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クラーケン討伐!そして不吉な兆候!!

 翌朝、俺達はクラーケンへのリベンジを兼ねて再びビーチに集合した。

 昨日と変わらず気持ちいいほど清々しい空模様。


「よーし!あのバカでかいイカ倒して今日はイカ焼きだ!!」


 俺は景気付けに一声全員にかけた。

 とは言っても、今日クラーケンが出るという保証はない。

 さてクラーケンが出るまで少しばかり暇になるな。


 懲りずに女性陣は水辺で遊んでいるようだし、俺は近くにいるクーリッシュとでも会話してよう。


「おう、お前は遊んでこなくていいのか?」


 海辺で黄昏ているクーリッシュに話しかける。

 俺の声に気がついたのかクーリッシュはこちらを見た。


「ん、まぁな。いつクラーケンが出てもいいようにしてるだけだ」


「ちゃんとしてるんだな」


 俺はクーリッシュの心掛けに関心した。


「それにみんなの元気そうな姿を見ているだけでも俺は満足なんだ」


「まぁ平和そうだよな……」


 俺とクーリッシュは水辺で遊んでいる女性陣を眺めながら会話を続けた。

 も、もちろん邪な感情で見ているわけではないとだけ弁明しておこう。


「魔王がいた時代はこんな平和がなかったらしいからな、今は封印されているからこんな風な幸せな時間があるんだろうな……」


 クーリッシュは感慨に耽っていた。

 魔王……そういえば前にクーリッシュがいってたやつか。

 確かコイツの(自称)先祖であり(自称)前世のユウトという男が昔封印したとか。


「そんなにヤバいのかその魔王ってのは?」


 俺は興味本位で魔王についてクーリッシュに聞いてみた。


「いや俺も生まれてない時代の話だからよくわからんが、相当な脅威だったらしいぞ。

まぁ俺の先祖のユウトが退けて封印したんだがな!!」


 自慢げに自分の先祖の功績について語るクーリッシュ。……封印か。


「封印って下手したら封印が解かれる可能性があるのか??」


 封印という言葉を聞き、何故だか胸騒ぎがした。


「大丈夫だろ、そんなに簡単に封印は解けないだろ。なんで言ったてあのユウトが封印したんだからな!」


 またしても自信満々に答えるクーリッシュ。

 そういった発言はフラグという物なのでは?と考えたその時だった。


 突如として地面が激しく揺れる。

 ──地震!?異世界にも地震というものはあるのか!?


「な、なんだこれは!?みんな海からでろ!!」


 クーリッシュが地面の揺れに激しく動揺している。

 まるで初めての事のように……

 これは地震じゃないのか?だとしたらいったい……


「なんなんだこれはクラーケンが出る予兆か?」


 地面の揺れに女性陣は慌てて海から飛び出てビーチへと逃げ込む。

 クーリッシュはこの揺れをクラーケンの仕業だと考えているが、前回こんな揺れはなかった……この反応的にこの世界には地震が事も考えると……いったいなんなんだ?


 少しして揺れはおさまった、特にビーチとかには被害は出ていないが……


「……きたぞ」


 クーリッシュは海を見てそう呟いた。

 俺もその言葉の意味を理解して海を見る。


 そこにいたのは昨日見た事のある巨大なイカ、クラーケンだった。

 さっきの地鳴りはこのクラーケンの仕業か?いや、今はそんなことを考えている場合では無い。


「アミ!リリー……様!」


 俺は打ち合わせ通りにアミとリリーを近くに呼んだ、一応王女の為リリーには様付けをしたが少し違和感あるな。


「うん!」


「ちょっと言い方変じゃなかった!?」


 アミもリリーも俺の呼びかけに応え俺の元へと走ってきた。


「よしっそれじゃあアミ!いくぞ」


 アミが俺の隣に立ち、アミに合わせる為に声をかけ、アミは俺の声に頷く。


「「──ウォーターボール」」


 俺とアミで同時に魔法を唱える。

 次の瞬間海面から少し体を出しているクラーケンの体の周りに多くの海水に覆われる。

 しかしまだ足りない。まだクラーケンの体を覆った程度、あと少し……なので。


「リリー!」


 アミが自分の後ろで待機していたリリーに呼びかける。


「わかったわ!!」


 アミの呼びかけに目を輝かせながら勢いよく返事をし、リリーは俺とアミの背中に触れた。


「──ブースター!!」


 リリーが俺とアミに魔法を使う。

 リリーの魔法は人の魔法を強化出来る魔法、これを使って俺達はクラーケンを"海ごと引っ張り出す!!"


 水に周囲を囲まれたクラーケンはそのままゆっくりとクラーケン自体を囲んでいる水ごと上空へと浮かび上がった。


 そうクラーケンに対しての戦略はクラーケンに俺とアミの魔法により水を纏わせたまま拘束した一旦海から引き剥がしビーチの上へと移動させそして……


「クーリッシュ!!」


 クラーケンを捕まえてある水の球が上空へ上がるや否やすぐに合図を出す。


「あいよ!!」


 そう答えたクーリッシュは既にマーヒィとファリアの魔法によりクラーケンを捕らえている水の球と同じ高さまで飛んでいた。


 クーリッシュは空中で自分の武器である剣をクラーケンへと向けた。


「──一閃!」


 クーリッシュは物凄い推進力でクラーケンの元へ一直線に飛んでいき、水球の中へと入り次の瞬間にはクラーケンを水球の外へと押し出した。


 水球から出されたクラーケンはそのまま砂浜へと落下する。


「よしっ!アミもういいぞ!」


 水球の必要がなくなった為、空中に浮いている水の塊をそのまま海へと返した。

 

「──ファイア!!」


 水を元に戻してすぐに俺もクラーケンへの攻撃に加わった。

 

 結果を言うと水に入っていないクラーケンは然程強くは無く、俺とクーリッシュの2人であっという間に討伐に成功した。


 俺の魔法そしてクーリッシュの剣撃によりクラーケンの体は切れそしてそのままコンガリと焼けたのだった。


 思った以上に簡単に倒せた為、拍子抜けと思いながら俺達はそのまま昼飯に焼けたクラーケンを食して一応依頼は達成となり、今日1日俺達の貸切で海を満喫する事にした。


 ……ところでクラーケンが出る前のあの地鳴りはいったいなんだったのだろうか?



 ビーチでクラーケンを討伐してそれを食している龍吾郎達とは離れた洞窟。

 その奥地ではかつて世界を脅かした魔王が封印されていた。


 だがしかし突如謎の地鳴りが発生する。

 この地鳴りの正体……それは別の世界でたった今行われている大規模な戦いにおけるたった1人の男の力の余波による物なのだが、この世界とは無関係の別の話である。

 

 しかしその力の余波が魔王を封印に亀裂を生じさせてしまったのだ。


 それだけならまだ大丈夫……の筈だった。

 この封印はかなりの古く、効力が弱ってきていたのだ。

 さらに封印に入った亀裂から魔王は外の魔力を感じた。

 そして一つだけ魔王にとって身に覚えのある魔力の存在に気付く。


「……この魔力、まさか……!」


 魔王はその魔力の主を探さんが為に……封印を破る事にした。

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