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王都編【14】

 クーリッシュ達の戦闘の少し前に遡り、場所は王城にいるアミとリリーへと移る。

 

 彼女らは城に入ってきた謎の集団に追われている真っ最中なのだ。

 狙いは恐らくリリーだろう、この国の第3王女である彼女には少なからずとも価値があると考えた。


 逃げている最中、リリーが足を躓かせ、転んでしまう。

 このままだと捕まってしまうリリー、咄嗟にアミは踵を返しリリーとリリーに向かってきている男達の方を振り返る。


 正直人に使うのは抵抗があった……けれど、ここで動かきゃ!お父さんにも顔も合わせられないし、しかも……


「水魔法!ウォーター!!」


 先日覚えた水魔法、それを使った。

 アミの手から発射される水の塊、それがリリーにあと一歩まで近づいてきていた男に命中する。


「はしって!!」


 いきなりの事でキョトンとしているリリーにアミは呼びかける、リリーもアミの言葉に反応して立ち上がり再び走り出す2人。


 必死に走る2人、それでも追ってくる相手は大人で男達逃げ切れるのは至難の業だった。


 アミは追っ手を振り切ろうと、この前習得した水の魔法を使う。


「──ウォーター!」


 アミの手から放たれた水の塊は2人を追ってきている男達に向かって行った。

 しかし、男達はアミの出した水の塊を造作もなく弾いた。


「来るってわかっていれば対処可能なんだよ!こんな弱い魔法!!」


 弾きながらそう満足気に語る男、魔法が効かない……そうなるともう2人には撃つて無しな状況に陥った。


 2人はすぐ近くの部屋に急いで入る。

 これが悪あがきなのは知っている、少し時間を稼いだところで……

 アミはこの状況に不安を覚えていた、そんな時だった。


「……アミ、さっきの魔法まだ使える?」


 リリーはアミの手を取りそう尋ねた。


「できる……けど、私の魔法じゃあの人たちには……」


 自信喪失になるアミ、そんなアミにリリーは……


「1人じゃ難しい事でも、私たち2人なら!」


「えっ……?」


「私の使える魔法はね……人の魔法を強化する魔法なの、だから力を貸して!アミ!!」


 アミの手を強く握るリリー、その手が震えているのにアミは気付く。

 怖くてもなお、私を信じてくれている。

 そんなリリーをアミは信じてみることにした。



 扉を破壊する音が聞こえる。

 2人は部屋のベランダ付近にまで下がり、扉を真正面に構えた。


「ねぇそれじゃあ私からもいい?」


 扉がもう少しで壊れるという時にアミはリリーに提案した。


「ん?」


 扉が壊れ男達が入ってくる。その瞬間にアミとリリーは魔法を発動する。


「水魔法ウォーター!!」


「強化魔法ブースター!!」


 2人の息の合った魔法はそのまま扉を壊して部屋に入ってきた男達に直撃する。

 男達は扉を壊したら魔法が飛んでくることは予想していた。

 しかしこの魔法の威力はさっきまであみの放ったものの倍はあったのだ。


 何人かの男は倒せたが、それでもまだ全員を倒し切れていなくてまだ男達は部屋に入ってきたのだ。


 するとアミはベランダにリリーを引っ張って出て……


「お父さーーん!!」


 そう外に向かって叫んだのだ。

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