表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/35

16 学校の七不思議2

少し横着をしていると思われるかもしれませんが、頑張って作ったので読んでください。

僕らは今、2階の理科室へと赴いていた。

これから、一つ目の七不思議を調査しようとしていたところだ。先輩の話によると、この部屋にある骨格標本が、いきなりキレキレな動きで踊っていたという噂らしいのだが…。


流「全然踊って無いじゃん…。しかも、ピクリとも動いてないし」


彩芽「…あれ?おかしいなぁ〜、確かにそう言ってたんだけどなぁ〜?」


と言いながら胸ポケットからメモ帳のような物を取り出して確認する。その様子を見て、僕は再度骨格標本に視線を向けた。

すると……。


さとみ「久しぶりだねー!これで良くダンスを踊らせてたなー!」


と言うさとみの一言に、僕は……。

いやお前の仕業かい!と思うのだった。


□□□2階女子トイレ前


彩芽「次はここです!」


流「ちょっと待ってください!」


彩芽「なんですか?」


僕はそこで彼女に静止を呼びかけた。理由は至って単純明快。


流「なんで女子トイレなんですか!」


ということだ。僕ら男子にとっては禁制の場所。無闇に入っていい場所では無い。もちろん、それが部の活動であってもだ。


彩芽「なんでダメなんですか?別に女子なんて私以外誰一人としていませんよ?」


言えないけどガッツリ居ますよ?ここに妖怪の女の子が二人いますよ?と横目でさとみを見ながら心の中でそう訴え掛ける。………あれ?

そこで僕はあることに気がつく。


流「おい幸兎?」


幸兎「なんだ流?」


流「真紀はどうした?」


そう、理科室の骨格標本の観察を終えてからというもの真紀の姿を見かけていないのだ。なので、幸兎に聞いてみると……。


幸兎「真紀なら、トイレに行くって言ってそのまんまだけど?」


と言った。それならそれでいいのだが、なんだかこの後の展開が読めたようなそんな気がした。


彩芽「二人ともこそこそとなんの話をしているのだね?」


彩芽先輩は、僕らの会話が気になったのかじかに聞いてきた。僕らはその質問に、こう返答を返した。


流「いえ別に…」


幸兎「ただの世間話ですよ」


……と。

そうして、半ば強制的に僕ら男二人は女子トイレに侵入させられた。ここの七不思議を調査する為に……。


彩芽「え〜とっ…ここの七不思議の噂は……、夜のトイレでひたすらめそめそと泣くような声で紙をくれと要求する霊の声………か」


と彼女が言い終えたその瞬間。


??「だっ誰かそこにいるのぉ〜……?(めそめそ)この際男でも誰でもいいから、かっ紙をくれませんかぁ〜……?(めそめそ)」


と奥の扉から、文字通りめそめそとした泣き声でハッキリと訴えかけてきた。だが、この声にはどこか聞き覚えがあった。


??「だれかぁ〜…?紙ぉ〜……?」


彩芽「うっすらですが聞こえる気がしますね」


僕らにはハッキリと聞こえてますけどね。


??「なんでいっつも私が入る時に限って紙が無いのよ〜…!不運だわ〜……!」


不運。その言葉で、僕はもうわかってしまった。その声の主が……。


流「これ真紀だよな?」


幸兎「確実にそうだと思う」


と彩芽先輩には聞こえない声量で幸兎に囁くと、幸兎もここの正体がわかっていたかのように返答を返した。いろいろわかったところで、僕は近くに置いてあった予備のトイレットペーパーを持ち、その真紀がいるであろう場所へと投げた。


真紀「やったぁ〜!これで拭くことができるよー!」


と嬉しそうな声をあげた。

これで、このトイレの調査も幕を閉じた。

トイレから出た後、しばらくして真紀もちゃんと戻ってきました。


□□□3階の音楽室


次に訪れたのは、3階の音楽室だった。

ここの噂は僕も知っている、というよりかは聞かされたのだが……。ここの七不思議はどうやら、誰もいないはずなのにいきなり演奏会が始まるんだそうだ。

冷静に考えてみれば、なんだそりゃ、という話だが、これまでの正体が妖怪であったのを考えると、きっとここも妖怪である可能性は非常に高いだろう…。そして、僕らは警戒しながら静かに扉を開けてこっそりと入ってみた。


流「しつれいしまぁ〜す……?」


音楽室に入った瞬間、甲高いピアノの音が鳴り響いた。そこには一見誰もいないように見えるが、僕らには違った。ピアノの椅子に座っていたのは、美しく流れるようにピアノを弾く、美女の姿があった。

僕らはそれに、つい見入ってしまった。


さとみ「綺麗な音だね〜」


真紀「うん、なんだか心が安らぐようだね」


彩芽「すごいですよー!誰も座っていないというのにも関わらず、ピアノが一人でに音を奏でています!」


と僕らが関心をしていると……。


流「……ん?」


今度は、さっきまでいなかったはずの奏者と指揮者がいきなり姿を現し、ピアノの音に乗せて演奏をしだした。


彩芽「おーー!…今度はトランペットやアコーディオン、フルートやグロッケンが一斉に演奏しだしましたぁー、無人なのに!?」


彩芽「これはすごい!凄い発見ですよぉ〜!」


流「うん、確かに素晴らしい……」


流「だけど………」


これって本当に怪談?

それだけが僕の中で一番疑問に思ったところであった。これのどこが怪談なのか、七不思議怪談に認定した人に小一時間問いたいところである。いや、その前に顔を見てみたいな……と、そう思いながら僕らはその場を後にするのだった。


□□□3階美術室近くの廊下


彩芽「さぁ!次は美術室の、忽然と描かれるアニメ絵画の謎です!」


流「アニメ絵画?」


幸兎「それってなんなんですか?」


彩芽「なにって、言葉通りだけど?やっぱり君はバカだね〜」


馬鹿なのは僕も知っていることだが、多分彼が言いたいのはそういうことではないと思う。


幸兎「馬鹿とはなんですか!俺は馬鹿じゃなくて真人間です!」


真紀「うん、彩芽さんの言う通りだと思う」


幸兎「まっ、真紀まで〜」


幸兎「……流!おまえは…」


流「…すまない、僕もそう思っている」


と言うと、幸兎は愕然とした顔で絶望した。どうやらこいつは、かなりからかわれやすい性格のようだなと理解すると同時に、こいつもこいつで苦労が耐えなさそうだ、と心中でそう思ったのだった。


しばらく廊下を歩き続けていると……。


流「……んっ?」


後ろの方から何やら物音が聞こえたような気がした。ふとそこで足を止めた僕は、その方向に体を向けて見ようとするが…。灯りが一切灯っていない学校のため、向こう側がよく見えない状況になっていた。

僕がそれに気を取られていると……。


幸兎「どうした流?」


流「なんか、誰かの気配がしたような気がして……」


さとみ「そうかな〜?私には何も聞こえなかったけど?」


幸兎「俺も真紀も聞こえなかったぞ?そんなことより、早く行こうぜ?彩芽先輩、もう結構先に行っちゃったぜ?」


と言いながら幸兎は後ろに親指を向ける。


流「いつも思うんだけどさ……、彩芽先輩…歩くの早くね?」


いつも思っていたことなのだが、彩芽先輩って気付かないうちに唐突に現れることが多いんだよな。それを漢字四文字で表すなら神出鬼没という言葉が一番しっくりくるのだろう。


幸兎「まあ、それは俺も同じ気持ちだが…、お前も大概だと思うぞ?」


流「なんでだ?」


単純に疑問だったので聞いた。すると……。


幸兎「だってお前影薄いから、いつの間にか消えてたりするもん……」


と言われ、僕は納得がいったと同時に少し悲しい気持ちになった。


幸兎「まあ、そんなことより早く行かないとな」


流「それもそうだな」


そんなことって言わないで?という言葉を必死に堪えながら相槌を打つ。


彩芽「やっときたかね?遅いよ君たち、何してたのさ……?」


幸兎「すみません、流が急に立ち止まったものだから……」


流「ははは………、すいません」


と苦笑いを浮かべながらペコリと謝る。


彩芽「まあ、そんなことはいいんですよ!ほら、あれを見てください!」


と言われて、僕らは彩芽先輩が指さした方向に視線を向ける。


彩芽「ほらほら、中央に置かれた絵画と浮いた鉛筆があるの見えますか?」


幸兎「あー、はいまあ……」


流「うん、見えるね」


彼女には見えていない存在が見えますね、はい……。僕らの視界には、彩芽先輩とは違った光景が見えていた。それは、絵画の前で鉛筆を回しながら何かを描こうとしている無表情な女性の姿だった。


彩芽「むむむ?どうやら、鍵が空いていないようですね〜?おかしいなぁ…?」


すると、いつの間にか彩芽先輩がその扉を開けようと奮闘していた。だが、すぐに諦めたようだった。


彩芽「仕方ありません、あまり時間もないですし、さっさと次の場所に行きましょうか」


と言ってそそくさとどこかへ言ってしまった。そんな僕らなのだが……、僕らはその場で立ち尽くしていた。なぜなら……。


さとみ「やっほー!久しぶりだねー技ちゃん!」


??「あら、アナタはタシカー……、影薄ノ…?」


さとみ「忘れちゃったの?さとみだよー!」


??「ソウソウ、ソンナ名前ダッタね………。アッ、真紀ちゃんも一緒なんだネ」


真紀「私は覚えてくれてるんだ」


と言って微笑ましそうな顔をする真紀。


さとみ「酷いよー技ちゃん!真紀ちゃんだけ覚えておいてー私は忘れるなんてー!」


??「ごメンゴメン、ちょうどそのタイミングで思い出したカラさ……。そうなっちゃったノヨ」


さとみ「じゃあ許す!」


真紀「軽いね、相変わらずさとみちゃんは……」


と、二人の妖怪が仲良くと話し込んでいたからであった。僕はそれに唖然としながらも、扉を叩いて開けてもらい、詳しくその妖怪のことについて説明してもらうことにした。


流「なぁ……、その妖怪はさとみの知り合いなのか?」


さとみ「うんそうだよー!あと、知り合いじゃなくて友達だよ!」


流「似たようなもんだろ…」


と言いながら、さとみの反論よりも前に話を戻す。


流「まあ、友達なのはわかった。それで、一応聞くけどこの人はどういう妖怪なんだ?」


単純に気になったので、そうさとみに聞こうとすると、その本人が自ら前に来てこう言った。


??「流石に自分のショウカイは自分でやる」


と唐突にそう言ってきたものなので、僕らはその妖怪からの自己紹介を静かに聞いた。


??「わたしの名前は全能智技子ぜんのうちわざことイウものだ。この教室で、漫画家の才能ヲ持つ者を探しているノだ」


と、聞いてもいないことも丸ごとしゃべった。それに少し唖然としながらも僕はさらに質問を投げかけた。


流「さっきから思っていたのだが……、なんで無表情なんだ?」


それが気になっていた。だって、さっきまでこんなにも楽しそうな会話をしていたというのに、全然楽しくなさそうな顔を浮かべているのだから、僕はずっとそれに疑問を感じていた。


技子「あー、それは単純にわたしが感情を表に出しにくいからだ」


流「そうなのか?」


技子「うん。だけど、体では結構活発的に表現をするぞ」


技子「ほらこんな感じで。わーーい!」


と言いながら両手を上にして嬉しさ?みたいなのを表現する。だがそれでも、僕にはそれが嬉しいのか楽しいのかというのがわからなかった。


幸兎「なるほど、これならわかりやすいな」


流「ゴメン僕には全然わからん」


まじでわからないので正直にそう言った。

そうして、僕らはしばらくここで雑談を交わすのだった。やがて、彩芽先輩に呼ばれて、次の場所へと強制的に引っ張られるのであった……。

面白ければ、高評価とブックマークをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ