、その時傍にいたアーサーが。


「国王が孤児院を取り壊すことを指示した!?そんなことはあり得ない!何故なら先代国王の頃から孤児院への支援を行っていたはずだ!」


 孤児院が取り壊される事についての異議を申し立てていた。

 だが孤児院への支援を行っていたということをアーサーから聞かされて俺はその事を疑問に感じた。


「孤児院への支援を行っていた……?それは本当なのか!?パゼレの孤児院の建物はかなり昔のものでボロボロだった!

さらに寮母さんからの話では最近王都からの支援は減ってきていると聞いた」


 孤児院へ足を運ぶことがあった俺は毎回のように孤児院の建物が酷く損傷していることを気になっていた。

 さらにナイヒィールの話によれば王都からの支援はほとんど無いという、先程のアーサーの言った事とは食い違っていた。


「おかしいです……パゼレの孤児院ならちゃんと王都からも支援は行なっているはず……アーサー!」


 何かを考えるかのように考えていたガーラはアーサーの方を向き、彼を呼んだ。


「はっ!何をすればいいですか?」


 アーサーはガーラに返事を返す。


「バレディレッタについて、調べて欲しいんです。彼の周りでの金の流れや彼の素性を詳しく調べてください」


 ガーラはアーサーにバレディレッタの事について詳しく調べるように指示を出す。


「龍吾郎さん、この事を教えてくれてありがとうございます。彼については我々の方で詳しく調べもしもの場合は厳重な罰を与えます」


 ガーラは俺に感謝の言葉を述べ、バレディレッタについての罰を与える事を誓ってくれた。

 これで孤児院については大丈夫……だが俺の中で何か胸騒ぎを感じた。


「……調査はいつ頃終わりますか?」


 何故だろう今こうしている間にもアミに何か起こっている、そういう気がしたのだ。


「大体……3日もあれば何かしらの証拠は出るかと……」


 ガーラは俺の問いに対してすぐに答えを考えたその結果が出る日数について割引出してくれた。


 だけど……


「それじゃ……遅いんです……。無理を言っているのはわかります!けれどすぐにでもあの男を止めないとダメなんです!」


 俺はバレディレッタに対して何か危険なものがあると判断してガーラに強く言う。


「ですが……」


「アイツはアミに危害を加えたんだ!今こうしている間にも……」


 少し戸惑うガーラにアミがバレディレッタに危害を加えたと話した最中だった……


「は?」


 部屋の入り口ら辺で声が聞こえた。


「アミに手を出した……?」


 その声は子供ながらも静かだが、それとは別に重たく怒りが込められていた。

 俺とガーラとアーサーはその声の主を見た。


「その話……ゆっくりと聞かせてもらえないかしら??」


 そこにいたのは今一番この話を聞かれてはいけない(話が拗れるから)リリーだった。


 そして龍吾郎が王都でガーラ達と話しており、その日の夕方のパゼレの孤児院では……


「何故貴方達が来ているのですか!?」


 その姿を見てナイヒィールは酷く動揺する。


「いや何気が変わってね、今からこの孤児院の取り壊しを行います!」


 バレディレッタ一行が孤児院に現れたのだったのだ。

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