競馬の基礎知識
ウマ娘は実際の競馬とよく似たレースを開催していますので、基礎知識を紹介します。
馬齢に関しては、生まれた年を当歳馬として、翌年の元日に加算されますので、2018年生まれの競走馬は、翌年の2019年は一歳馬、2020年は二歳馬、2021年は三歳馬、2022年は四歳馬となります。
実際の競走馬では種付け時期が四月から五月に集中している関係で、出産もこの時期に集中しています。
こうすることで競走馬の年齢がほぼ統一され、生まれの早い遅いの能力差が小さくなります。
馬齢はかつて数え年でしたが、現在は満年齢で表記するようになりました。
四歳馬以上は古馬とも言われます。馬の年齢を人に換算すると、この時期が二十歳前後になるそうです。ウマ娘たちが少女ばかりなのも納得ですね。
クラシックシーズンは、若い馬が活躍する時期で、牡馬であれば「皐月賞(G1)」、「東京優駿(G1)」、「菊花賞(G1)」を総ナメにする三冠馬に挑むのが通例です。
牝馬では「桜花賞(G1)」、「優駿牝馬(G1)」、「秋華賞(G1)」の三競走を総ナメにする牝馬三冠が主要レースになります。なお「秋華賞」は新しい競走ですのでクラシックレースには含みません。
令和二年まででは牡馬の三冠達成は八頭、牝馬三冠達成は六頭のみで、昨年は牡馬三冠と牝馬三冠が史上初めて同時達成されています。
昨年の牡馬三冠馬のコントレイルは、父馬のディープインパクトも三冠馬という世界初の快挙を達成しました。
そういう意味では、三冠馬シンボリルドルフの仔であるトウカイテイオー(二冠馬)が故障で「菊花賞」に出走できなかったのは残念でなりません。
さてクラシックシーズンで距離適性がクラシックディスタンスに不向きな競走馬は、他のレースに出走します。
代表的なレースが「NHKマイルカップ(G1)」です。
その他、「スプリンターズステークス(G1)」や「安田記念(G1)」、「マイルチャンピオンシップ(G1)」などに出走します。
八大競走と呼ばれるのはクラシック五競走に加えて、「天皇賞春・秋(G1)」と「有馬記念(G1)」を指します。
いづれも格式の高い競走で、特に「天皇賞・春」は国内競走では最長距離に設定されています。
その苛酷な距離故に、二勝した競走馬はいても、三勝した競走馬はいません。
またメジロマックイーンが特筆されるのは、父馬メジロティターン(天皇賞・秋)、祖父馬のメジロアサマ(天皇賞・秋)と三代続けて「天皇賞」を制覇する史上初の快挙を達成したからです。更に獲得賞金総額が十億円を超えたのもメジロマックイーンが初めてでした。
平成三年の「天皇賞・秋」では、メジロマックイーンが六馬身差で一位入線しましたが、レース序盤で他の競走馬の進路妨害をしたとなり、十八位降着という処分を受けています。
メジロマックイーンの圧倒的な強さはこの「天皇賞・秋」での不運と共に語られます。
「有馬記念」は年末の風物詩として定着している競走ですね。
ファン投票による出走馬の選抜と、競走成績による選定で、十六頭が出走します。
地方競馬から中央競馬に移籍したオグリキャップが有終の美を飾って引退したのも「有馬記念」でした。
「有馬記念」を引退レースとする競走馬は多く、リスグラシューやキタサンブラックも「有馬記念」を勝利して引退しています。
グレードレースについては近年の改定で大きく変化しましたので、ウマ娘たちの元になっている競走馬が活躍していた時代の話をしますと、これは日本中央競馬会の独自の格付けで、G1を頂点にG2、G3、オープン、条件付、未勝利、新馬などに区分けされます。
現在は国際グレードを導入していますので、詳しくは日本中央競馬会の公式サイトを参照して下さい。
日本国内は芝のレースが圧倒的ですが、アメリカではダートレースが盛んです。
ダートは砂ではなく、土を主体に構成されるのが常ですが、日本国内のダートコースは砂が多いようです。
また芝が盛んな欧州と、日本国内の芝は性質が異なるようで、海外遠征した競走馬が思ったような走りができない事例も後を絶ちません。
また競走を行う走路を本馬場と言い、走り易い乾いた状態を良馬場、水分の含有が増えるに従って稍重、重、不良となり、芝では表面に付着した水分で摩擦係数が下がり走行に支障が出ます。
ダートの場合は乾いている良馬場では力が逃げ易く、稍重か重馬場の方が好タイムが出るとされています。但し、不良馬場は「田んぼ」と揶揄されるぐらいに酷い状態となります。
競馬観戦では、馬場状態と距離、競走馬の血統と適性などを勘案して勝敗を予想します。
もちろん、鞍上の騎手によっても馬の走り方は変わりますので、当日の乗り替わりがあると危ぶまれます。
単純に「格好良い馬だから」や「騎手を応援している」、「血統が好み」、「馬名が面白い」などで応援する馬を決めても良いでしょう。
競馬は古くから行われているスポーツですから、観戦するだけでも面白いです。そして、その奥深さに驚嘆するでしょう。