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王都編【18】

 龍吾郎が街中に出てきて侵入してきた連中の相手をしていた。

 結果的には圧倒的なまでの力とその場にいた兵士たちへの指揮もかなり優れていて状況は有利に動く、さらにはそこにクーリッシュまで合流して残った侵入者勢力を次々に倒していった。


 しばらくの時間が経ち、王都に侵入してきた一団はほとんど倒され捕まった。


 王都の住民にかなりの被害が出たが、それも襲撃直後の事で国王の指揮の元、兵士達が働いた甲斐もあって総合的な被害は少ないという話だ。


 あらかた侵入者達も片付き、龍吾郎はひとまず王都に来ていたクーリッシュとその仲間の2人といた。


「まさか来てるなんてな〜」


 気軽な感じでクーリッシュに話しかける。

 それにしても、よく相当な怪我だったのに王都まで来れたなっと関心もしていた。

 肉体的にも精神的にもだ。


「いやいや、俺たちなんてそんな大した事はしてませんよ」


 クーリッシュも軽くで俺に返事を返す。


 お互い……というより、この場にいる兵士含めて全員が襲撃が終わってリラックスしていた。


 王城側では3人の王女達とアミが国王と共にいて話している様子も確認が出来ていた。

 俺たちから見て反対側の方にも兵士達が互いに労うように会話しているのも見えていた。


 まぁこれでめでたしめでた……


【──!!来ます!!】


 大円団で締めようとした時、俺の中の説明が強く忠告した。

 その次の瞬間、何か複数のものがこちらへとやってくるのに気がつく。


「「「我ら四天王!!長のハーゲルン様がやられたとしても!目的は遂行する!!」」」


  3つの人影が兵士達側から王城にいる王女と国王の方へ向かってきていた。


 一瞬、思考が停止する。

 しかし、四天王と名乗った刺客達の目的は明らかであった。

 

「まもれぇ!!」


 咄嗟に俺は兵士達に向かって叫ぶ。

 油断しきっていた兵士達のほとんどは迎え撃つのに遅れる、しかしまだ完全に油断の溶けておらずすぐに動けた兵士達もいた。

 動けた兵士達はこちらへ向かってくる3人のうち1人の足止めに成功する。


 それでも残り2人が国王と王女達を狙ってこちらへと迫ってくる。

 1人は俺でなんとかできる……しかしもう1人は……


「俺に任せろ!!」


 すぐ横でクーリッシュが叫ぶ、俺はすぐにクーリッシュの言葉を信じて向かってくる2人のうちの1人に対処する。


 刺客の2人は素早く俺達を抜けようとしている、躊躇えばコイツらは俺達を抜けてしまう。

 その時クーリッシュと龍吾郎の脳内では1つの決断があった。


 ──今ここで殺す!


【──が来ます!!】


 説明が俺の脳内で叫ぶ。

 魔法使用のことで頭がいっぱいになっていた為全ては聞き取れなかったが、刺客が来るという意味合いだろう。


「──エアカッター!!」


 俺は風魔法、手に風の魔力を集めて刃状にして向かってきた刺客に振り下ろして斬り捨てた。

 クーリッシュは自分の武器である剣にて刺客を斬り伏せる。


 龍吾郎とクーリッシュに斬られた刺客2人は倒れ絶命する。


 よし……これで……大丈夫だ──


【違います!!矢が来ます!!】


 安堵していた俺に説明は再び叫んだ。

 しかし時すでに遅し……そうだった奴らは四天王と名乗っていた……それなのに3人しかおらず、四天王と言うには1人足りてなかった……


 そうだった……そういえば虚空の森や王城で飛んできた矢……アレを放った奴の事を忘れていたのだ。


 どこかしらの高台から放たれた矢は、第1王女ガーラ目掛けて進んでいた。

 その事にいち早く気付いたアーサーはガーラの前に立ち、自らが盾となり主人を護ろうとしていたのだ。


 ダメだ……追いつかない!!

 俺とクーリッシュはガーラ達から距離が離れていた、短い時間の中魔法を使う余裕すらなく、届かないはずの手を俺達2人で伸ばしていた。


 そして矢は……

 ガーラを護ろうとして前に立ったアーサー



 を突き飛ばして護った国王、シュルバンの胸へと突き刺さった。

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