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王都編【15】

 アミがベランダから大声で叫ぶ少し前まで再び遡る。

 龍吾郎は王都を攻めてきている集団のリーダーと思しきハーゲルンと対峙していた。


「──ファイア!!」


 炎の球をハーゲルンへと発射する。


「──シールド」


 しかしハーゲルンは魔法で盾を生み出して龍吾郎の攻撃を防いだ。


「どうしました?それで終わりですか??」


 ハーゲルンは余裕そうな表情で訊ねる。

 強い……流石はこの世を支配する者とか息巻くだけはあるようだ。

 けれども勝てないという程ではない。


 魔法の盾でこっちの魔法を防ぐのならば!


「──フロート!」


 俺が魔法を唱えた次の瞬間には俺はハーゲルンの目の前にまで到達した。


「ッッ!!」


 ハーゲルンも即座に俺に反応して身構える。

 そう魔法の盾で防がれてしまうのであればその盾を出せないくらい近くに接近、そして素早い攻撃を仕掛ける事が正解だ。


 ハーゲルンに何度も拳をぶつける。

 ガードが間に合わないハーゲルンはまともに攻撃を受けて、後ろへと飛び距離をとる。


 その後ろへと飛ぶ最中、ハーゲルンは魔法で炎やら水やら様々なものを俺へと飛ばしてくる。


 数が多い……早く避けないと。

 

【ハーゲルンの使用していたシールドを使用できるようにしました】


 説明からお知らせがきた。

 ナイスタイミングだ!!


「──シールド!」


 そう魔法を唱えた瞬間、俺の目の前にはハーゲルンと同じような魔法の盾が現れてハーゲルンの放った魔法を防いだ。


「なっ!なに!?……ま、まだまだぁ!!」


 自分の放った魔法を全て防がれたハーゲルンは驚きの声をあげ、更に魔法を放つ。


 しかしそれら全てをシールドの魔法で防いでダメージを受けずにいた。


「さて、こっちからもいくぞ!!」


 魔法が一通り止んで、反撃をしようと攻撃する姿勢をとる。


 しかし……


「まだだ!私はまだこんなところでは終わらないぃ!!!」


 そう叫びハーゲルンは自分の服から何かを取り出した。


 それは魔獣やら魔人を倒した時に出る魔石に似ていて……


「私はこの魔石を飲んで人間を辞めてやりますよぉ!!」


 そうしてハーゲルンは自分の口に魔石を入れてそのまま飲み込んだ……


 するとハーゲルンの体は大きく太くなってさっきまでとは何倍も体が大きくなっていた。

 ハーゲルンの変化はそれだけではない、魔力がさっきのハーゲルンとは比べのもにならない程に膨張していった。

 おそらく魔力量だけなら俺よりも多くなってしまったのだ……


「さて、貴方を殺すとしましょう」


 ハーゲルンの変身が終わる、もうハーゲルンは人間とは呼べない……

 ハーゲルンはまさに、魔人へと成った。

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