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王都編【17】

「お父さーーん!!」


 アミがベランダに出て叫ぶ。

 日の日差しがアミを照らし、私はただそれを見ていた。


「さっ行こっ!」


 こっちに振り返ったアミは私に手を伸ばして誘う。

 

「な、何をする気なの?」


 私はアミに何をする気なのかと問う。

 そうすると彼女はベランダの手すりに足を乗せて立った。


「ここから飛び降りるの!!」


 その言葉に脳の理解出来なかった。

 ここから地上までかなり離れている、もちろん私たちが落ちたら無事ではすまないくらいだ。

 だが彼女の顔はそんな不安もなくとても輝いていた。

 そして次の瞬間には私の中にあった不安は全てきえた。


「行こっ!リリー!!」


 その言葉の中の何かが変わった気がした。

 そうだ、私たちは友達なんだ。ならその言葉を信じてあげるのが友達ってもの……


「うんっ!」


 私はアミの言葉に頷いて、アミの手を取った。

 そして私たち2人はベランダから一緒に飛び降りた。


 地面が近づく、怖い……という思いは確かにある、しかし私の隣にはアミがいる。

 それだけでその恐怖は無くなるのだ。


 そしてアミとリリーの2人がベランダから地面に落ちてくる……その場所に物凄い速さで人影が迫ってくる。


 2人が落ちてくるタイミングとその人影が2人が落ちてくるタイミングがちょうどよく合致する。


 何かに包まれた感触をしながら私たちは地面を水平に移動していて地面に到達した。


 私とアミの2人は気付いた時には、私たちが落ちてくるところに来ていた人物……アミの父親である龍吾郎の腕で受け止められていたのだ。


 「いててっ……まったく無茶するなぁ。大丈夫か?」


 アミの父親の龍吾郎は痛がりながら私とアミに向かって心配する様に話した。


「うんっ!」


 アミは龍吾郎を見て笑顔で頷いた。

 アミが待っていたのは彼が来ることだったのだ。


 龍吾郎は私たちを地面にゆっくり降ろして立ち上がる。

 龍吾郎の背中はさっき落ちてきた私たちを受け止めるために地面を背にして飛んでいて私たちを受け止めた後、背中を引きずりながら地面に着地したであろう痛々しい擦り傷がついていたのだ。


 だが龍吾郎はその痛みを我慢して立つ。

 そして目の前の侵入者達に目を向けて。


「さてっまだまだ暴れてやるか!!」


 龍吾郎はそのまま侵入者に向かって攻撃を仕掛けたのだ。

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