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12 急に飲まされて……

翌日の午前9時。休日のことだった……。

気づけば季節も秋。だんだんと空気も乾燥してきました。そんな中ですが………。

僕はまた、ソイツと対面をしていました。


親父「どうしたんだ、悩ましい顔をして…?もしや……、さとみ君と一緒に夜のい」


流「違うし○ね」


親父のその言葉に僕は辛辣に対応してあげた。すると、その言葉がよっぽど聞いたのか、親父はわざわざ席を立ち四つん這いになって落ち込み始めた。これは、親父がかまってほしい時のいつものルーティンだな。

だが、今はそのままの方が静かで都合がいいな。と思いながら親父から視線を外す。


流「………」


僕は今、あることを考えていた。

なにについてかと言うと、さとみのことなのだが……。アイツはどこに行くのかも言わずに、そのまま出かけていってしまったのだ。なので、もしかしたら昨日した会話の内容に手掛かりがあるのではと思い、必死にその時の会話を思い出していた。そして、一つの答えに僕はたどり着いた。


流「あいつ、携帯を買いに行ったのでは!」


という結論に至った。

だが、アイツに金があるのか?という疑問が新たに僕の頭の中に展開され、また僕は頭を悩まされることになってしまうのだった。


□□□


あれから1時間くらい考えたが、全く答えは出なかった。結局何をやってもわからないので、僕は考えることを放棄してその場で脱力した。頭を使い過ぎたからか、案外すぐに眠気が回ってきた。視界がぼんやりし出し、本当に眠りにつこうとした……その瞬間だった。


流「うぶっ!!?」


僕はいきなり、誰かに後ろからなんかの飲み物を飲まされた。なんだこれ、誰がこんなことを!てかにっが!!!!

僕は、困惑しながらもなんとか抵抗をし、そうしてソイツの拘束から切り抜けることに成功した。もう少しで窒息するところだった。殺す気かよアイツ……。そして、僕はそれをした本人の方へと振り向き、怒りの目を向けながらソイツに問いただす。


流「おい親父………、何してんだ?」


僕は般若のような形相で、その頭のおかしい親父にドスの効いた声で問いかける。


親父「いやその……、ついやっちゃったっていうか……。魔がさしたというか……」


流「……あ〜んっ、てめぇ?!!」


親父のその言い訳に、僕は拳をポキポキと鳴らしながらドスの効いた声を出して睨みつける。


親父「やはり、そういうところは母さん似だな…」


流「黙れ」


流「つーか、何を飲ませたんだよ?答え次第では殺すしかないぞ……」


目の前の父は、僕の口調と言葉に恐怖しながら喉を鳴らし……やがて、親父はその口を割った。すると、とんでもない物がその男の口から言及されたのだった。


親父「酒…です…」


流「……はっ?」


親父がそう言い終えると同時に、気づけば酔いが回りだしてしまっていて、僕の顔はだんだんと赤く火照り、頭が朦朧としてしまうのだった。


□□□


……次に目が覚めた時には、とんでもないほどの吐き気と頭痛に襲われながら目を覚ました。


流「……あれ……なにしてたんだっけ……?」


記憶にあるのは、親父に無理やり酒を飲まされた直前まで、そこからの記憶は一切として抹消されていた。

これは少しやばいと思った僕は、親父に何があったのか聞くことにした。


流「なあ親父、酒を飲まされてからの記憶が無いんだが……。なんか知らないか?」


親父「なに?…覚えていないだと!」


流「なんだ…、そんなにやばかったのか?」


全然思い出せないので、なんのことか皆目検討がつかない。


親父「いや、それならそれで構わん」


流「アンタが良くても僕は嫌なんだよ」


と無駄なツッコミさせる親父に苛立ちを感じながらも親父の言葉を待つ。

なんのためにお前にわざわざ聞いたと思ってんだ、という言葉を引っ込めながら……。


親父「そうだね……。あれはもはや……、おかしかったね」


と親父はそう訝しげに言った。なにがどうおかしいのか、今の僕には一切合切理解ができなかったが……。多分、普段おかしい親父がそう言うのだからきっとおかしかったのだろう。まっ、これに懲りたらもうお酒を飲まそうとすることはないだろうと、そう思っていると……。


さとみ「たっだいまーー!!」


さとみが元気よく帰ってきた。僕は、さとみの方に視線を向けてこう返した。


流「おかえり!」


……と。


□□□


さとみ「にひひひーー!」


さっきからニヤニヤと笑みを浮かべているさとみ。いったいなんだと思いながら、僕はさとみのことを見つめていた。


流「さっきからなにニヤニヤしてんだお前?」


さとみ「知りたい?」


流「まあ、気になるしな…」


純粋な気持ちで答える。そりゃー、あんなに気分良さそうにしてたら、誰だって聞きたくなるだろ?えっ……、もしかしてそう思うのは僕だけ?


さとみ「実はね……、こんな物を買ってきたんだー!」


と言いながら、さとみは見たことのないマークが入ったスマートフォンを見せびらかしてきた。なんだこのマーク……人魂か?


流「てか、なんでそんなもん買ってきたんだよ?」


単純にそこが疑問だった。そして、それをさとみは淡々と説明していく。


さとみ「私もねー、お兄ちゃんやみんなと電話できるようになりたくて、わざわざ実家にまで戻って買ってきたんだー!」


流「…はっ?なんで実家なんだ?」


そこも気になるため、僕は続けて質問をする。さとみは、そのことについてもしっかりと説明をしてくれた。


さとみ「ほら、こういうのを買うためにはお金が必要でしょ?だから、わざわざ家族に頼んで契約して買ってもらったの!」


流「はぁ……」


それからというもの、僕はさとみにいろんな質問をした。そのスマホにあるマークについても聞いてみた。さとみが言うには、妖怪の世界で売っている、人間とも通話が可能な特別な携帯電話のようだ。

さとみは一度決めたことを取り消さない性格のため、多分買ってくるだろうとは思っていたが、まさか妖怪の世界にも似たような物が存在していたとは……。世界は広いんだなと改めて痛感させられた。


さとみ「それじゃ、連絡先交換しよ!」


流「えっ…あっ、おう。わかった」


いきなりそんなことを言われ、勢いに押されて思わず了承の言葉を言ってしまった。

そうして、僕らは連絡先を交換した。まさか、妖怪と連絡先を交換することになるとは…夢にも思わなかったな。と思いながら、さとみの方に視線をやる。

連絡先を交換し終えると、さとみはプレゼントをもらって喜ぶ小さな子供のようにぴょんぴょんと飛び跳ねながら、喜びを表現していた。それはまるで、無邪気な子供のような笑顔だった。


さとみ「やった、やったーー!」


正直そこまで喜ぶことなのかはわからないが、彼女が嬉しいのであればそれで良いのだろうと、そう思う今日この頃なのであった……。

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